#1 平穏な日常
僕の名前は中山蓮。私立高校に通う二年生だ。
毎日つまらない日常の繰り返しで退屈だよ。
異世界にでも飛ばされないかなぁ。
…と思っていた時期もありました。
今心底後悔してます。
神様、俺の平穏な生活を返してください。(泣)
★☆★
学校が終わり、だいたいの生徒が部活に行くなり、帰るなりする中、俺は机で図書館で借りた本を読んでいた。
ちなみに今読んでいるのは、異世界転「中様、何読んでいるんですか?」
今読んでるのは「中様聞いてますか〜?」
今読んで「中様無視しないでください〜。」
「聞こえてるつぅの!前から俺に話しかけるなって、言ってんだろうが!」
俺はそいつに蹴りをいれた。
しかし、そいつはクルッと回って蹴りを避けてそのまま俺のテーブルに座ってきた。
「だって、中様がエロ本読みながらニヤニヤしてキモいんですもん。なんか、弄りたくなりません?」
こいつは、黒子彰人、一つ下の学年の後輩で、何故だか俺の名前を様付けでくる。
「読んでねーよそんなもの。つーか、ニヤニヤしてねーよ。」
俺は本をカバンにしまい肩にかけて席を立った。
「あ、中様帰りますか?僕も一緒に付いて行きます。
教室にカバン取りに行くので正門の前で待ってて下さいね。」
黒子はそう言うと、返事も聞かずに教室出て行った。
「うん、逃げるなら今だな。」
女子ならともかく、野郎と帰るつもりは無いからな。
俺は、奴が廊下を曲がると同時に反対側の階段を駆け降り、下駄箱から靴取り出して、正門の反対側の裏口に向けてダッシュした。
学校の裏口を抜けて、そのまま横断歩道に入り...クラクションの音が鳴り響いた。
見ると、トラックが猛スピードで突っ込んでくる。
もちろん、俺の方に。(泣)
え、何コレ、なんかヤバくない。
俺まだ死にたくないんだけど、17年しか生きてないんだよ。
そんなことを考えている内にトラックはどんどん迫り。
「コレ、俺死んだな。」
俺はそう呟いた。
『死なせんよ。先輩のことは。』
頭の中に声が伝わってきた気がした。
俺は優しい光に包まれ、意識を失なった。