#2 後輩が神だった?
起きてみるとそこは知らない天井だった。
いや、割とガチで。
周りに目をやると、至って普通に見える部屋だ。
「あ、先輩起きましたか?お風呂にします?ご飯にします?それとも、僕?」
そんなくだらないことを言う奴はひとりしかしらない。
黒子がそこにいた。
「ここは、何処だ?つーか俺って轢かれなかったっけ?」
「ここは僕の家ですよ。トラックに轢かそうになっていたので、助けてここに連れてきたんですよ。」
「お前、あのとき自分の教室に戻ったはずだろ。助けに来ても間に合わないだろ。」
それになんでお前の家にいるんだ、と俺は聞いた。
「それなんですけどね。僕って実は神様やってまして・・・・10分経過、でここって普通の部屋に見えると思うんですけど・・・20分経過、あと、残念なことに先輩は、・・・1時間経過、と言う訳なんですよ。分かりました?ブハッ!?」
俺は奴を殴ってやった。
話なげーよ。
要約するとこうだ。
・こいつは神様をやっているらしい。
・ここは地球では無く、神が住む神域にあるこいつの家らしい。
・地球には戻れないらしく、異世界でしか生きるしかない。
・異世界にはLv、ステータスやスキルがある。
・ネコ耳がいるらしい。
・こいつが俺にチート能力をくれるらしい。
黒子はを殴られた頬を擦りながら、部屋の中を動き回り何かのカードを持って俺のところへ戻ってきて、そのカードの表側を俺に見せないようにしながら前に突き出してきた。
「この4枚の中からカードを取って下さい。これはスキルカードと言って、使うとスキルを入手できます。ちなみに内容は、「鑑定」「アイテムクリエイト」「マップ」「アイテムボックス」です。」
俺は少し迷う振りをしながらも全部奪い取った。
カードが光となって俺の中に入ってきた。
え?普通どれか一つじゃないかって?
見知らぬ異世界に飛ばされるんだ。
そのくらいいじゃん。待ってろ、俺のネコ耳たち!!
「まあ、いいですけど。」
許してくれるらしい。
「そろそろ、行きましょうか。あ、向こうでも言葉が通じるように、言語変換はオマケでつけときましたから。」
それがなかったら、向こうで困るもんな。
黒子が指を鳴らすと俺の足下で魔方陣が光りだした。
「時々連絡しますから、土産話期待してますよ?」
「そんなもの、誰が話すか。」
光りが収まる時には、俺はその場から消えていた。
「全くもう。なんて世話のかかる人なんですか、あの人は、もう死にかけちゃダメですよ、先輩。」
黒子は寂しそうにそう呟いた。
テイク1 もしも転移したのが中様では無く、トラックだったら。
・・・・・・・・・・・・・・・
「死なせませんよ、先輩のことは。」
そして、トラックは優しい光に包まれた。
★☆★
「起きましたか?お風呂にします?ご飯にします?それとも、僕...なんでトラック!?ていうか僕の家がァァァ!!」
中様放置状態。