表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

CLOVER ROOM

clover room case1

作者: fairy

clover roomに訪れた4人の中の1人目の話


甘いファンタジーです

case1 会いたくて…


川原で1人、寝ている高校生がいる。


それが俺、○×学園3年の元村陽生(モトムラハルキ)

一応生徒会長

結構人気もあるんだ


「あ~ぁ…皆怒ってるんだろぉなぁ」

今日ゎ生徒会での仕事をさぼり中


「でも何か今日ゎ何もやりたくないんだょな」


ー学校ー


副会長であり、陽生の幼馴染 篠山洋(シノヤマヒロシ)が陽生を校内探し回ってる


「あいつどこ行ったんだ?」


「洋ちゃん」

そう呼ぶのはもう1人の幼馴染 喜多怜奈(キタレイナ)


「怜、陽生知らない?」

「知らなぁい

 珍しいね、はるちゃんがさぼるなんて」


「ったく

 見つけたら即連絡ちょうだい」

「うん」


「ところでさっきから 匂いしてるんだけど何作ってたん?」


怜奈は料理部の部長

いつも何か作っては生徒会に差し入れしてくれる


「今日はガトーショコラ☆」

「めっちゃ美味そう!! もちろん生徒会に持ってくつもりだったんだろ?」

目を輝かせてニヤニヤしながら洋が言う

怜奈もニコッと可愛く笑う


「はるちゃんいないなら持ってくのやめようかなぁ」


「怜奈は陽生一番だからな」


「さすが~わかってるね☆」

こんなバカ騒ぎはいつもの事

俺たちはいつも一緒でずっとこのままだと思ってた


ー川原ー


『静かだなぁ…』


俺は夕暮れ時のこの川原が好きだ

昼間のような暑さはなく、爽やかな風が吹く

空はもうすぐ青から赤に変わる、混ざって紫っぽいところもある


そんな時、彼女に出会ったんだ


「きゃああああ〜!!」


俺はハッと目が覚めた

『うるせぇなぁ』

体を起こした瞬間



ドン!!!


「いってぇ」

「ごめんなさいッ

 大丈夫ですか!?」


目の前には

髪が栗色のふわふわしたロングの天使

それが彼女の第一印象だった


「あのぉ〜」

我に帰った

「あ。大丈夫だから」

「ぢゃなくて○×学園の元村陽生さんですよね?」


『なんで俺の事知ってるんだ?』


「私の事覚えてませんよね…」


俺は固まっていた


「私、○☆高等学校の2年、畑野莉音(ハタノリオン)です」

○☆高等学校は隣りの金持ち学校

ここの学校長とウチの学園長は兄弟でよく学祭や生徒会同士でも仲良くしている学校だ


先月も生徒会企画の合同パーティがあった


ピロロロ…


見つめ合ってた二人のあいだに陽生の携帯がなった


『怜奈』


「はい、何?」

「はるぅ!!!

 お前どこにいるんだょ~」

「げっ洋かょ

 悪い悪いちゃんと埋め合わせするから」


ふと横を見ると

莉音の姿はなかった

だが手にはいつの間にか紙切れがあった

洋の話をききながらみると


『また明日ここで待ってます。莉音』



俺はこの瞬間から彼女が頭から離れなくなったんだ


「おいっ陽生

 聞いてんのか?

 おーーーーいっ」


ー次の日ー


「おっはょーん」


肩に手がポンッ


「なんだかご機嫌ですなぁ~陽生くん?」

「そうゆう洋くんはご機嫌ななめ?」


二人してニコッと笑う


「さぁ、昨日は何をしてたのかな?」

「はいはぁい!私も知りたぁい」

怜奈も入ってきた


「別に…

 しいて言えばデート?」


…沈黙


「マヂで!?えっ誰だょ~」

「内緒☆」


「え~俺達の間に内緒なんてないだろぉ」


「内緒☆」


男2人は盛り上がる


『はるちゃんにそんな人がいたなんて知らなかった…』



ー放課後ー


俺はさっさと生徒会の仕事を済ませて急いであの川原に行った


ハァハァ


彼女を探す


「あれっいない?」


疲れて寝転んだ瞬間

バサッ


何かが沢山落ちてきた

「なんだ、これ」

「四つ葉のクローバー 見つけちゃいました☆」


莉音だった

俺はあの天使の笑顔を見上げていた


「こんなにいっぱい♪ すごくないですか?」


「知らないの?

 この川原は昔から四つ葉の宝庫なんだょ

 まぁ昔ょりは減ったけどね~」

「そぉなんですか~」

そう言いながら莉音は俺のとなりに座る


「私小学生の時引っ越してきたんですょ」

「へぇ~ホントはどこの人なん?」


なんてどうでもいい話を毎日俺達はこの川原で話してたんだ




「ホント最近機嫌いいょね」

「陽生?彼女と毎日会ってるみたいだしな

 まぁ生徒会の仕事ちゃんとやってくれるから俺は問題ないけど♪

…怜、気になるの?」

怜奈は明らか嫉妬していた


「だってウチらに内緒で…」


洋は少し考えて


「怜奈、明日の日曜、俺とデートしない?」

「嫌」

「即答かょ~

 陽生が明日水族館行くらしいから一緒にどうかなぁって思ったのに」

「行く!!!」

洋はニヤリ


「………何ょ」

「ホンット怜って陽生大好きだな、昔っから」

「…私にとって陽生は王子様だもん」

「はぁ!?」


「…お父さんが死んだ時ずっとそばにいてくれた」


俺達が小1のとき怜奈のお父さんが交通事故で亡くなった

だから怜奈の母親と兄貴が働き、怜奈は家の事をやっていた


「無理して笑わなくていい、俺達の前では泣いていんだょ

 って言ってくれた」


「俺もその時いたんだけどな」


「何か言った?」

「いえ、もう1人側にいる事忘れてないかなぁって思って」


「あ~ぁ執事がいたわ」

「俺、執事~!?

 ひでぇなρ(´ε`*)」


「(爆笑)」

ーデート当日ー


水族館の前に莉音が先に待っていた。

白のワンピースでカゴバッグを持っていた。


遠くで陽生は莉音の姿を見つけた。


『今日も一段と可愛いなぁ』



その後ろに怜奈と洋が付いて来ているともしらずに…。


「あれっ莉音ちゃん

 早くない?

 いつからいたん?」

「陽生さん!

 そういう陽生さんも15分前に来るなんてさすが生徒会長さんですね」


…いゃ、学校行事なら時間ギリギリに来るけどね

この娘、天然?


「どうしたんですか?」

莉音が顔を覗く


……………まいっか


「行こっか」

「えっ今の沈黙なんですか?」

「ん?何が?」

「えっえっ!?」




「何か楽しそうだなぁ」


…………………


「あのカゴバッグ絶対手作り弁当だょな~」


……………


「可愛いし、天然系な感じ?

 何か陽生もべた惚れだし、俺たちも普通に楽しもっか☆」

「嫌」

「即答かょ~」


「…絶対いつもみたいに性格が合わなくてすぐ別れちゃうんだから

 その前に私達があの女の正体暴いてやる!」



確かに陽生は何気に顔もいいし生徒会長って事で寄ってくる女が多かった


そして結局性格が合わなかったりですぐ別れちゃうんだょね


今までずっと側にいた女といえば怜奈だけだろう



その時

近くにいた女の子2人が何やら騒いでいる声が聞こえた



「ねぇ、あの子畑野さんに似てない?」

「えっホントだぁ~

 でも彼氏君と違う人と一緒だょ」


「えぇ~あんなにラブラブなのにねー」


…………えっ?


「あっでも…」



「ちょっと洋ちゃん!

 何ボーッとしてるのょ!早くっ」

「怜奈、来て」

「はっ!?」


洋は怜奈の手をつかんで、あの2人組のところへ行った



「ちょっと洋ちゃん」

「ねぇ、今の話詳しく教えてくれない?」


「洋…ちゃん?」


そのころ

俺達ゎ水族館を一回りしたあと、莉音が作ってきてくれた弁当を食べていた


「うん(^∪^*)

 やっぱ手作りっていいなぁ」


「クスクス

 喜んでもらえて嬉しいです

 でも陽生さんモテるし、色んな方が手作り弁当とか持って来るんでしょうね」

「あぁ~…

 まぁないこともないけど、幼馴染がさ料理得意でよく作ってくるんだ

 だから彼女じゃない限りそっち優先しちゃうんだょね」


「へぇ~大事な方なんですね」

「うん、妹みたいな

 てかさ、陽生さんって呼ばれなれてないから呼び捨てかハルとか呼んで?」

「えっあっ…じゃあ

 ハル」


俺は自然と笑っていた

「うん、次どうしよっか」


「あっイルカショーみたいです」

「いいねぇ☆」




俺たちはイルカショーを見て水族館を堪能した


「莉音ちゃんんち門限18時半だっけ?」

「あっはい…」


「そっか」


さすがお嬢様学校に通うだけあるよな…


初デートだし、しょうがないかと俺は残念がった



そして他愛もない話をしながらあの川原を歩いてく




「やっぱここの夕日は一段と輝いてみえるょね」


いつも会ってた時間より暗く、もう日が落ちかかっていた


「あの、もうここで大丈夫です」

「えっ?暗くなるから家まで送るょ?」

「いえっ」


莉音は断固拒否する


俺は親に会うのがまずいのかと自然に不審に思わなかった


「ねぇハル

 いっせーのでで後ろむいて振り向かずにバイバイしよっ」

「へ?なんで…」

「いいじゃないですか

 一度やって見たかったんです☆」


莉音は変わらず笑顔で言う


「いっせーのーでっ」


俺は反射的に後ろを向いた



「ハルッまたね!

 今日は楽しかったです」


「おぅ、またな」



数歩歩いてやっぱ莉音が気になった

そっと後ろを向く


「…あれっ?」



もう彼女の姿はなかった


「はっえぇ~」


そんなに時間やばかったかなぁ…



俺は名残惜しむようにすっかり暗くなった空を見上げながら帰った



帰ると同時に洋と怜奈がやってきた。


「陽生話がある」



陽生は目に見えてテンションが高かった



「陽生、真剣に聞いて欲しい」


怜奈は黙ったまま、俯いているし

いつもふざけてる洋はかなり真剣



「…なんだよ」


「お前が最近会ってる子は畑野莉音じゃない

 双子の妹の詩音だ」

「は?

 何言ってんの?

 双子だとしてもなんで妹の方だってわかるわけ」


「姉の莉音の方は今、意識不明の重体なんだ」


「何それ

 意味わかんないょ」

「はるちゃん

 本当なの…

 信じれないかもだけど、妹の詩音には彼氏もいるんだ

 完全に騙されてるんだょ」


「信じられるわけないしょ」



怜奈は嫉妬からか

キレた

「何で信じないの?

 私達よりあの子選ぶわけ!?」

「そういうワケじゃないけど」

「陽生のバカ!

 だいっっ嫌い!」

怜奈は家から出て行った


「初めて呼び捨てにされた…」


怜奈の気持ちを知ってる洋は陽生につかみかかる


「お前が誰と付き合おうが構わないけど

 あの時の約束覚えてるよな」


「…悪かったよ」


陽生を飛ばし、洋も出て行った



陽生と洋は怜奈の父親が死んだ時、怜奈をずっと笑顔にする、俺達が泣かす事は絶対しないと誓っていた



次の日

3人揃う事はなかった

洋は怜奈と一緒にいたが元気はなかった



陽生は午後の授業をサボって川原にきていた


いつの間にか寝ている


隣りには変わらず莉音が座っていた


「ダメですょ

 こんな早くからサボったら」


ニコッと笑う莉音に安心した


やっぱりあの2人は何か勘違いしてるんだ



「ねぇ莉音って兄弟いる?」

「えぇ

 …私とは全く正反対の妹がいます

 顔は同じなのに」


双子は本当らしい

「双子?」

「はい

 ハルは1人っ子ですょね」

「うん

 でも怜奈や洋がいたからそんな感じしないけど」


そう

俺達3人はいつも一緒でケンカしてもすぐに仲直りするような関係

大抵の事は信じる

でも莉音の言うことも嘘には聞こえない

どうすればいいのかな


心配そうに見てる莉音に気付かず物おもいにふけっていた



「さて、帰ろうか」

「えっ」

まだ日没まで時間はある

でもハルは1人になりたいみたい


「送る」


黙って莉音はついていった



その姿を帰る途中の洋が見ていた




次の日

○☆高等学校の前に洋がいた

この前情報をくれた子が来る


「今くるから少し待って下さいね」



すると

入口から陽生とデートしていた女の子がやって来た


「麻由ぅ、なぁに?」


少しギャル系の口調



「この人が私に会いたいっていう男?

 っていうかだぁれ?」


「怒」

陽生がいう天然系の天使…ってどこがだよっ


「急にごめんね

 俺は○×学園の篠山洋っていいます」


怒りをころして落ち着いて話す



「聞きたい事あるんだ

 ウチの学校の元村陽生って知ってるよね?」

「えっ陽生先輩?

 知ってるに決まってんじゃん

 あんなイケてる生徒会長がいるなら○×学園行けば良かったって後悔するほどよ

 まっ今は大地がいるから関係ないけどぉ♪」


「えっ最近毎日会ってるよね?」

「はぁ?話した事さえないけどぉ?」


「こないだだって一緒に水族館行ってたじゃん」

「水族館なんて興味ないわょ

 莉音じゃあるまいし」


姉なら行くのか…?

「…お姉さんってまだ意識戻ってないんだょね?」


「…えぇ

 双子だからか何となくわかるのよね

 あの子戻ってこないかもって」


「ごめん…」


「いいけど

 用ってそれだけぇ?」


「いや、もう少しお願いしてもいいかな」


話が噛み合わない

洋は陽生を呼ぶ事にする

30分位経った

学校の近くのcafeで詩音と洋がいた


「洋、何?」


「えっマヂで陽生先輩だぁ」


『うるせぇ、誰だょ』

視線が洋の向かえに座る女の子に

よくみると


「えっ莉音!?」


かなりビックリした

顔はホントに瓜二つ

でも若干髪の長さが違うし何より話し方が違い過ぎる




少し3人で話をしてみた

やっぱり陽生が毎日会っている女の子とは違う


「陽生先輩

 私に似た人に会ったのはいつ?」

「2週間位前だょ」

少し考える詩音


「悪いけど

 その子姉の莉音でもないし」


「何でわかるの?」


「だって事故があってからもうすぐ一ヶ月経つから」


陽生は驚き、言葉を失う


「まぁ私たちに似てるなんて驚きだけどぉ

 騙されてるのは確かね

 ウチ門限なんてないし」



そう言って詩音は帰っていった


陽生はまだ呆然としている

洋もどうしたらいいかわからない感じ

無言のまま2人は家に着いた


「洋、信じなくてごめん」


そう言った陽生は次の日学校には現れなかった



「ねぇ、洋ちゃん

 ハルちゃんと昨日会ってたんでしょ」

「………うん」


「何があったの?」

「……怜奈、今日帰り畑野莉音のとこ行ってみない?」



「えっ?」




陽生は家でボーッとしていた


莉音の事を考えて眠れなかった

もう夕方になる



自称莉音は何者なんだろう?

嘘ついてたんだなぁ


もう会わなければ大丈夫だよな

……会わなければ


本当にそれでいいのか…?



『いいわけ…ないっ』


陽生は急いで着替え、オレンジに染まる景色の中、川原に走る



莉音はいつもどおりだった


「ハルっ」


いつもどおりの俺の好きな笑顔


「見て

 四つ葉にテントウ虫いたの」


指に乗せたテントウ虫を見せる



「それも嘘?」


陽生が口を開ける


「えっ?」


風がザアッと二人の間を吹き抜ける

それと同時に莉音の指のテントウ虫も羽を広げ飛び立った



「どうしたんですか?」


「聞いたんだ

 畑野莉音って子は今意識不明の重体らしい」


莉音は黙る

空には雲が出始めていた


「君は…だれ?」


軽く雨が降ってきた



「ハル

 信じて下さい

 私は畑野莉音です」


「だからさ」

「あの日、あの事故の日ね、あなたをみかけたの」


莉音は雨の中話続けた

「友達でもいいから仲良くなりたくて話かけようと追いかけたら事故にあったんです」


陽生は黙ったまま


「あっハルのせいだとかいうんじゃないんですよ

 むしろ嬉しいの

 あなたへの思いがあったから少しだけ私に時間をくれた

 日が昇っている間だけ」


莉音は笑って空をみる


「あなたに少しでも覚えてもらいたくて…

 会いにきたんです」


「でも

 それも今日で終わり」

「えっどういう」


日没と共に雲が太陽を隠し始めた

莉音も消え始めていた


「ハル

 少しはあなたのなかにいれたかな」


「ちょっと待って」


陽生は莉音の腕を掴めなかった


「ばいばい」


陽生の目の前で彼女は消えていった




雨が本降りになって陽生に襲いかかる


『本当だったんだ』



雨の中たたずむ

雨なのか涙なのかわからないものが頬を伝う


どの位の時間が経っただろうか


3度目の着信に出る


「…」


「陽生?」


洋からだった


「★総合病院に今すぐ来い

 莉音さんが…!」



陽生はハッとした


『そうだ

 彼女はまだいる』


電話を切り走り出す





★総合病院には洋、怜奈、詩音がいた



ずぶ濡れのまま病院についた


「はるちゃん!」


「莉音は?

 どうなったの?」


「はるちゃん顔色悪い

 急いで拭かないと」

怜奈を突き放し洋につかみかかる


「莉音はどうなったんだよ!」


そのまま洋に倒れこむ


「お前スゴい熱…!」

「莉…音」


怜奈は看護士にタオルを借りて戻ってきた

意識が朦朧するなか、詩音が話出す



「今は莉音安定してる

 でもさっき結構やばかったらしくて今夜が山場かもって」



フラフラした足で扉を開けて莉音の側にいく

『莉音、戻ってきて』

陽生はさっき掴めなかった手をとり動こうとしなかった


『充分なほど君は僕のなかにいるんだよ』

それを見守って洋と怜奈は病室の前の椅子に座った



朝になる

4人は寝ていた

陽生も手を握ったまま



ふと目を覚ます


「生徒会長のくせにまた学校サボってるんですか」


陽生の目の前にはあの天使の笑顔があった


「莉音!」



その声に驚いて病室の前で寝ていた3人は急いでドアを開ける



陽生は力強く莉音を抱きしめていた


莉音は戸惑いながらも詩音に気付き手をふる


3人は安心した



詩音は仕事で日本にいなかった両親に電話をかけにいき、洋と怜奈は病院の中庭を歩いていた



「何か不思議だね」

「そうだな」

「ハルちゃんのお姫様は私じゃなかったみたいだし」


洋は怜奈の手を握った


「俺はずっと怜奈の側にいるよ」


真面目な顔で怜奈を見る

怜奈は顔が赤くなってる事に気付いた

目を逸らし背を向けて


「わっ私の執事だもんね」


「えっそうじゃなくて」


手をつないだまま怜奈は歩きだした


「顔あっつぅ~」


「ちょっ、怜奈ぁ~」



その間も無言のまま陽生は莉音を抱きしめていた


莉音は陽生が泣いてる事に気付く


「ハル

 私まだあなたの中にいるの?」


涙目で莉音を見る


「莉音しかいないよ」


end

死と生の狭間で莉音は陽生を思う。

その思いがclover roomへの鍵となる。

死を目前とする人の願いを叶えるには条件があった。日が出ている間だけ姿が見える事と期間は一か月。

その中で本当に願いを叶える努力をする人だけが幸せになれる。

莉音は結局死ぬ事はなかったけど、それも努力の結果だったのでしょう。

case2は夢です。

どんな幸せの形があるでしょう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ