【13】
『―そこは湖のほとりでもあり、山の麓でもある。
そこはいつも晴天。夜は決して訪れない。
そこは燃えている。燃えて景色が歪んでいる。頂上も視認出来ないほどに。
そこは竜の寝床。《焔竜ロージンバッハ》の巣―
《焔の剣ヶ峰》
ランク:?
編成限界:???
難易度:???
作者:???????
挑戦しますか?』
ゲーム時代の名残からか、ダンジョンの近くに来ると、このようなテロップが頭の中に流れる。
「やっと見つけたぞ!プレイヤーが創ったダンジョンだ!」
「…なんでわかるのさ?」
興奮しているリーダーを横目に、パーティの紅一点が疑問を口にする。
「作者の欄があっただろ?」
「ええ、あったわね」
「運営が創った、つまりゲームに内包されたダンジョンには作者欄は無いんだ」
「へぇ」
「ゲーム時代には役に立たなかった小ネタだが、こちらでは値千金の情報だ」
「フーン。ってことはレアアイテムがわんさかある訳ね」
紅一点は舌舐めずりしている。
「ああ、間違いない!」
五人は山を見上げる。
「し、しかし凄まじいダンジョンですね…」
「…ああ。こんなダンジョン、よく創ったもんだ」
「ホントね。どうせゲームばっかやってたニートでしょうよ」
「この状況では、バカに出来る要素ではないけどな」
「…」
「フン。まったく腹立たしい…」
「おい、お前ら。さっさと行くぞ」
「……へいへい」
中腹にあるのダンジョン入口を目指す。
それは突然鳴り響いた。
『ケイコク!ケイコク!』
「っ!!?」
それぞれ即座に臨戦態勢をとる。
『ケイコク!ケイコク!ココハキケン!ヒキカエシテクダサイ!』
『ケイコク!ケイコク!ココハキケン!ヒキカエシテクダサイ!』
辺りを見回すが誰もいない。
「……こ、これは」
「……おそらく。ただのギミックだ」
「でしょうね…」
「…なにそれ?」
「ある地点を通過すると、イベントが発生するようプログラムされているんだ」
「イベント…?これがそうなの?」
「ああ。セリフを流すだけのイベントだ」
「へぇ。くだらないイベントね…」
「…」
「おい、進むぞ!隊列キープだ!」
「…りょーかい」
『ケイコク!ケイコク!ココハキケン!ヒキカエシテクダサイ』
『ケイコク!ケイコク!ココハキケン!ヒキカエシテクダサイ』
『ケイコク!ケイコク!ココハキケン!ヒキカエシテクダサイ』




