#9 アイテムクリエイトの本領発揮?
前回、受付嬢が逃げてしまった。
受付嬢が逃げやがった。
マップを使えば追えるだろうが、ギルドカードは作ってくれるらしいし追う必要はないだろう。
「まあいいや、シャル、依頼はどこで受けられんだ?」
「あそこで出来ますよ。」
シャルルが指差す先には紙がまばらに貼ってある掲示板がある。
「でもこの時間帯ではろくな依頼が残ってないので、また新しく張り出される明日の朝に見た方がいいですよ。」
「そうか、じゃあ今日は(逃げた)受付嬢にススメられた宿に行って冒険者のルールでも聞くとするか。」
俺たちはギルドをでて、宿へと向かった。
「ここが『アザラシの寝所』か。外装はまあまあだな。」
問題はこの後だ。看板娘がいれば最高だね。
俺は宿の扉を開ける。
「こんにちは〜。」
「いらっしゃい。」
中には、恰幅のいいおばちゃんがいらっしゃいました。(T_T)
「ウチは一泊3000ゴールドでって、あんたなんでそんなに落ち込んでるんだい?」
「いえ、気にしないで下さい。すぐに立ち直りますから。」
これで、看板娘を期待してたのにおばちゃんだったから、なんて言ったら殴られそうだし。
「ウチは一泊3000ゴールドで朝食付きだよ。泊まっていくのかい。」
「ああ、二部屋頼む。」
やっとの事で立ち直った俺は言った。
「え、私の分までいいんですか。」
「アリの魔石でできたお金があるし、ゴブリンの魔石は俺が貰っちゃったからな。」
「私、あげるとは言ってないんですが。」
「そうか、おばちゃんやっぱり一部屋で「あ、あげた気がしました。あげてますから私の分の部屋もお願いします。」
最初っからそう言えばいいのに。
俺たちはお金を払って鍵をもらい、部屋に向かった。俺は13号室でシャルが隣の14号室だ。
「明日の朝、ギルドに依頼を受けにいくから早めに寝とけよ。」
「まだ寝るのには時間が早いですよ。」
「俺はやる事があるからな。今日はもう外には出ない。じゃあ、お休み。」
「分かりました。お休みなさい。」
そう言って部屋に入る。
部屋の中は最低限の家具しか置いていない。照明もろうそくがあるだけで、夜になると真っ暗になりそうだ。やることは早めにやった方がいいだろう。
アイテムボックスから三つの魔石をテーブルの上に出す。ゴブリンの魔石だ。
黒子から貰ったカードをイメージしながら、
「アイテムクリエイト」
そう唱えると、魔石はカードに変わった。
「ふー、成功だ。」
カードを鑑定してみる。
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ゴブリンのスキルカード×2
使うとスキル『棒術初級』を会得できる。
魔術師ゴブリンのスキルカード
使うとスキル『火魔法初級』、『回復魔法初級』を会得できる。
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