【10】
戦士や盗賊、魔法使いや司教などの誰でも選べる職業とは違い、
《バスター》と揶揄される、一風変わった職業がある。
パッケージ版クロニクル・オブ・スカンディナビアにおいて、極めて稀に発現する職業のことだ。
種類は複数あるが、総称して《バスター》と呼ばれている。
ネーミングの由来は、
「ぶっ壊れ」→「バースト」→「バースター」→「バスター」
と推測される。
ゲーム時代。存在が特定されていた《バスター》は
《ボステイマー》
《女衒》
《魔具師》
の計三種。
《ボステイマー》
通常のモンスターはもとより、ダンジョンボスすらをもテイムすることが出来る。ボスの強さには際限がない。ダンジョンボスをテイムされた時点で、そのダンジョンはテイマーのものとなる。
《女衒 》
あらゆる性別♀を使役することが出来る。 モンスター、NPCは高確率で、プレイヤーすら低確率で使役可能。一旦、 女衒の手に堕ちると、プレイヤーは一定時間経過で解放されるが、モンスター、NPCは死ぬまで使役される。なお、プレイヤーが堕ちた場合、操作不能時にあらゆる資産を奪われると覚悟しておいた方がよい。
《魔具師》
特殊な効果が付与されたアイテムの製造が出来る。
その効果が実に多種多様。作り手の情熱さえあれば大抵の効果は付与出来る。
効果の程度を知ればわかることだが、
《バスター》は憧れられるより、妬まれることの方が多かった。
その証拠に、この三種類を掲載していた攻略サイトには
《バスター》であろう者のSNS、学歴、勤務先至るまで全て晒されていた。
《ボステイマー》のジュノンこと奥飛騨樹音。PVPで危機に瀕し、テイムしたボスモンスターをうっかり使ってしまった。そこからはバトルそっちのけで質問に継ぐ質問。始めの頃こそちやほやされたらしいが、そのうち図にのってきたため、「ジュノン狩り」なる遊びが流行るのに時間は掛からなかった。本人は勿論、無関係のジュノンまでターゲットにされる始末。自身の情報が晒されたまでは踏ん張っていたが、親兄弟のSNSが晒された時点で引退状態となった。
《女衒》のポコ☆ポコこと織部真二。こちらもジュノン似たようなものだ。
《魔具師》のソルティキャットは少々事情が異なる。
もともと古参プレイヤーだったソルティキャットは、暇つぶしにサブアカを作成。そこに《魔具師》が発現した。この時点では《ボステイマー》の功績で《バスター》の存在は明るみに出たので、まずは自分の存在を隠しに隠した。
機が熟したあるとき、街の一等地に《魔具屋ー塩猫ー》をオープン。それとともに《魔具師》の存在も公表。プレイ環境を大きく変えることの出来るアイテムの出現に開店当初は祭り状態だった。薄利多売が信条で、またソルティキャット自身の人柄も良いのでジュノンの二の舞避けられた。




