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第25話 プレーン

プレーンの謎。前回の話(第24話)より、少し時間を遡ったお話です。



少し時間を遡って・・・。


ギルドマスターの話を聞いていた冒険者の名はプレーン。アンクス王国南にある、ヴァイクという漁村からやってきていた。彼住んでいた村は非常にさびれた漁村であったが、プレーンの家にはある伝承があった。そして、それは、プレーンの父が亡くなる直前に、プレーンを呼んで彼に伝えられたのであった。


・・・


『プレーン。今から言うことをよく聞くのだ』

『はい』

『初代王が封印された瘴気の話は知っているの』

『はい』


初代アンクス王がその瘴気を封印した話は、この大陸に住むのものなら知らぬものがいない常識であった。


『将来、再び魔物が発生したときは、新たな召喚者がローマン王国によって召喚されるそうな』

『父さん。そんなことがあるのでしょうか・・・』

『わからん。そう言い伝えられている』

『・・・』

『当家に伝わる剣をもって召喚者様をお助けせよ!!』

プレーンの家には、代々、伝わる謎の剣があった。その剣は大変切れ味が悪く、狩りに使っても、ウサギすら仕留められない剣であった。何で出来ているのか解らないが、研ぐことも出来ず、家宝と言われながら役に立たない剣と思われていた。


『父さん。あの剣は、使い物にならないと聞いてますが・・・』

『あの剣は、魔物専用の剣だそうな。なので、魔物以外には剣として機能しない・・・そうな』

『ええ~。何でそんなことを・・・』

『あの剣が盗まれないためらしい。役立たずの剣であれば、盗むこともあるまい。』

『でも、新たな召喚者様がいつ現れるのか』

『プレーン。新たな召喚者は“とうばつきち”というものを稼働させるそうな。それが稼働すると、この剣についているこの赤い部分が光るそうな』


・・・


そして、月日は流れ、魔物の発生の話がこの村に届いたときから、プレーンは家宝である剣の赤い部分が光るのを待っていた。そして、魔物の発生から1年ちょっと経過したある日、北の空から見たこともない鳥が飛んでいたとのうわさがヴァイク村に届いた直後、プレーンは、剣の赤い部分が光っていることを確認した。


『伝承は本当だった・・・』


プレーンは家宝の剣を持ち、この日のために購入しておいた冒険者が使う革鎧を身に着け、魔物が発生したという、アンクス王国北部を目指して旅に出たのであった。


20日歩いて、王都、アンクス ペイについた彼は、ここで、冒険者ギルドの存在を知る。地方の漁村から出てきた彼にとって、生活費を得るための最も簡単な選択肢として魔物の討伐を選択した。


『この剣が伝承のとおりなら、魔物には通用するはずだ』


アンクス ペイで冒険者となったプレーンは、王都の城外に発生するようになった魔物を討伐に行ってみた。


『頼むぞ、家宝の剣よ』


プレーンはそういうと、魔物が出やすいと聞く、王都周辺の森入った。


・・・


現れたのは、三つ目ネズミの群れであった。その数、10匹。魔物を初めて見たプレーンは、3つある目の不気味さに恐怖を感じていた。いままで、剣など使ったこともなく、剣術を習ったこともないのであるから、普通であれば絶望的な状況であった。

 プレーンは三つ目ネズミの集団がこちらに向かってくるのを確認すると、届きもしない距離にも拘わらず、家宝である剣を振り回した・・・。

剣が、まぶしい光を帯び始める。次の瞬間、見たこともない光が三つ目ネズミの集団に向かって飛んで行った。


・・・


光は、三つ目ネズミの群れにあたった後に消滅した。と同時に、こちらに向かって来ていたはずの三つ目ネズミの姿がない・・・。プレーンが様子を見に行くと、外傷は全くないものの、絶命している10匹の三つ目ネズミを発見した。


(どうやら、この剣の力で三つ目ネズミをやっつけたらしい・・・)


プレーンは、自分の持っている剣の力を知った・・・。

 その後、森の中で見つけた魔物に向かって、剣を振ってみると、同様の光が放たれて魔物を襲い、外傷のないまま絶命させていた。

 プレーンは森の中で討伐した魔物を抱えられるだけ持つと、アンクス ペイの商人ギルドに駆け込んだ。


『今日の成果です』


プレーンが魔物をカウンターに置くと、職員が魔物を確認した後


『この魔物をどうやって仕留めたのですか?外傷がありませんが・・・』


商人ギルドの職員は冷静であった。

プレーンは、持っていた剣を指さし、


『この剣は、我が家に伝わる家宝の剣で、この剣から放たれた光を魔物が受けると、仕留めることが出来るのです』


と説明した。

すると、この職員は小声で、


『もしそれが本当であれば、他の人がいるところで話しては危ないですよ。そんなすごい剣があったらみんな欲しくなりますから・・・』

『ああ!!』


プレーンは己の発言の意味を理解したのだった。幸い、他に誰もいなかったので、この職員以外に知られることはなかった。


『食材として問題がないか確認しますので、しばらくお待ちください』


職員は、プレーンの持ち込んできた魔物を抱えると、奥に消えていった。


・・・


しばらくして、職員は戻ってきた。


『三つ目ネズミ10匹、三つ目ウサギ2匹で小銀貨28枚になります。』

『あの・・・』

『全て、解体させていただきました。毒もありませんでしたので、正規の価格で買い取らせていただきます』


職員はにっこり笑うと、銀貨2枚と小銀貨8枚を渡してきた。

 プレーンは黙って受け取ると、ギルドを後にした。

(これじゃ宿代にもならない・・・)


・・・


冒険者ギルドで台車を貸してくれるらしい。冒険者登録していれば、借り賃は無料らしいが、供託金が金貨1枚するそうだ。さすがにそんな金はない。プレーンは森に着くと、そりを作った。台車に比べると搭載できる量は少ないが、これなら供託金はかからないので、供託金が貯まるまでは、自家製のそりで対応することにした。


・・・


プレーンは、毎日森に行って魔物を狩った。程なくして台車借りるための供託金である金貨1枚を確保することができた。早速台車を借りることで、更に加速度的に資金を得ることになった。

半月後、防具や、薬草も十分な量を購入することができた。


・・・


『そろそろいいだろう』

プレーンは冒険者ギルドに台車を返却し、インガスの街に移動したのであった。

プレーンの故郷?であるヴァイクは、討伐基地に近そうですね・・・。

次回の投降は1/9になります。

2022/3/14 誤記修正

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