#13 クエストクリア?
いろいろありましたが、シャルの収穫はバッファローの魔石と肉を15個づつです。
その間に俺は森に入り、食虫植物ならぬ人食い植物を7体倒してきました。
あいつら普通の植物に擬態して俺を食おうと狙ってたけどマップで丸わかりだったからね。
ファイヤーボールをぶつけたらよく燃えて、倒すと魔石と花みつを落としました。
人食い植物の魔石で作ったスキルカードがこちら。
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ウツボカズラのスキルカード
使うとスキル「誘惑」「隠密」を会得できる。
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今は、クエストの納品をしにギルドに来て受付の列に並んでいます。
「なんで、あの後も他のバッファローの群れを挑発して私を襲わせるんですか。」
並んでいる最中にシャルが俺に文句を言ってきた。
「お前が調子に乗っていたからだ、油断していると相手に足元をすくわれるぞってことを知って欲しくてな。」
「そうだったんですか。」
「まあ、一番の理由は俺が楽しみたかったからだけどな。」
「やっぱり、今の言葉は撤回です。レンさんは最低な人です。」
そんな話をしていると俺たちの番がきた。
「次の方どうぞ、って私のことをいじめたシャルさんとレンさんですか。」
受付をしているキーナハに言われた。
「いじめたとはなんだ、俺たちはサボるお前をギルドに連れてきてやっただけだぞ。」
「それをいじめたって言うんですよ。」
「言わねーよ。」「言いませんよ。」
お、シャルとかぶったな。
「いいですか、キーナハさん。レンさんのイジメっていうのはですね、Fランクの新人に推奨討伐Dランクのバッファローの群れで襲わせて楽しむことを言うんですよ。私本当に死にかけたんですから。」
「それは災難でしたね。」
キーナハもシャルに深く同情している。
あれ?俺そんなに酷いことしたかな。
「これ、クエストの依頼書と依頼品の肉ね。」
俺は受付のテーブルにおく。
「すごいですね、シャルさんは昨日までゴブリン相手に苦戦していたのに、もうバッファローの群れも倒せるなんて。もしかしてレンさんのお陰ですか?」
「まあ、そうですね。」
「バッファローの魔石も一緒に売りますか?」
「はい、お願いしま「いや、売らない。」」
「どうしてですか。売ればお金になってランクも上がるんですよ。」
俺はキーナハには聞こえないようにシャルにこっそり言う。
「お前に言ってなかったけどな、スキルカードって魔石から作ってるんだ。」
「本当ですか?」
シャルが聞き返してきた。
「マジだ。」
「じゃあ仕方ありませんね。」
納得してくれた。まあ、昨日までゴブリン相手に苦戦していたのに、スキルカードを使ってバッファローの群れも倒せるようになったからな。
スキルカードの凄さを実感しているのだろう。
「魔石の売却は無しということなのでクエストの報酬の1万ゴールドです。」
キーナハはカウンターの上に銀貨をおく、と同時にマップ上で二つの白点が赤点に変わった。まさかのテンプレがここで発動した。
「シャル、急いでここを出るぞ。」
俺は銀貨をアイテムボックスに入れながら言った。
「急に緊張感を漂わせてどうしたんですか?」
「このままじゃヤバイんだよ。さっさと行くぞ。」
俺たちは出口へ早歩きで向かう。だが、
「おい、あんちゃんたち、待ちな。」
「遅かったか。」
俺達と出口の間にスキンヘッドとモヒカンのガラの悪い男二人組が割り込んできた。