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あとがき&おまけ

 この度は『第3皇子による婚約破棄騒動の経緯とその顛末』をお読みいただき、誠にありがとうございました。


 実を言うと、本作は元々「帝国第3皇子による婚約破棄騒動」を描いた小説作品と、「侯爵令嬢襲撃事件」を描いた漫画作品としてそれぞれ作ろうと検討していたものでした。

 しかし後者が頓挫した為、前者をメインとして後者の方も組み込んで小説作品として完成させてしまおう、ということで完成したのが本作でした。

 つまり全くの別作品が2つあったものを悪魔合体させてしまったわけです。愚かだねぇ。

 構成が不自然だったのはそういう事情です。言い訳がましいねぇ。


 漫画作品の方は当初、「元軍人の激つよ護衛侍女×護衛対象の侯爵令嬢」というコンセプトで描いていた為、ヴィオレッタ・アンセルミは元々漫画用のキャラです。故に容姿の設定が最初から結構細かく決まっていました。

 逆に、エミリア・ミュレーズの方は殆ど容姿の設定が決まっていないまま書いていました。作者が小説を書く時にはよくあることで、本編序盤に出てきた彼女の容姿の描写はかなり後になって差し込んだ覚えがあります。


 して、この2人の関係ですが、当然ながら当初の予定では全く接点がない筈でした。

 ヴィオレッタの護衛対象はブリュネ侯爵令嬢という全く別のキャラクタの予定であり、ミュレーズ公爵家と何か関係を持つ予定も全くありませんでした。

 が、先述の通り、2つの作品が融合した結果、ブリュネ侯爵令嬢襲撃事件だったものはミュレーズ公爵令嬢銃撃事件に差し替えられ、ヴィオレッタ・アンセルミはエミリア・ミュレーズの護衛侍女となりました。

 結局のところ、真に本作が本作である為に生み出されたキャラクタは、ロジーヌ・ペリエとその友人達でした。

 中央世界暦1650年代の皇室の面々は事前に決まっており、第3皇子ジルドがミュレーズ公爵令嬢との婚約破棄騒動を引き起こすのも「天色の帝国」世界の歴史としてやはり決まっていたことだったので、その周辺人物をどのような顔触れにするか、ジルドが騒動を起こすに当たって巻き込まれた人物はどのようなキャラクタにするか、と悩んだ挙句にひり出されたのが彼女達でした。

 ……その為に、ヴィオレッタの父親は一家の汚点となったわけでしたが。


 途中から皇室情報院や内務省治安警察局等が絡む諜報戦の様相を呈し始めたのは、元々はどちらかといえば小説側の流れでした。

 ただ()()が増えたのは漫画側の影響です。ヴィオレッタのアクション活劇だったんです、当初は。

 お陰でジルド側の描写が減って婚約破棄騒動に至る経緯が丁寧でなかったことは反省しています。本当に。


 いずれにせよ、全22話、10万文字近くの長さとなりましたが、無事完結まで書けて良かった良かった。そう思うことにしましょう。

 ……あまり気にしないようにしているとはいえ、流石にPV1桁とかブクマなしとかの状態で、ずっと書き続けられる程図太くもないですからね。

 このあとがき書いてるの1月26日で、明日から本編毎日投稿なのですが、そんなことになりませんよね?

(2/12追記:なりましたねぇ! 完成させてから投稿始めて正解でしたねぇ!)


 余談になりますが、漫画作品としては頓挫したので結局使わなかった設定ラフ絵や没ネームが結構沢山存在しますので、集めたものを以下に掲載します。


 それでは、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

 ご意見・感想等いただけたらとても嬉しいです。

 また、「天色の帝国」シリーズの他の作品もご覧いただければ幸いです。

https://ncode.syosetu.com/s3778h/



        *        *        *



【設定ラフ01】ヴィオレッタ・アンセルミ

アンセルミ家の細かい設定以上に、彼女自身の容姿と扱う武器の性能が細かく決まっていました。

27歳くらいの設定だったんですが、ちょっと……見えないですね?

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)



【設定ラフ02】バベット・ブリュネ

当初、ヴィオレッタの護衛対象はこの子の予定でした。

結局設定変更でヴィオレッタと出会うこともなく、襲撃されることもなく、そして登場することもなく。

挿絵(By みてみん)



【設定ラフ03】ヴォルタの機関銃

ヴォルタ社が設計、販売している機関銃類です。

漫画としては短機関銃も登場させる気だったのですが、結局小説になり、登場したのも1641軽機関銃だけでした。

挿絵(By みてみん)



【設定ラフ04】帝国軍制式採用小銃

これはそもそもこの作品用に描いたラフではなかったです。

帝国軍が登場すれば、上記の短機関銃や軽機関銃と並んで必ず登場するものですので、全くの別件として決めていました。

挿絵(By みてみん)


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