○フラクルス①
私はインダから向かうことにした。なにやらフラクルスが微笑んでいる。
―――そんなにインダへ行きたかったのだろうか?
「へい!よってらっしゃい見てらっしゃい~!そこの粋な姉ちゃん兄ちゃん、カレェだよォ!」
インダへ着くと、江戸っ子がカレェを販売していた。
「あれ、お兄さんヴァルレインに死霊に変えられてないんですか?」
「おう!オレには女皇アリエリナ様の加護があっからよ!」
女皇アリエリナとは、裏の世界を納めるアリエリナ・グ・ド・リアナのことだ。1000年に一度目覚めるバルヴィダールを封じて世界を救ったとされる。
フラクルスがカレェを食べたそうにしている。皆も食べたことがないようなので食べることにした。アルはカレェは食べないらしい。
「からっからい水!」
「ワサビィに比べればこれくらい……」
「だから最初から甘口にしろというたアルよー」
「追いスパイスかけすぎじゃないかリィク」
「やはりフルーツはなんにでも会うな」
あのスカしたキザなフラクルスが、慌てて水を飲んでいる。彼がこちらをチラリと見てきたので目が会ってしまった。
「ねえマゼルちゃんもしかして……」
トルテアが怪訝な表情になる。まさか、フラクルスに気があるのだろうか?
「……トルテアはフラクルスが好きなの?」
変な誤解をされて友情がこわれないように、単刀直入にたずねる。
「え?」
トルテアはぽかりと口を開けている。違ったのだろうか。
「違うのか……ならどうしたって?」
「いやーそっちをじっと見ているから、気になる王子でもいるのかなって……」
「心配しなくてもトルテアの恋の邪魔はしないから」
「そう?」
「というかトルテアは誰が好きなの?」
「え?」
「まあいいや、早く食べないとカレェが冷める」
「そうだね」
皆がカレェを食べ終わり旅を再開する。




