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第63話 ローマン王宮

忘れかけていた登場人物たち・・・

 ミグの執務室には書類が散乱していた。

(面倒が多すぎる・・・)

ミグは書類の山と格闘していた。処理しても、処理しても、次から次に案件がやってくる。


そんな中、近衛兵が駆け込んできた

『も・・申しあげます。アンクス兵80名、明日には到着の予定です』

『わかった。王宮で受け入れ準備をしろ』

『はは!!』

近衛兵は一礼すると、どこかに駆けて行った。


(やっと来るか・・・セイン様やロックはいつくるのかの・・・)

ローマンから、大山脈にある4ヶ所(の瘴気発生個所)に向かって派遣される部隊のことは知っていた。本来ならば、他国の軍隊を王都の王宮に80名も入れるのはおかしいのだが、ことがことだけに仕方がなかった。セインとロックのために、ローマンからも精鋭を護衛につけることを考え、準備していた

(コルノーではちょっと不安だからの・・・)


何か、近衛兵らしきものが走ってきたようだ。鎧の擦れる音が響いている。それはだんだん、ミグの執務室に近づき、として止まった。


『申し上げます。セイン様、明日にはご帰還の予定です。』

『わかった』


丁度、アンクス兵80名と、セイン王子の帰還が同じ日になった。王宮としては問題ない。

(むしろ問題は・・・)

ミグはこめかみを指で押さえていた。そう、今、ローマンにはロンジンのベルミーヤと、ロシジア王国のリシューが押し掛けたまま居座っていた。どちらも、瘴気封印作戦の詳細の説明をしろといって国に帰ろうともしない・・・。当然ながら、この2国を直接近づけると、流血の事態になりかねないので、その行動には細心の注意を払っている。


(そうだ!セイン王子に説明してもらおう)

ミグは執務室を出ていった。


・・・


 『・・・わかった。セインに説明させればよいのだろう』

ミグはセント王の執務室に押しかけ、ここのところやる気がなくなっているセント王に一方的にまくしたてた結果である。


『では、セイン様が到着次第、事情を説明して、できるだけ早く会議を行うようにいたします』

『任せた』

ミグの言葉に、セント王は一言だけ言うと、席を立った。

(早く、セインに王位を譲って引退しよう・・・きっと楽になるに違いない。そうすれば、毎日ワインを飲みながらのんびり過ごせるはずだ・・・)

今の時点で、執務のほとんどをミグに押し付け、惰眠をむさぼっている状態なのだが、彼には、王位というものが面倒にしか思えなかった。


『昼食じゃ』

セント王の一言に、周りの付き人が慌てて厨房に走っていく。おそらく準備は出来ているはずだが・・・。


・・・


『父上は最近元気がないですね』

『叔父の反乱のせいですかね』


王宮の中で、ミントとエレスが暇に任せて雑談中である。セインの姉である2人は、魔物が出るようになってから、王宮の外にはほとんど出ず、毎日、お茶パーティー三昧であった。そんな2人にも、セント王が最近やる気がないがわかるので、多少は気にしているところである。


そんな中、メイドが一人近づいてきた

『ミント様、エレス様、セイン様が明日ご帰還されるそうです』


彼女は、ミントの命令で、ミグの様子を見張らされていた。先ほど、ミグに届いたセイン帰還予定の連絡を聞いて、その報告に来たのであった。


『ごくろうであった』

ミントは一言いうと銀貨を1枚手渡す。

『あの・・・よいのでしょうか』

メイドはもらってよいのか困惑している。


『今日一番のニュースね。その褒美よ。引き続き見張っておいてちょうだい』

『わかりました』

そういうと、メイドは一礼して銀貨を受け取り、ミグの執務室に向かって消えていった。


メイドが消えると、ミントはエレスに向かって

『セインがどうする予定なのか、着いたら聞きましょうね』

『そうねすね』

エレスも同じ意見だったのか、頷きながら答えるのであった。


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