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第77話 ヴァイク村

瘴気封印作戦から5年後の世界です。

瘴気封印作戦から5年後・・・


『ここがプレーンの家・・・』

アンクス王国とローマン王国の合同調査団は、アンクス王国南にある、ヴァイクという漁村で村長に案内されて、1軒の小さな家に着いたところだった。


『プレーンは父親が死んだ後は1人でしたので、今は空き家です』

村長はそう言うと、家の入り口を開けた。瘴気封印作戦の話が村に伝わったとき以来、この家はアンクス兵により24時間体制で警備されている。そのため村長でも普段、中に入るどころか近づくことも出来ない状態であった。


(小さな家だな・・・♪)

調査団のローマン王国側責任者として派遣されているロックは、どこにでもある漁村の小さな家にしか見えないプレーンの家を眺めていた。


(それにしても・・・)

魔物剣を調べていたアンクス王国からの要請で実現した今回の調査団であるが、その目的は2つ


1)魔物剣が何故プレーンの家に継承されていたのかの手がかりを探す

2)プレーンの家自体に何か特別なものがないか調査する


である。アンクス兵が派遣されたとき、捜索はされたらしいのだが特に何も見つからなかったらしい。が、魔物剣にある柄の部分にある赤い何か・・・宝石に見えるが違うらしい。これが、光を発していたというのである。インガスに住んでいるセレスとベルが、ビスマルクの派遣した調査員にこの話をしたことが始まりであった。セレスとベルがプレーンにあったのは、僅かな期間だったこともあり、魔物剣の柄にある赤い部分が光を発していたのは知っていたものの、そういう仕様だと思っていたらしい。瘴気封印作戦後、ビスマルクに届いた魔物剣について調査をするため派遣されたものに


『魔物剣の柄にある赤い部分がどうして光り続けているのか不思議です』


とベルが言ったことが始まりだった。何故なら、ビスマルクが受け取った時、柄にある赤い部分は光っていなかったから・・・。アンクス王国は、慌ててローマン王国のセイン、ロックに確認した結果、セレスとベルの証言が間違いないことを確認したのである。すなわち、セインとロック、そしてハイム村に帰っていたシャールカも柄の一部が赤く光っていたのを知っていたからであった。

(あれって、瘴気が消えたからじゃないのかな♪)

ロックは漠然と光らなくなった理由を感じていた。が、ビスマルクはそれで納得しなかったらしい。ビスマルクが調べていくうちに、プレーンがヴァイク村を出発するときには既に柄の一部が赤く光っていたとの証言を村人から得ていたのである。

(今更、プレーンの家を捜索って・・・)


プレーンの家に入ると、ロックは何か腰に振動のようなものを感じた。慌てて腰を確認するが、何もない・・・。がロックは気が付いた。

(アイテムボックスが反応している・・・僅かだが・・・何故?)


ロックの持っているアイテムボックスは、この世界に魔物が溢れる前にロックが討伐基地に迷い込んだ結果である。瘴気封印装置の脇にあった小部屋にあった物ではない。

(そういわれれば、何か不自然な気がする・・・)


・・・


プレーンの家は大きくはない。台所と居間、寝室、そして魚業用の倉庫のみである。

(たしか、シャールカの実家も床の絨毯の下に・・・)

ロックはハイム村での出来事を思い出していた。あの時のノイマンの真剣な眼差しはいまでも忘れられない。


居間は、板張りだった。

『村の他の家と同じ作りですじゃ』

ロックが床を珍しそうに見ていたように思えた村長が言った。


ロックが居間を歩き回り、板の継ぎ目を確認していく

(きっと、このどこかに・・・)

そして、居間の中心にある1枚の板に補修の跡があることを見つけたのであった。


『この板、剥がしていいですか♪』

ロックは無意識に口走っていた。

その言葉に驚く他のメンバー・・・。そして、ロックがその補修跡に触ろうとしたとき、腰の部分が先に補修跡に触れた結果・・・。なんと、補修跡と思われた板が勝手に外れたのである。


((えええええええ~!!))

ロックを含む、一同驚愕の瞬間であった。


『ここに魔物剣が保管されていたようですね♪』

板が外れた先をロックが指さしながら言った。他のメンバーが思わず覗き込む。そこには、魔物剣が収まるスペースのケースがあった。


(おそらく、魔物剣は、アイテムボックスに収納されることを想定されていたのだろう・・・。そして、そのためのアイテムボックスは、討伐基地の外から入ることが出来る場所にあった・・・)

ロックはケースを眺めながら考えていた。


(ん?・・・)

何かがアイテムボックスに入ってきたのをロックは感じていた。が、ここでそれを出すわけにも行けない。ロックは何事も無かったかのように居間を出たのであった。


・・・


結局、魔物剣が収納されていた場所を発見したものの、それ以外の手がかりは何もないまま、調査は終了した。調査団は、アンクス ペイに戻った後、解散となり、ロックたちローマン王国のメンバーはそのまま、帰国することになった。


(あれは・・・)

アンクス ペイの西に今も残る滑走路跡・・・。ウェブハイト(波高)がJA4169で着陸するために使った滑走路。それは、今もアンクス王国によって管理されていたのだった。


(もう使うことは無いはずなのに・・・)

ロックはそう思いながら、滑走路が見えなくなるまで馬車の窓から追っていたのだった。


・・・


ローマンに帰国後、セイン王子をこっそり呼びだしたロックの姿があった。

『ロック・・・何か見つけたのか?』

セインはロックを見る。


『これです♪』

ロックは、アイテムボックスから、例のものを取り出した。そう、プレーンの家にいた時、アイテムボックスに突然入ってきたものを・・・。


『これは・・・』

『プレーンの家で魔物剣の入っていたケースを見つけた時、アイテムボックスに這い込んで来たものです♪』


取り出したそれは、セインとロックには見覚えがあった。

((ICレコーダー!!!))


そう、ウェブハイト(波高)が、討伐基地で再生してくれた、初代アンクス王と思われる声が閉じ込められている箱と同じものだったである。


『ロック。再生してみよう』

セインの声が多少裏返っていた。


ロックが再生ボタンを押すと、音声が流れ始めた



ここから北西に行ったところに討伐基地を設置している。魔物剣は討伐基地が再稼働した時点で光るようにしてある。魔物剣が赤く光ったら、討伐基地に向かい、魔物剣で

新たな召喚者を助けなさい。このICレコーダーは討伐基地の方向を画面に示すことが出来るようにしてある。裏側にあるボタンを押すと、その方角が表示される。これを頼りに討伐基地に向かうのだ。



再生が終わったのち、ロックが裏側のボタンを押すと、ICレコーダーはほぼ南、僅かに東にずれた方向を示した。

((これは、討伐基地の方向を示している!!))

セインとロックは示された方位がローマンから見た、討伐基地の方位と一致することを知っていた。


『セイン王子。これがあれば、討伐基地に行けます』

『そうだな・・・そして、放伐基地の方位を示しているということは・・・』


((今も討伐基地は稼働している!!))

セインとロックは確信したのだった。


(プレーンはこのICレコーダーに気が付いていなかった・・・。何故? 俺の持っているアイテムボックスは、このICレコーダーを回収していた・・・。何故? このアイテムボックスは誰の物だったのか・・・?わからん♪)

ロックは魔物剣の継承者であるプレーンが、このICレコーダーに気が付いていなかった理由が理解できなかった。

ハンディの航空無線機にはVORがついていたりします。きっとこのICレコーダーは・・・。

次回は8/6の9時を予定しています。

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