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第52話 親衛隊出発

アンクス ペイの西にある滑走路に、5班に別けられたビスマルク親衛隊100名が集結していた。これから4班はローマンへ。1班はアイシア村跡に向かうためである。


『・・・では、健闘を祈る』

ビスマルクは自らの親衛隊を鼓舞しようと出発前の訓示をしたところである。アイシア村跡へ向かうプレーンは暇そうに眺めている。


『プレーン。気を抜きすぎでは』

脇にいたシルダが怪訝な顔で、プレーンを覗き込む。


『今から緊張していては持たないですよ・・・』

プレーンは平静を装っていたが、内心は心配でならなかった。

(魔物の群れが来たら、この護衛では持たないだろう・・・魔物剣が唯一の頼み)

アイシア村跡では、ボンネヒルに抜ける地下の部分に潜む予定にしていて、先日確認したトンネルを食料と共に移動させる予定である。

(隊を分けて、食料輸送のトンネル部隊と地上からアイシア村跡を目指す部隊に別けよう。そうしないとトンネルから地上に出れない可能性がある・・・)


・・・


ビスマルクの話が終わったあと、北に向かう20名以外はシルダの指揮のもと、馬車に分乗していた。


『今からローマンに向かう。ローマンでそれぞれ別れ、目的地に向かう』

馬車の列に対してシルダが声を張り上げているが、どこまで聞こえているかは謎である。だが、全員がローマンに向かってから4班別れ、最終目的地に向かうことを聞かされているので、誰も反応しない。正直なところ、どれくらい危険なのか理解できていないこともあって、まるでピクニックにでも行くかのようである。


『では行ってきます』

『頼みます』

シルダの言葉にビスマルクが答える。シルダは先頭の馬車の御者台に立ったのち、


『出発!!』

と号令をかけた。馬車の軍団は、カスパーを目指して走り出す・・・。


『いよいよだな・・・』

ビスマルクはつぶやいた。


・・・


プレーンは残った20名に対して指示を出していた。

『今からインガスに向かい、班を2つに分ける。』

『10名は私を一緒に、アイシア村跡に向かう。残り10名は、食料を調達した後、ボンネヒルに向かい、アイシア村跡からトンネルの出口に出てくるのを待つこと』


『インガスに向け出発』

プレーンはそういうと、20名に馬車に乗るように促す。


『頼みますぞ』

ビスマルクはプレーンに声を掛けた。


『閣下、必ずや瘴気発生個所にブイを置いてきます』

プレーンはそういうと、馬車に向かった。

プレーンを乗せた馬車は、後続の馬車と共にインガスに向けて出発した。


・・・


『みな行ってしまった・・・』

ビスマルクは小さく見える馬車の一団とインガスに向かう馬車を交互に見ながらつぶやいた・・・。今回のことは、ビスマルクには理解できないことばかりであった。突然の魔物の発生、派遣した軍の全滅、魔物が国中で暴れまわり、大きな被害を出して・・・。このままでは国が亡ぶと思っていた時に現れた、謎の召喚者。瘴気を封印するというその方法も、本当なのかよくわからない・・・が、信じるしかなかった。


『王宮に戻って、吉報を待つしかないのう・・・』

そうつぶやいた後、最後に残っていた自分用の馬車に乗り込み


『城に戻る!!』

と叫んだ。


・・・


城に戻ると、城門の衛兵に馬車を止められた。


『閣下、陛下が直ちに来るようにとの仰せにございます』

衛兵は、やや緊張したのか、直立不動の状態でビスマルクに要件を伝えた。


『わかった』

ビスマルクは衛兵にそれだけ伝えると、再び馬車に乗り、城内に消えていった。


陛下に何を聞かれても、ほとんど答えられないのだが・・・。ビスマルクは一人、馬車の中で顔をゆがめていた。

2022/3/14 誤記修正

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