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21/62

【21】

「どうした…?」


三人を見送ったあと、エルドラと共に三人の帰りを待つことにした。

今で一時間ほど経過している。

突然、エルドラが立ち上がった。


「…新しい仲間を探す」


「な…なんだとっ!?」


「…もう三人は帰って来ない」


「…何故っ?!」


バッツも薄々とは感じてはいたが、あっさりとそう答えるエルドラに腹が立った。


「…長過ぎ。もっと早く出てくるか、もう死んでるか、どっちか…」


「……くっ」


三人との思い出が駆け巡る。

だが、こちらの気持ちを余所に、エルドラは立ち去ろうとしている。


「……どうしても行くのか?」


「うん…」


「…まぁ、引き止める権利はないな。……結局、仲良くなれず仕舞いだったな…」


「…でも楽しかった。ありがとう」


「ああ。気を付けてな……」


バッツは、教会に転送されるかも知れない三人を見つけるべく、

ウェルネ=デザイアに向かうことにした。

しかし、三人がここに帰って来る可能性も棄てきれないため、

メモを書くことにした。

が。


「帰ってこないぞ」


「っ誰だ!!《希梟の瞬膜(ミリオン・アイズ)》!」


バッツは、敵の姿を確認する前に、事前に相手の行動をある程度読むことが出来る魔法を唱えた。


「安心しろ…。敵意はない」


男はホールドアップしている。


「一瞬でそこに現れられても信用出来ないな」


忍者であるバッツは、常態能力(スキル)《隠者の警戒網》により、自身から半径二十メートル以内の外敵を感知することが出来る。つまり、バッツが気付くことなく、誰かにその範囲内に入られることはないはずなのだ。


「ああ、忍者…か。それは失礼。種はこれだ…」


男はそういうと、虹色に輝く羽根を見せてきた。


「[不死鳥の風切羽根]……か」


「ほう。よく知ってるな…」


「ああ。ちょっとした因縁があってな、ソレには…」


「フフフ…あるよな、そういうの…」


「……世間話をする気分じゃないんだがな……」


拒絶を露にした。


「…おっと、スマン。本題に入ろうか…」


バッツは身構える。


「三人のことだが……」


「…死んだのか?」


「…スマン」


男は謝罪を繰り返した。


「くっ………」


「言い訳じゃないが……。おそらく君も聞いただろうが…」


「バッツ……」


「…は?」


「…名前」


「あ、ああ、バッツか…。俺はマコトだ」


「………お前が《魔窟王》なのか?」


「っ!…どうしてそれを知っているっ?!」


「やはり存在していたか…」


「お前、一体何者だっ!?」


マコトが殺気をみなぎらせている。


「警戒するな…。そんな大したもんじゃない。俺も、お前らが殺した奴等も……」


「……」


バッツは事情を説明した。

自分達がサイトの管理人の集まりだったこと。

ずっと前から《魔窟王》や他の《バスター》をマークしていたこと。

この世界で、自分達がどれだけ取るに足らない存在だったかということ。

それらを一気に捲し立てた。


「……警告を聞き入れてもらえず残念だった」


「……なぜだ?」


「ん?」


「なぜ殺す必要があった?!全面的にこちらが悪いとはいえ、皆殺しにする必要があったのかっ?!」


本気になれば、即座にバッツを殺す能力があるであろう相手に噛み付いた。

それほどに悔しかった。悲しかった。


「…ああ、あった。理由は説明出来ない」


哀しい眼でこちらを見つめている。

心情がわかるのだろう。


「三人のことは伝えた…」


「ああ…」


「用はそれだけだ。じゃあな…」


「フ……。じゃあな……」


マコトは羽根を頭上に投げ、消えた。

奇しくもグリシャムと同じ別れの挨拶だったことに一抹の寂しさを感じた。






「あぁ…一人になってしまったな……」


こんな訳のわからない世界で一人。

決して仲良しグループではなかったが、それなりに苦楽を共にした仲間達だった。

もう雲助はいない。

蘭子もいない。

グリシャムも。

これからどうすればいいのか。

何をするのが正しいのか。


バッツの旅はまだ終わらない。


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