【2】
マコト、タケ、ミカりん、ユウゴの四人は途方に暮れていた。
いつものパーティでダンジョンに潜っていると、突然、激しい頭痛に襲われ意識が途切れた。
目が覚めた時、見慣れたダンジョンの風景は
ヘッドディスプレイを通した映像ではなく、自分の視界だった。
「……は?」
「い、一体なんなの…」
「なんじゃこりゃ……」
「っ……」
何が起こったのか、わかるものはいなかった。
通い慣れたダンジョン。のはずが、本来、感じることのない湿り気。 装備品の重さ。 汚物が発酵したような臭気。
そして何よりも、自分自身がここにいるという感覚。
しかしダンジョンは考える時間を与えてくれない。
意識を失っていた時間が意外に長かったのか、
凶悪なモンスターの群れが眼前にいた。
「…お、おい、みんな!とりあえずコイツらを何とかするぞっ!!」
リーダーのマコトが皆に声を掛ける。
「…あ、あいよ…」
タケは返事をするなり、あらゆる瘴気を遮ることができる《聖膜》を展開させた。
タケが戦闘開始時に必ず行うルーティンのようなものだ。
パーティ全体に光の幕が覆う。
だが、それを見た一同は驚いた。
「お、おいタケ。どうやって魔法使ったんだ?!」
マコトは当然の疑問を投げ掛けた。
なぜなら、今はゲームと違いコマンド画面がない。
「いや、どうやってって…。念じてみた…」
「…あっそ」
召喚士であるマコトは《エージェントデネブ》を召喚すべく念じてみる。
すると何もない空間に割れ目が出現した。
そこからドスンと出てきたのは、白銀の鎧魔神。
鳥が模された煌びやかな鎧に身を包んだ女戦士。
「おはよう♪ボス」
「うわぁぁ、マジか・・・スッゲぇ…。しかも挨拶したし…」
《エージェントデネブ》に、目の前のモンスターを殲滅するよう命じた。
「了解♪」
《エージェントデネブ》は鎧と同じ色の剣と盾を構え、モンスターの群れに突撃する。




