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84 公爵令嬢は化粧品を作る

私が10歳になって、初めて気になり始めた事がある。


それが、オシャレ。


今までリッカにされるがままでいたけど、段々と自分でやってみたくなったのだ。


とは言っても10歳という若さだ、毛穴もくすみもないスベスベ肌に潤いのある唇、血色のいい頬は、化粧をしなくても特別問題なさそうではあるんだけど、最近気になり始めたのが髪の毛。


この世界、リンスもドライヤーもないから、洗髪のあと髪が痛みそうなんだよね。


実際、シャンプーも地球の物より質が悪いから、乾くまでのゴワつきが半端ない。


なんとかならないかな。


そう思った時が、新しいものを作るタイミング!


よし、今回は洗髪グッズを作ってみよう!




まずはシャンプーの改良から。


シャンプーという名のただの固形石鹸を、髪や頭皮に合わせた成分に変えていこう。


まずは固形石鹸をおろし金で細かく擦り下ろす。


ボールに粉々になった石鹸とお湯を注いでよく混ぜる。


湯せんにかけて、温めながらさらに柔らかくし、ペースト状にする。


十分に柔らかくなったら、ヘナパウダーを入れて、最後にイランイランの精油を入れよく混ぜる。


出来上がったものを型に入れて、風通しのいい場所で乾かせば、シャンプーの完成!


髪質や頭皮環境で成分を変えれば、自分に合ったシャンプーが作られるようになるのがいいよね!



次にリンス。


というか、リンスはお酢をお湯で割ったものを桶に入れて、そこに髪に着けて流すっていう方法が一番簡単なんだけど、せっかくだから色々調合して作ってみよう。


水とヘナを鍋に入れ、火にかけて煎剤を作る。


煎剤にハーブを濾して冷却、アップルビネガーを混ぜる。


イランイランとジャスミンの精油を入れれば、リンスの出来上がり!


頭皮をマッサージしながら頭と髪全体に塗布し、お湯で流せば、髪に艶が出てサラサラヘアー。



最後はドライヤー。


濡れた髪のまま放置する事で起きる摩擦が髪の痛む原因なら、さっさと乾かしちゃえばいいんだよ。


まぁ、ヘアアイロンやドライヤーの熱、染髪剤や紫外線なんかもあるから、それだけが原因でもないんだけど。


魔導具が作れればドライヤーなんてすぐ出来そうなんだけど、今の私には作れないから、手動の小型扇風機を使った。


百円ショップとかによく置いてあった、スイッチを繰り返し押すと風が出てくるアレ。



よし、準備は万端!


早速試してみよう!


「フラン様、本当にそれらは安全で効果があるものなんでしょうか?」


精油とか酢とか天然由来の物で出来てるから、多分大丈夫だって!


「元々テルユキさんは男性だったのに、なぜこんなにも美容関係に詳しいのですか?」


ただ単に好奇心だって!


ヘチマで化粧水が作れるのをばあちゃんから聞いて、シャンプーとかも作れるのか調べた事があったんだよ!


「ちょっと信用なりませんね……」


そこまで言うんなら、リッカがまず使ってみればいいだろ!


「仕方ありませんね、では、効果が如何程か我が身を持って試させていただきます。」


という事で、シャンプー、リンス、ドライヤーの使い方をリッカに教えた。


あ、髪を洗う前には櫛で髪をとかすのを忘れずに。




洗髪を終えたリッカが戻ってきた。


「フラン様、これらはとても素晴らしいですね!

見てください、このサラサラヘアー!」


いつもは一つに纏めている髪の毛を下ろし、サラサラの髪の毛を見せびらかすリッカ。


「ねぇ、もしかして、ただ単に試したかっただけなの?」


「とんでもございません!

以前の実験で髪にダメージを負ったフラン様の髪の負担を危惧したまででございます。」


……とりあえず、シャンプーとリンスの仕上がりは上々なようね。




せっかくだし、化粧品も作ってみようかな。


化粧水といえば、グリセリン。


そういや、この世界では見かけた事ないなぁ。


じゃあ作っちゃいましょう。手間かかるけど。


ヤシ油を加水分解して得られた水溶液を、精製・濃縮し、粗製グリセリンをつくる。


そこからさらに蒸留・精製することで、グリセリンの完成!


このグリセリンを水に溶かすだけで、保湿化粧水の完成!


蜂蜜やオイルを入れてみてもイイネ。


乳液の代わりにホホバオイルを薄ーく塗れば、基礎化粧の完成!


「フラン様、この化粧品は安全なのでしょうか?」


やってみたいんでしょう!?


いいよリッカ、使ってごらん!


正直に使わせてくれと言えばいいのに、全く素直じゃないんだから!



もうついでだから、リッカで色々やっちゃうよ!


一旦普段通りの化粧をしてから、顔面改造(ビューティコロシアム)始まるよ!


まずはアイメイク。


石油からロッドワックスを抽出・精製してワセリンを作り、微細化した黒炭を混ぜてアイラインとして書く。


リッカの髪や眉毛が茶色だから、アイラインの縁を軽くぼかせばそんなにキツく見えない。


アイシャドウは、ラピスラズリの粉末を使用。


まつ毛を上向きにするためにビューラーでカール。


私がしたのは、挟むタイプじゃなくてホットビューラー。


そのカールしたまつ毛に、さっきのアイラインで使った黒炭ワセリンをマスカラとして塗って乾かす。


おぉー、目元が変わると印象全然違う。


あとは、口紅の上から薄く蜂蜜を塗って艶を出したら、リッカロッカ改の出来上がり!


ついでに、ホウセンカで作った染料で爪を赤く塗ってマニキュア。


薬指だけ模様をつけてみた。


「これが……本当の私……」


もうね、ここまで厚かましさが吹っ切れてると、逆に清々しくなるよ。




で、この化粧を気に入ったリッカが今日一日この格好で仕事をしていたところ、


「今日リッカがやけに美しいのは、貴女の仕業?」


とたまたま男爵邸に来ていたお母様に言い寄られて、作った化粧品は全て巻き上げられてしまった。


女の美に対する執着って、恐ろしい。

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[気になる点] どっから石油持ってきたんや・・・
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