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69 公爵令嬢は聖女にダンスを教わる

「え、貴方……」


4年ほど前に見かけた、ある人物が目の前にいた。


ピンクゴールドの髪、薄紅色の瞳の美少女。


「アイツって確か……」


「フランさんと同じく成認式で話題になった……」


「リリーさん!?」


魔力量10レベルの光属性魔力保持者の平民、リリー。


そんな彼女がどうしてこんな所に!?


私、ロナウド王子、セシル様、レベッカちゃんは驚きの余り固まってしまった。


「わー、リリーちゃん、久しぶりだねぇ。」


「ご無沙汰しております、リリー様」


え、ポスカ君とケンはリリーちゃん知ってるの?


「リリーちゃん、僕のお義姉ちゃんなんだ。」


「自分が男爵領へ執事見習いに行く前に、ここの養子になられたんです。」


「「「「な、なんだってぇー!?」」」」




「初めまして、と言っていいのでしょうか。

私、ヤークン侯爵家 リリーと申します。」


「アースフィールド王国第三王子、ロナウド・アースフィールドだ。」


「一応、初めまして、にしておきましょうか。

私、フィアンマ公爵家次子で、フィアンマ男爵領当主、フランドールと申します。」


「国営騎士団 クアングルド騎士団長長子、セシルと申します。

よろしくお願いします、リリーさん。」


「フランドール様の専属料理人、レベッカと申します。」


「ポスカだよ。」「ケンでございます。」


君らは知ってるから。



夕食を一緒に食べながら、お互いの詳しい自己紹介をした。


リリーちゃんは成認式の後、親御さんの元を離れて、ここに養子に貰われたんだと。


とても頭が良くて物覚えもよく、今では光魔法の訓練と乗じて、怪我人や病人の治療をされている。


そんな彼女は、街の人達から「聖女」と呼ばれているそうだ。


可愛いだけでなく、立派だ。


錬金魔法を使ってジャンクフードを作ろうとしている私とは大違いだ……


因みに、ポスカ君やケンとは、その頃からの付き合いだそうで、リリーちゃんは最近侯爵家の養子になったポスカ君の姉になる。


で、ケンはと言うと、リリーちゃんが侯爵家に来て2年くらいまで、ここで執事見習いとして過ごしていたそう。


ポスカ君にとって、執事見習いのケンは「ケン兄ちゃん」なのに、義姉のリリーちゃんは「リリーちゃん」て、そんなんでいいのか?




夕食の後も、楽しくおしゃべりをした。


男子4人が喧嘩をする事なくリリーちゃんととても楽しそうにお話ししている。


さすが乙女ゲーの主人公、攻略対象のハートを鷲掴んでいるよ。


「私は、リリーさんよりフランちゃんの方が可愛いと思うし、フランちゃんが大好きよ?」


おう、ありがとうレベッカちゃん、いきなりどうした。


「あと半年で私も10歳ですし、ポスカ君がせっかくいらしたのなら、明日いつもの様にダンスの練習付き合ってくださる?」


「うん、いいよー。

あ!じゃあついでにフランちゃん先生も練習していけば?」


(おいバカ、フランはダンスが出来ねえから、傷心旅行でここに来たんだろうが!)


(そうですよ、ここにいる時くらい、ダンスのことを忘れさせて上げましょう。)


私のためにコソコソ言ってるようだけど、丸聞こえだからね、2人とも。


「フランちゃん、リリーさんに教えていただいたらどう?」


またレベッカちゃんは毎度毎度爆弾ぶっ込むなぁ!


「リリー様は物覚えもいいですが、教えるのも上手いですよ。」


ケンまで!


「あの、フランドール様が宜しければ、ご一緒にダンスの練習しませんか?

もしお力になれるのであれば、ご協力致します。」


まぁ、リリーちゃんてば、聖女じゃなくて神様だわ。




翌日、皆んなでダンスの練習をすることになった。


なぜかケンとレベッカちゃんまで参加。


ま、この中で踊れないのは私だけなんだけどね。


リリーちゃんは、ポスカ君とペアを組んでダンス。


セシル様が景気付けに、バイオリンを引いてくれる。


相変わらず素敵な音色だこと。


セシル様の才能とセンスと魔法属性がバッチリ合ってる。


そして、その音楽に合わせてダンスをするリリーちゃんとポスカ君の上手いこと!


思わず見とれてしまった。


「お待たせいたしました。

次は、フランドール様が踊ってください。

先程私たちのやった一番簡単なステップのものを、同じようにして頂くだけで構いませんので。」


ほう、聖女と同じようにダンスしろと。


中々の難題だ。


とりあえず1人でステップをふむ。


2か月前と何ら変わらない不格好な踊り。


沈黙か爆笑のどちらかに別れた反応。


リリーちゃんは、沈黙した。


因みに、爆笑したのはポスカ君とレベッカちゃん。


ちくしょう、覚えてやがれ。



「フランドール様、失礼致します、お身体に少し触れていいですか?」


「「「「えぇ!?」」」」


「まず、基本姿勢が崩れています。

両足に均等にしっかりと体重をかけてください。

膝は真っ直ぐ伸ばして、お尻は内側に引き締め、同時に下腹を引っ込めます。

顎は軽く引いて、肩を後ろに回して後ろに引き下げ、首を長く保ちます。

この状態で天井から一本の糸で吊るされているように背筋を真っ直ぐしたら、これが基本の立ち方です。」


頭や肩、お腹、膝等を正しい位置に持っていってくれるリリーちゃん。


社交場での姿勢と、そんなに変わらなかったのが意外。


「この姿勢の状態で、骨盤から脚を動かすように歩く事が、ステップの基本の踏み方と同じになります。」


リリーちゃんに支えられながら、歩いてみる。


「「「「「おおー!」」」」」


皆んなが驚いてる。


つまり、それっぽく出来てる、って事?


これはもう、藁にもすがる思いでお願いするしかない!


「リリーさん、本格的に私のダンスの先生になってくださらない!?

貴女の力がどうしても必要なんです!!」


驚くリリーちゃん。


「それがいいな、今までで一番それっぽく歩けたんだし。」


「多分リリーさんでないと、フランさんの先生にはなれないでしょうね。」


ちょっと戸惑っているリリーちゃん。


「あの……私なんかで宜しければ……」


「ありがとうございます!

では、しばらくの間、宜しくお願い致します、リリーさん!」


「じゃあ、フランちゃん先生は僕の家にいるんだね! やったー!」


「私も一緒にいるわよ!

フランちゃんの専属料理人なんだから!」


「自分は、領地経営があるので帰りますが、都度最新の情報を持ってきますので、いつでもお会い致します。」


「もちろん、私はフラン様といつでもどこでもご一緒させていただきます。」


リッカ、いきなり出てきてビックリするなぁ!




こうして、聖女もといリリーちゃんが、私のダンスの先生になった。

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