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ブラッドアイン  作者: まっつん
2/2

2話 決断

 暖炉で暖かな光を放つ炎が揺らめき、部屋全体を淡く照らしている。部屋の壁面には肖像画や絵画が掛けられ、暖炉の灯りを受け不鮮明な像を浮かび上がらせている。


 男は絵画の1つに目を向け、飽きたなとそこはかとなく感じた。当初は一目で気に入り、高値で取引した物であったのだが……人間の飽きとはつくづく恐ろしいものだと男は苦笑した。


 だが少し長期間飾りすぎたというのもあるだろう。またここで新しいものを探すのも楽しみの1つである。男は暖炉の近くに置かれた椅子に腰かけた。肥満体質である男の体重を受け、備え付けられたクッションが大きく沈み込む。


 男は椅子の前に置かれた机に手を伸ばし、葉巻を一本取りだした。アーバス帝国には葉巻の文化は存在しておらず、最近になって他国から取り入れられたものであった。まだ庶民の間にはほとんど出回っておらず、主に貴族内でのみ楽しまれていた。


 男の葉巻は彼が希望した好みの葉を使用するなどした特注品であり、輸入先に依頼し取り寄せていた。通常の物でも帝国内では非常に高価なものだが、特注品となるとその価値は別格で、男の葉巻一本で庶民は1週間生活できるほどの価値がある。


 男は手に取った葉巻を専用のカッターで先端を切り、火をつけ一口吸った。木の実のような甘さが煙とともに口の中で転がるのを楽しみ、ゆっくりと口内から吐き出す。こうしてただ葉巻を楽しむ時間を男は気に入っていた。


 葉巻を灰皿に置き、男は壁にひときわ大きく飾られた肖像画に目を向けた。男と同じ顔が描かれた肖像画には「ガレス・ローラン大公」とプレートに刻まれている。肖像画を見ていた男……ガレス・ローランは不敵な笑みを浮かべた。


 ようやくだ、ようやくこの国を貴族の手に収めることができた。アーバス帝国がこの大陸を統べておよそ100年。この間、我々貴族が果たした役割はなくてはならないものであった。この帝国において貴族は国王に並ぶ存在とも言える重要な存在である。


 だが初代国王であるテルス・アーバス、第二国王のイデア・アーバス共に歴代国王は国民の生活を優先し、最善策を行使することを命じられていた。


 ガレスにとってこれが理解できないことであった。何故貴族が国民のことを優先しなければならないのだ?この国を動かしているのは間違いなく貴族の力である。国民は貴族の下で動くただの駒でしかない。国民の力だけでは何一つ事を成すことはできない。力のない駒のことを何故考えなければならない。


 幼少期よりこの疑問を抱いていたガレスは、いつか貴族中心の国を作り上げること。そして自分がその頂点に立つことを決め、ひそかにその機会を伺い続けてきた。


 第一皇子のアークの消失、国王イデアの死去を経て、ついに自らの甥であるエテルを王としてつかせることができた。まだ政治のことなどわからない子供が故にマリオネットのように操れる。このままいけば貴族中心の国に何も疑問を持たない国王を生み出すことも難しいことではない。


 ほとんどの貴族はガレスに賛同を示し、彼に協力し動いている。明確に反対の姿勢を見せたのはESNなどという組織を建てたあの3人だ。


 大人しくしていれば貴族としてこれ以上ない生活ができたものをわざわざ貴族としての立場をかなぐり捨ててまで反旗を翻すとは、あまりにも馬鹿げた行動に当初は鼻で笑ったものだ。


 だが、奴らは想定以上の力を帝国に示してきた。たった3機のみでありながら、帝国軍のセルラを圧倒した。やはりかつて軍事においてブラッドアイン開発の中心となっていた一族、アステリア家の技術は目覚ましいものがある。あれほどの戦力を短期間に準備したことは驚いた。


 しかし、どれほど優れた機体であれ相手はたった3機。数で圧倒しているこちらに分はある。対策は必要だが、恐れることなどない。


 ガレスは灰皿に置いた葉巻を吸おうと手を伸ばした時、部屋の入口である木製の扉をノックする音が響いた。ガレスはそのまま葉巻を手に取り


「入れ」と入口に声を飛ばした。


「失礼します」


 入口の扉から冷めた声が返り、一人の男が部屋に入ってきた。


 細身の体つきに短めの髪を均等に左右に分け、黒縁の眼鏡を掛けた姿は生真面目さを体現したようで見ただけで堅苦しさを感じさせる。


「お休みのところ申し訳ありません、ガレス大公。即刻お伝えしたいものがありまして……」


 男は深々と頭を下げ、謝罪の言葉を口にした。だがその表情は機械のように無機質で一切の変化はない。ガレスはその表情に若干の嫌悪感を抱きつつも、いつものことであると捉えなおし、男に目を向けた。


「いや、別に構わんよ。君がわざわざ私の部屋まで来て報告するなど滅多にないことだ。レイ公爵」


 レイ・リナードは十二貴族におけるリナード家の現当主であり、政治を担当している貴族の一人である。多くの貴族が富や名誉、地位を目的にガレスに頭を下げ従属する中、富も地位もなにも求めず、ガレスに仕えている者は彼だけだった。


 レイはガレスの右腕として彼の補佐を卒なくこなしていたため、不愛想な態度や表情に苦手意識を持ちながらもガレスは彼を気に入っていた。


「ところで、報告の内容は何かな?また民衆が余計なデモ騒ぎでも起こしたの か?」


 ガレスは葉巻を吸いながら問いかけた。


「いえ、先程軍事部のエクス司令官より報告が上がりました。先日出発したミーナ様の輸送部隊が消息を絶ったようです。捜索隊により発見されましたが、護衛に就いていたセルラ2機は破壊されており、兵士も全員の死亡が確認されました。ミーナ様の消息は不明とのことです。」


 レイの報告を黙って聞いていたガレスは『ミーナの消息不明』の発言に少し顔を顰めた。


「消息不明……か。死亡が確認されたわけではないのだな?」


「ええ、輸送に使用されていた軍用車両が付近で横転した状態で発見されていますが、ミーナ様は車内、周囲にも確認はされていません。」


 レイの報告を受け、また葉巻を吸ったガレスはため息交じりに煙を吐いた。第一皇女であるミーナがガレスに反抗を示したのは、約1年前、貴族制の政治となって間もないことであった。


 直接ガレスに対して貴族制の政治を改めるよう訴えてきた時は少々驚かされたものだが、所詮王位も持たない王族の少女である。彼の前では無力に等しい存在であった。


 ガレスの権力の元、国家反逆罪として監禁していた。そして約1か月前に彼女を処刑場に移す決断を下した。


 民衆に露呈すれば騒ぎになることは火を見るより明らかであったため、隠密な輸送を行ったのだが……まさか襲撃されることは想定外だった。


 襲撃したのはおそらくはESNによるものだろう。襲撃した理由は定かではないが、彼女は現在ESNに身柄が置かれている可能性が考えられる。正直、消えてほしかった存在ではあったが……帝国から完全に追い出せただけでも十分だ。


「わかった、報告ご苦労。エクスには引き続きESNの拠点捜索の任を継続するよう伝えてくれ」


「承知しました、失礼します。」


 レイはガレスに一礼し、そのまま踵を返して部屋を後にした。再び1人となったガレスは一息つき、椅子に体を預けるようにもたれた。


「ようやく実現することができた貴族政権だ。ESN……ミーナ……たとえどんな奴でも私の邪魔をすることは許さん。」


 彼は手にした葉巻の火を反乱分子をつぶすかの如く灰皿に強く押し付けた。葉巻はひしゃげ、残り火が鈍い音を立てながら消えた。



 どことなく張り詰めた空気感が漂う廊下に足音が響く。全体が白を基調とした清潔感のある廊下には個室の扉が等間隔に並んでおり、扉には部屋番号が割り当てられている。まだ把握しきれていないが、ここは従業員の寝床のようで、個室には睡眠をとるための最低限の設備しか備わっていなかった。


 ここでの生活を想像し、大変な苦労だなと壁沿いの個室に目をやりながら考えていたミーナは、前方を歩く女性に目を向けた。年齢はミーナと大差ない若い女性で少し暗い茶色の髪は腰あたりまで綺麗に伸びている。服装は上下ともに白を基調とした作業着のようであり、動きやすさを重視したデザインになっている。ここの施設にいた人のほとんどがこの服装であったため、施設内で統一されている服装なのだろう。


「昨晩はしっかりとお休みになれましたか?お世辞にも寝心地がよい場所ではないので、まだ疲れは残っているのではないですか?」


 突然声をかけられたことに少し戸惑いながらも、どうにか平静を保ったミーナは少しぎこちない笑顔を返した。


「えっと……大丈夫です。寝処だけでなく、食事までご用意していただいて本当に感謝しています、アリナさん。」


「いえいえ~皇女様がいらしているですから最大限の対応をさせていただくのは当然ですよ!……といってもご用意できたものはとても良いと言えるものではないですが。」


 アリナは申し訳なさそうな笑顔を顔に浮かべ、悪戯っぽく舌先を出した。その表情にミーナも自然と顔を綻ばせる。


 ESNの白いブラッドアインに保護され、ESNの本拠地に到着して丁度1日が経過していた。ESNの本拠地がアステリア家が保有する研究所『アルス』に置かれている事実には驚かされたが、アステリア家にしか正確な所在地が知らされていなかった『アルス』を拠点にすることは理にかなっていると納得した。


『アルス』は帝国の王宮地から離れた海岸付近の地下に置かれていた。施設の入口は開閉式のハッチになっており、ブラッドアインはカタパルトで地下に降ろされる仕組みになっていた。


『アルス』に到着したのち、施設の説明や寝処の手配など手助けしてくれたのがアリナであった。彼女のような人物がESNに参加していることに驚いたが、それ以上に初めて同年代の女性と接することができたことが嬉しかった。ESNで自分がどのような扱いを受けるのか不安に思っていたが、彼女のおかげでその不安は幾分か治まっていた。


「それにしても、こんな早朝から貴族全員でミーナ様と対談したいだなんて……気持ちはわからなくもないけど、エリンさん少しせっかちだと思うんですよね~」


「エリンさんは貴族の中でも特に真面目な方ですから……それに早急に対談の場を設けてくれたことにはむしろ有難いことです」


「ミーナ様も真面目な方ですね……私ならお昼にしてってお願いしているところでしょうね」


 他愛ないアリナとの会話を楽しみつつも、ミーナは昨日ここに来る前のことを思い出していた。ガレオスの提案を受け入れたのは、単に国に帰ることができなかったことだけが理由ではない。


 今の帝国王政に対抗できるのはESNしか存在しないと言える。武力行使による革命が正しい選択かどうかはまだ判断できないが、彼らの力を借りることができれば王政を変える機会を望むことはできる。そのためにも、ESNの中心人物である貴族との対談は必須。それをこちらが望むよりも早く相手が場を用意してくれたのは、願ってもないことだ。


 彼女の言葉から察するにESNのリーダーはエリン・オジェルであるのだろう。彼とは顔を合わせる機会は少なかったが、彼の貴族としての働きからその生真面目さ、国民に対する思いの強さは窺えた。彼にならば今の自分の考えは理解してくれるだろう。今はそう信じるしかなかった。


 しばらく続いていた廊下が途切れ、通路湧きに昇降機が設置されていた。大きさは人が使用するのには大きすぎるように感じる。おそらく、資材運搬も兼ねたものなのだろう。


 アリナは昇降機の操作端末らしきものを操作し、昇降機を階上から呼び出した。アリナに促されたミーナは昇降機に乗り込み、アリナもそれに続いた。昇降機は重々しい駆動音とともにゆっくりと上昇していく。2階層ほど昇って停止した昇降機からアリナが先導で降り、ミーナも後に続く形で昇降機から降りた。


 到着した階層はさきほどとほとんど変わらない廊下が真っ直ぐに伸びていたが、壁沿いの扉の数が少なく、両開きのものもいくつか確認できた。


 アリナは昇降機から一番近い扉の前で止まり、握りを手を掛けこちらに振り向いた。その表情は先程の軽い雰囲気から少し強張り、真剣な目が真っ直ぐこちらに向けられていた。


「ここが今回、会談場所にされているミーティングルームの一室です。貴族の皆さんはもういらしているはずです。準備はいいですか?」


 アリナの言葉と表情に改めて気持ちを強張らせたミーナは、目を閉じゆっくりと息を吐いた。鼓動が激しさを増し、手先が小刻みに震える。緊張で思うように動かなくなりそうな身体をなんとか落ち着かせたミーナは、ゆっくり頷いた。


 アリナも答えるように頷き、手にかけた握りを動かし、ゆっくりと扉を開けた。ミーナはゆっくりと部屋の中に足を運ぶ。


 部屋の中は就寝用の個室2つ分程の広さが設けられており、部屋の中心を囲むように輪の形状をした机が設置されていた。机の周りには8つの座席が置かれており、そのうち2つにエリン・オジェルとネロ・バイエルの姿があった。両者ともに貴族の正装に身を包んでいた。


 彼らは、ミーナに気づくと同時に立ち上がり一礼した。精到で乱れのないその仕草に感服しつつ、ミーナも彼らに一礼を返した。


「お待ちしておりました、ミーナ様。早朝からのお呼出となってしまい、申し訳ありません」


「お気遣いありがとうございます。こちらとしてもこうして対談の場を設けていただいて感謝しています」


 エリンの詫びに震えそうな声を必死に抑えながら言葉を絞り出す。緊張から出る汗が滲みだすのを知覚しながら、こんな調子で話せるのかという不安が改めて湧いてきた。


 そんなミーナの様子を感づいたのか、ネロが一つ息を吐きミーナに向けて笑顔を見せた。


「そんなに緊張なさらないでください。僕たちも少し気を張りすぎていましたね……気楽にとはいかないと思いますが、少しリラックスしてください」


「あっ……えっと、ありがとう……ございます」


 やはり相手にも感じ取れるほど緊張してしまっていたことに少しだけ顔を赤らめつつも、ネロの言葉で少し落ち着いたミーナは、彼らと対面になる位置の椅子に腰を掛けた。エリンとネロも座っていた椅子に戻る。


「では、まずどこから話しましょうか……まずミーナ様が処刑所に護送されていたことについて説明してもらえますか?そして王政の現状も教えていただきたい」


 エリンの質問にミーナはここに至るまでの経緯を説明した。現王政に異議を唱えたのち、ガレスによって1年近く自室に監禁されていたこと、その後処刑が決定し、つい先日護送されたこと。


 ミーナは嘘偽りなく、事実であることはすべて話した。黙って話を聞いていた2人だったが、話が終わったと同時にエリンは大きなため息を吐いた。


「ほんとにどうしようもないな……あのおっさん」


「やりたい放題って感じだね……しかも1年も監禁されてたなんて、ミーナ様は身体に異常はないのですか?」


「はい、監禁されていたとはいえ食事や衣服の提供は行われていましたし、自由はありませんでしたが体調に支障はありませんでした」


 そこまで話して、自室には浴室と手洗い場も設置されていたことは救いだったと改めて実感した。もし自室になければどうなっていたのだろうか……見張り付きであれば部屋から出ることもできたかもしれないが、正直気が進まないことではある。


 そんなことを思い返して1人で気を悪くしていたら、しばらく頭を抱えて失望していたエリンが口を開いた。


「王政の現状については何か知っていることはありますか?監禁状態であったため外のことを把握することは難しいことだとは思いますが、知る範囲で教えていただきたい」


「王政の現状については私も知っておきたかったため、給仕してくれた使いの方に紙幣越しである程度伝えていただくようにお願いしていました。少しだけなら把握しています。といっても、だいたいはご想像できる通りで、ガレスをトップに他の貴族が動いているといった状態です」


 だろうなと呟いたエリンは、また大きなため息を吐いた。ネロも難しい顔で黙り込んでいる。ミーナは2人の様子を見つつ、説明を続ける。


「それと軍事に関することでもわかったことがあります。まず軍部は軍事代表貴族である、エクス・バイエルを中心にESNの本拠地の捜索を続けています。さらに、各貴族も軍事行動への介入をにおわせる動きがあったみたいです」


 予想外のことがあったのか、二人は驚愕した様子を見せた。


「本拠地を模索していることはだいたい予想がつくが、貴族の軍事行動への介入はなんだ……?」


「それ以上の詳しい内容はご存じないのですよね?」


 エリンが一人で考え込んだのに変わって、ネロが問いかける。ミーナはゆっくりと首を振って答えた。紙幣によるやり取りでは把握できる情報にはもちろん限りがある。さらに軍事の細かい動きを使いが把握することも難しいのは当然のことであった。恐らく、立ち話などで聞いた情報を知らせてくれたのだろう。


 しばらく唸るように考え込んでいた二人であったが、やがてエリンが苦渋の表情のまま顔を上げた。


「わかりました、有益な情報をありがとうございます。まだ判断に迷うところはありますが、これをもとに今後の行動についても考えようと思います。」


「いえ、お役に立てたのでしたら何よりです。ですが、王宮からの人間である私をここまで信用して、その……問題はないのですか?」


 思わず口に出してしまった疑問に顔を見合わせた二人は、少し呆れたように笑ってこちらに目を向けた。


「もちろん、向こうの兵士や貴族なら警戒しますし、そもそもガレオスも連れては来なかったでしょう」


「でも、貴方は違う。ガレスのような奴に屈するような人じゃないってわかってた、だから信用したんですよ」


 2人の言葉に心から安心できたミーナは全身の力が抜けていくのを感じた。ここに来る前から感じていた信用されるのか、もしかしたら殺されるのではないかという不安は心の隅でずっと感じていた。二人の言葉はそんな不安からようやく解放してくれた。気持ちに余裕を持てたからか、今ままで気にできてなかったあることに気づいた。


「そういえば、アステリアはこの場には来なかったのですね。今どうされているんです?」


 アステリアについて聞かれた二人はそろって苦笑いを浮かべた。


「もちろんアステリアにもここに来るように伝えたのですが、ミーナ様がこちらに来たことを知ってからはずっと何か作業をしているみたいで……今もまだ作業しているか寝ているかのどちらでしょうね」


 エリンはお手上げというかのように両手を上げ、呆れ顔で首を振った。アステリアには顔を合わせておきたかったミーナは少し気が落ち込んだ。彼女が作業に没頭するとしばらくやめることはない。それは昔から知っていた事であり、エリンたちも理解していることだろう。恐らくしばらくは顔を合わせる機会はなさそうだ。


 とりあえず、このことは後回しでいい。話はひと段落就いたと言える。今ならこちらからの要望を話すことができる。意識したことで緩んでいた気持ちがまた少し強張りつつもミーナは口を開いた。


「あの、こちらからの質問……いえ、お願いを聞いていただいてもよろしいでしょうか?」


 意識しすぎたか、少し食い気味になったことに恥ずかしさを憶えたが、それを気にする様子もなく、2人は潔く頷いた。


「もちろんです。我々ばかりが質問していても割にあいませんしね」


 ネロの言葉に感謝しつつ、ミーナは一呼吸おき、2人を真っ直ぐ見て告げた。


「私をESNの一員にしてください。そして、私とともに王政を取り戻すため力を貸してください!」

2話を読んでいただきありがとうございます!

ようやく2話を投稿することができました。1話から1か月以上もあけてしまい申し訳ありません……あまり小説に手を付ける時間が取れていなかったことが原因でした。3話はもう少し早く出せるよう頑張りたいと思っています。

そして、いまだに大した戦闘描写を書けておらず、つまらないと感じてしまっている方もいらっしゃるかと思いますが、だいたい4話くらいからそちらも書けたらと考えております!(3話は多分厳しいです…)

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