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第70話 ブイの投入(北の森)

 『全員整列』

アイシア村跡の陣地にはプレーンとアンクス兵20名が整列していた。プレーンは一人アンクス兵の方に向かって体を反転させると


『今日は、作戦決行日である。今から、森に進撃し、瘴気発生個所に到達次第ブイを投入する。その後、発煙筒を発生させたのち、その場でブイを守るものとする』


アンクス兵はだれも返事をしない。かつて1万の犠牲を出した地。そこに無事にいるだけでも異常と思われるのに、その元凶に進撃して、ブイを投入した後、その場でブイを守るという使命(死命)・・・彼らの誰もが、生きて帰れるとは思っていなかった。アイシア村跡にはインガスの街から運び込まれた物資によって、十分な生活が出来た。初日(到着日)に大群が来たあと、ほとんど魔物は現れなかった・・・つまり、魔物は、森の中で待ち構えていると思われた。


『出発』

プレーンは先頭に立って歩きだした。プレーンを先頭にその次に3人の剣を持った兵士。次の列に3名の槍を持った兵士と両端に剣をもった兵士、その次の列に弓をもった5名の兵士+両端に剣を持った兵士。最後に5名の剣をもった兵士・・・魚鱗の陣のような体型である。魔物はプレーンの魔物剣で防ぐことを前提にした陣形である。万一、プレーンに何かがあれば、ブイを兵士が受け取ってこの陣のまま、瘴気に突っ込む考えである。


森に入ると、風もないのに、木々が擦れる音がする。2時間ほど進んだとき、突如オーガの大群が正面から、オークの大群が左右から攻め込んできた。


(頼むぞ、魔物剣)

プレーンは魔物剣を正面のオーガに向けて発する。魔物剣から発生した三日月の光がオーガを襲う。直撃したものは全て絶命していたが、森であるため、木の陰になって、助かるものも多く発生した。


『この森の木は、魔物剣の盾になるのか!!』

思わずプレーンは叫んだ。残ったオーガが突進してくる。プレーンを守るため、すぐ後ろにいた3名の剣士がプレーンの前に出てオーガからプレーンを守る。守られながら、プレーンは生き残ったオーガを個別に撃破していくが、プレーンを守ろうとした3名の剣士は、いずれもオーガの攻撃を受け、遥か後方に弾き飛ばされ、行方不明になってしまった。

 槍兵、弓兵は、左右からくるオークに向かって攻撃をしていた。こちらも、残りの剣士が盾となるべく弓兵の前に出たが、そのほとんどがオークの攻撃によって戦闘不能になっていた。


『プレーン走って先に行け!』


分隊長が叫んだ。もはや、陣形は崩壊している。アンクス兵が魔物を引き付けている間にプレーンに先に行ってもらうしか方法がなかったのである。


プレーンはその言葉を受け、一人先に走り出した。木の陰からオーガが襲ってくるが、魔物剣で個別撃破していく。後方ではアンクス兵の断末魔の叫びが聞こえるが、振り返る余裕はなかった。


・・・


しばらく走った後、空が見えなくなった

(瘴気に近づいたようだ・・・前見たときは半日歩く必要があると思ったのだが・・・)


プレーンは慎重に歩いていく。幸い、魔物は対して出てこない。一度に発生できる数に限りがあるのかもしれない・・・。


プレーンの視界には瘴気の沼のようなものが見えてきた。慎重に足場を確認しながら進んでいく。

うっかり飲み込まれると、ブイをアイテムボックスから出せない可能性を考えていた。

やがて、木が腐食してその姿を失っている場所、瘴気の沼とでもいうべき部分にたどり着いたプレーンは、アイテムボックスからブイを取り出す。

ブイは、ひものようなものが付いていた。このひもを持った状態で、瘴気の沼にブイを投入すればよいらしい。


右手にひもの端を巻き付け、ブイを瘴気の沼に投げ込んだ。ブイは、瘴気の沼にふわふわと浮いている。さながら空中にういているかのようでもある。


『早く、発煙筒を!!』

プレーンの後ろから声が聞こえた。思わず振り返ると、そこには、ボロボロになった分隊長の姿があった。

『早く!!』

分隊長の言葉にハッと体を一瞬硬直させたプレーンは次の瞬間、アイテムボックスにあった発煙筒を取り出した。波高から筒を捻れば作動するといわれていたが、プレーンはよく  わかっていなかった。


どうしていいかわからず発煙筒ばかり見ていたため、プレーンは周囲の確認を怠っていた。それを狙うようにオーガが現れ、一気にプレーンに襲い掛かった。魔物剣を振ることが出来なかったため、オーガの一撃を受けてしまい。プレーンはその場に倒れこむ。

(しまった。失敗してしまった)

プレーンは周囲への警戒を怠ったことを後悔していた。せっかく、アンクス兵が作ってくれたチャンス。ブイは投入したが、発煙筒を動作出来ず、その事実を伝えられない・・・。


発煙筒は、プレーンの手から離れ、宙を舞った後、分隊長の手元に落ちた

分隊長はとっさにそれを拾うと、無意識にひねった。知っていたわけではない。だが、結果として発煙筒は動作し、上空に煙を上げていった。



プレーンは消えゆく意識の中で、発煙筒が動作するのをみた・・・・。

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