日本に住みたい
その後、僕は本を読んで言葉をたくさん覚えた。そして、簡単な会話はできるようになった。
せっかくなので、ニャルに僕の希望を伝えてみようと思う。
「おだんごのくに、にほん。ぼく、ここにすみたい。おだんご、いっぱい」
日本は素晴らしい。
おだんご発祥の聖地であり、色んな種類のおだんごがある。
僕が初めて食べたおだんごは、三色団子というおだんごらしい。他にも、みたらし団子、草団子、胡麻団子などなど色んなおだんごがある。
さらに、おだんご以外にも色んなお菓子があるのだ!
おまんじゅう、おしるこ、あんみつ。
どれもおだんごの中に入っていたあんこという物を使ったお菓子で、想像しただけでも美味しい。
「まぁ、人間として生活するなら活動拠点は必要だしね。アザトースさんが行きたいなら、日本でもいいよ。日本にも拠点持ってるし」
「さすが、がう! ちょーゆーのーなぶか!」
「超有能な部下なんて高度な単語が言えるのに、どうして僕の名前は言えないのかね。ニャルだよ」
ニャ、が言いにくいから仕方ない。
「まぁ拠点を日本にするのはいいとして。とりあえず、身なりを整えて服は着てもらわないとね。流石に、裸の人は連れていけないから」
そうだった。
人間は服を着て生活する生き物だと、本に書いてあった。
「とりあず、僕の衣装部屋から好きな服を選んで着るといいよ。ただし、節度をわきまえて」
「節子?」
「節子じゃない、節度」
僕はニャルに案内されて、衣装部屋に行った。