チーム白虎の目覚め
九州の西に位置する長崎県佐世保市。そこでも若者たちが目覚めようとしていた。
「ふゎ〜〜。よく寝た〜〜〜!!!」
最初に目覚めたのは、ココアだった。
しかし、当然ながら目覚めた途端に周りが違うことに気がつく。
「おーい起きろ起きろ!マヒロ!キヨカ!どこだかわからんとこに来とるよ!!」
「ん〜?ボクまだ眠いんだけど〜?」
「何?いきなり大きい声出して。」
「見や!ここは佐世保とかいうよく知らんとこだよ!!」
「佐世保?どこそこ?」
「佐世保〜?長崎の?」
「ええっ!?なんでマヒロ知っとんの!?」
「ちっちゃい頃に五島列島に行ったことあるで知っとるんだ〜」
「へぇ〜!五島列島ってこの近くなんだ!!」
佐世保について語り合う彼らの元にも、あのメールが届いた。
そしてチーム名は、運営により定められた。
「つまり、私らはゲームに参加しとるって・・・アニメみたいじゃん!やったー!やったー!!」
「おいおいココア、はしゃぐなって。このルールに反したら赤点2倍なんて・・・ボクはまだ2教科になるだけだでいいけど、もう3教科赤点取ってるキヨカはどうなるんだよ!!」
振り向くと、震え上がるキヨカがいた。
彼女を見ると、さすがのココアのテンションも下がっていった。
汽笛の音がしたので、その方向へ歩くと佐世保駅と書かれた駅があった。
時刻表を見る限りは、10分後に肥前山口行きが、27分後に長崎行きの快速が来ることになっていたので、長崎行きを待つことにした。
当然、彼らは肥前山口がどこにあるかを知っているはずがない。
長崎行きが正解だったのかは、いずれわかるだろう。
快速列車に乗り込み、10時の少し前に長崎駅に到着した。
長崎に来たので、せっかくならということで、路面電車乗り放題券を買って市内観光をすることにした。
3人とも路面電車は初めてということで興奮していたが、ひとりだけ少し冷静な人がいた。
それは、マヒロだ。
彼は先ほどの佐世保駅で見送った電車の行き先、肥前山口というのがどうも引っかかっていたのだった。
どうも、昔五島列島に向かうために佐世保に立ち寄った時、肥前山口という駅名を聞いていたような気がするようだ。
とりあえず、チャンポンを食べながら考えることにしよう。
そして彼らは、長崎市内を歩き出した。