76 公爵令嬢は三度目のお祭りをする 2
お祭り2日目。
今日も御神輿が駆け巡って、屋台で人は大賑わい。
そして私達も午前中は屋台を楽しむ。
ポテチの屋台を見つけて、買いに行こうと思ってたら、
「フラン様、用意してますよ。」
とまたもやケンがファインプレー。
ここまでバッチリなタイミングだと、私ポテチとコーラが欲しいと思ったら顔に出てるのだろうかと気になる。
午後前半は、昨日と同じ一般参加ステージ。
今日も大道芸が多かったけど、一人すごい人がいた。
楽器じゃなくて、身体を叩いたり足踏みでリズムを取るボディパーカッションをしながら、多分オリジナルの曲を歌ってるんだけど、スタップ踏みながら踊ってるように身体を鳴らして、楽しそうに歌ってた。
観客もノリノリで手拍子や合いの手を入れている。
もしかして、大衆酒場とかで普段から披露してたりするのかな?
綺麗な顔と声でスラリとしたスタイルだったから、勝手に女の人だと思ってたけどガッツリ成人男性でした。
二日目後半の企画ステージは、耐久スクワット対決。
20キロの重りを担いで、何回スクワットが出来るか。
掛け声と同時にスクワットして、立ち上がらなくなったり、遅れたら、そこで終了。
一番回数の多い人が優勝者。
優勝商品、メダルは昨日と同じ内容。
これは昨日より希望者がぐっと少ない。
それでも、足腰に自信がある人たちがこぞって参加。
男子4人は最初から参加者に混じってた。
だろうと思ってたけど。
アームレスリングより時間がかかるけど、一度に10人ずつ参加出来るから、まあまあいい具合の時間になるんじゃない?
最初の挑戦者たちの記録は、次以降の挑戦者たちの目標値になるので、この10人は目指す記録もなく、ただひたすらスクワットしていかなきゃいけないから、大変そうだね。
案の定、二組目の最後の一人は、一組目の記録より二回多いだけだった。
その後は、記録の更新があったりなかったり。
男子4人も頑張ってたけど、記録までは及ばず。
この中で一番回数がこなせたのはケンだった。
やっぱり、体格差は大きいのかな。
もし来年するようなら、子ども部門とかも作ってもいいかもね。
で、今日も参加ですか、お兄様と騎士団長様。
「「呼ばれたからには挑戦するしかないでしょ」」
来賓としてお呼びしましたが、目的違うんですけど。
ここが今日一番の盛り上がりになる。
なんせ、日頃から身体を鍛えてる騎士団の団長と小隊長なんですから。
他の参加者置いてけぼりにしてどんどん回数を重ねていく。
記録を超えてもまだ余裕そう。
段々表情がキツくなって、汗もかいてきてるけど、まだ止めない。
観客のカウントの声もどんどん大きくなる。
もう、この二人の一騎打ち。
そして……先に倒れたのはお兄様。
さすが、騎士団長としての意地を見せつけた。
あとはもう、三位決定戦。
だから、表彰台を身内が占領すな!
「国王陛下も手に入れられなかった金メダル!」
絶対国王様悔しがる奴じゃん。
3日目は、午前中から企画ステージ。
午前中の種目は、重量挙げ。
どれだけ重い石を持ち上げられるかを競い合う。
はい、この取っ手付きの石はもちろん作りました。
これは結構多いんじゃない?
まずは一人ずつ、60キロから挑戦。
意外と持ち上げられない人がいた。
持ち上げられた人は並び直してもらって、持ち上げられなかった人は退場。
一気に増やして80キロ。
人は一気に減った。
またお兄様と騎士団長様が参加してた。
昨日の事があったから、本当は参加禁止にしようとしたんだけど、「自分たちは記録にしなくていいから!」と順位を放棄した。
そうまでして参加したいのか。
重石をどんどん増やして、結局この二人が残るんだけど、もう一人この怪物たちについていける強者がいた。
多くの観客が彼を応援する。
白熱する戦い。
結局最後まで残ったのは騎士団長様だったけど、もう一人の彼はお兄様と同じ記録を出していた。
彼に絶賛の拍手が送られる。
次がお祭り最後の企画ステージ。
内容は、チャンバラ対決。
頭に紙風船付きの帽子を被ってもらって、綿と布で出来た刀で相手の風船を割った方が勝ち。
この紙風船はフィアンマ男爵領産のサトウキビで作られたもの。
貴重な紙だから、破られたものは回収して再生紙にします。
最初は10人一斉に戦ってもらって、最後に残った一人がトーナメント出場。
これは、私以外みんな出ると言って行ってしまった。
あと、毎度お馴染みお兄様と騎士団長様も出ると言っていたので、この二人はトーナメントとは別枠で二人で戦ってもらうことにした。
さて、早速開始されたリーグ戦。
結構無茶苦茶に振り回してる人が多くて、振りかぶって自滅してる人が何人もいて笑いが巻き起こる。
綿と布で出来た剣だから、叩かれた人も笑って叩き返していた。
それでも、全力の一刀は痛いと思うんだけどなぁ。
最後の一人になったところで、次のグループ。
これを繰り返して、43人が決勝トーナメントに進出。
ロナウド王子とセシル様が、選抜。
あと、リッカ。
いつの間に参加してたんだよ。
「剣術は専属侍女の嗜みです。」
いや、確かに周りを瞬殺してたけど、そんな事初めて知ったし。
ポスカ君、ケン、レベッカちゃん、リリーちゃん、アデンは予選落ち。
だから、知らない間に私の周りの大人たちが勝手に参加してるなよ。
トーナメント初戦は、人数の関係でリッカはお休み。
ロナウド王子とセシル様は初戦突破。
セシル様が剣が上手いイメージなかったけど、そういや騎士団長様の息子だったわ。
二回戦も三人とも勝利。
三回戦くらいからは、中々見応えのある試合になってきた。
ここでも三人は勝利。
リッカ、そんなに強かったとか、知らなかったわ。
ベスト8に残っちゃった。
四回戦で、ロナウド王子とリッカがマッチング。
「お前には負けねぇ。」
「フラン様をお守りするのは、この私です。」
公私混同してない?
二人の対決はアツく燃え上がる。
王子 VS 領主専属侍女の戦いに、観客も大盛り上がり。
準決勝に進んだのは、ロナウド王子だった。
「……私では……フラン様を、お守りする事が出来ないの……?」
泣き崩れるリッカ。
「俺がお前の代わりに、フランを守ってやるよ。」
「ロ、ロナウド王子……」
ワァーっと歓声が上がる会場。
人前でなんちゅう茶番を見せるんだ!
見てるこっちが恥ずかしい!
因みにセシル様も順調に勝利。
結局二人とも準決勝を勝ち抜いて、決勝戦はロナウド王子 VS セシル様。
「遂にどちらが強いか対決する日が来ましたね。」
「あぁ、だが俺が勝つ。」
「僕は強いですよ、負けません。」
子供のチャンバラに活気付く会場。
ここは平和で良いなぁ。
遂に試合開始。
二人とも、身体の動かし方めっちゃ上手くて、まるで踊ってるみたいだった。
激しく攻めるセシル様の攻撃を華麗にかわすロナウド王子。
激しい戦いの末、スタミナ切れになったセシル様の隙を突いて、ロナウド王子の勝利。
「……悔しいなぁ、僕が負けるなんて。」
「いや、技術はセシルの方が上だ、俺は攻撃を躱わすので精一杯だった。」
「……来年こそ、必ず君に勝つ。」
「受けて立つ!」
ワァァァァァァァァ!!!
……男の友情だね。
ここからはエキシビジョンマッチ。
準優勝のセシル様はお兄様と、優勝者のロナウド王子は騎士団長様と対決。
結果、二人とも瞬殺。
そりゃそうだよ、現役騎士団に子供が勝てるわけがない。
本日大一番は、騎士団長様 VS お兄様
国内でも剣術一、二を争う二人の対決に、会場は最高潮。
結果は、騎士団長様の勝利。
「面目保てて良かったぁぁ!!!」
勝利の雄叫びがそれかい!
初めて行われたステージ企画だったけど、会場はひしめき合うほどの人で最高に盛り上がった。
片付けをしてこれから打ち上げだぁ!
あと、明日は反省会ね、問題点ありすぎだ。





