#15 喧嘩に勝つ?
「うぅ...、ここはどこだ?」
周りを見回すと、黒子がいた神域...などではなくどこかの部屋らしい。部屋の中でシャルが誰かと話している。
「気づきましたか?」
起きた俺に気付いたシャルが声をかけてきた。
「ああ、ちょっと待て寝る前のことを思い出すから。」
★☆★
「バーサーカー」を発動し意識が遠のいていく。だが
「ハッ!」
気合いで何とか意識を保つ。ここで意識を失ってしまうことは、理性を失い本能のままに暴れることを意味する。絡んできた二人組はともかく周りの人には危害を加えたくない。それにしても「バーサーカー」の力は凄い、理性を失いそうになるが強さが2倍、俺は「バーサーカー」+15だから16倍近く強くなり、二人の強さを大幅に上回っている。
「おいおい、このくらいじゃ終わらねーよな‼︎」
スキンヘッドが倒れている俺の襟を掴んでくる。その手を掴み返し力を込めてやった。
「テメー、はなしやがれ、ガッガァァァ⁉︎」
さらに力を込めると、メキメキという嫌な音が奴の腕から聞こえてきた。
「兄貴を離しやがれ‼︎」
モヒカンがスキンヘッドを助けるために、俺に殴りかかってくる。だがその拳が俺に届く前にモヒカンの顔に回し蹴りを食らわせてやった。
「ガハッ⁉︎」
モヒカンは横に数回転してからそのまま壁に突っ込んでいく。歯は何本か折れただろうが別に死んではないだろう。
「よくもイヌイを‼︎」
モヒカン男の名前はイヌイだったらしい。まあ、二度と聞くことはないがな。スキンヘッドは掴まれている腕とは反対の腕で殴りかかってくる。
「テメーもあいつと一緒に寝てやがれ。」
スキンヘッドの腕を思いっきり引っ張り空中に放り、空中に浮かんだやつの体の脇腹に蹴りをいれてモヒカン男の所に吹き飛ばす。
「ガァッ⁉︎」
これで二人ともノックダウンだろう。
「シャル」
俺は固まっているシャルに話しかける。
「な、何でしょうレンさん。」
「少し疲れたから、俺は寝るわ。後はたのん...だ。」
バーサーカーによる暴走を抑えながら戦った俺は、精神面で疲れてしまったらしい。バーサーカーを解き、そのまま倒れて眠った。
★☆★
だいたい思い出した。
「思い出せました?」
「まあ、だいたいはな。」
「じゃあ、お前の処分を決めないとなぁー。」
聞き覚えのない声が聞こえてくる。
「ギルドマスターさん。」
シャルが呟く。
その声の主は、このギルドのギルドマスターだった。
モヒカンとかスキンヘッドとか髪型の名前が多すぎました。