○フラクルス・γヒカヅメ共通
「しいてあげるならヒカヅメかフラクルスかな……」
色恋に興味はないし、相手が王子なら尚更恋愛対象にはならないが。
「一言でいうならフェミニストと主張の薄い空気だけど、どこがいいの?」
「……さあ?」
顔なら皆良いし身分も国が違えど皆王子。こればかりは雰囲気や機微の好みだろう。
「マゼルちゃんの自由だけど、悪い男にはひっかからないでね」
「そんなに心配しなくても……」
―――
「それで、ヴァルレインの根城までどのくらいの距離があるんでしたか?」
フラクルスがたずねる。
「たしか、インダとアラビンの中間からまっすぐいったあたりです」
「え」
私が答えると、近くで聞いていたヒカヅメが驚いた。
「どうなさったんですか?」
「いや、大したことではないがまだ向こうに国があったのかと思って少しな……」
たしかに七つ国の他にまだ世界があったことに私も驚いた。
―――
「丁度インダとアラビンへ道が別れているな」
「どっちにいくの?」
王子達の意見を聞く。
フラクルス・リィク・ラウミィスはインダがいいと言う。
ヒカヅメ・アル・ルサッデはアラビンがいいという。
トルテアはどちらでもいいらしい。私はどちらにしよう―――――――




