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アイテムボックスで成り上がり  作者: けんもも
第二章 動乱編
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第70話 ある日の訓練風景

第70話 ある日の訓練風景



「ルルシア、クルルとタイミングを合わせるんだ。俺たちは5人で一体だ。連携を考えて動くようにな」


「うん、解ったワーズ」


「ワーズってば、ルルシアに厳しすぎだよ。この小隊は剣術スキル持ちが2人だけど、基本タンクタイプの盾持ちはいないんだからさ、この小隊に合った戦い方でいいじゃんよ」


「うーうん、ミチュア、さっきのは私が突っ込みすぎたと思う。相手が1体なら問題なかったけど、複数体なら私の動きがかえってクルルやワーズ達遠距離攻撃をする人たちの邪魔になったと思う」


「まあ、ルルシアがそう言うならいいんだけどさ、あたしはルルシアの突っ込みいいと思うよ。何ならサクラ様にお願いして、双剣に変えてもらったら?クルルも最初普通の片手剣だったけど、今の刺突剣に変えてもらったんだよね」


「うん、そうだよ。前にミュール様が私の素振りを見て下さって、私にはこっちの方が合ってるんじゃないかって言われて変えてもらったの。変えてもらってよかったよ。斬るより、突く方が私には合ってるみたい」


「そうなると、最前線で立ち向かうより、死角から急所を突く形の方がよくねぇ?ルルシアは前面に出ても、回避が上手いから突っ込んでもらった方がいいのかもよ」


「確かに、相手の数が少ない場合にはそうだな。でも相手の数がどうなのか、その時になってみないとわからない。むしろ最悪の場合を考えて連携を組み立てることを考えると、やはり前衛2人でしっかり支えて貰わないと、遠距離攻撃や、支援魔法をしているワッツだって集中できないだろう?」


「そりゃまあ、そうなんだけどさ」



 今彼女たちがいるのは、アマミヤ迷宮の中に作られた訓練用迷宮だ。

 ここは効率のよい訓練を行うのと同時に、迷宮の魔素の循環を活発にさせることを目的に作られた区画だ。

 一般の迷宮入口とは違う入口から入る。

 と言うか、彼女達が住んでいるのがアマミヤ迷宮一階の国民専用スペースなので、迷宮に入ると言う認識はない。

 彼女達を含めて、国民は一定のレベルに達するように訓練が義務付けられていて、居住スペースから、各自のレベルに合った訓練スペースに入ることになる。


 ルルシアが近衛軍の第五小隊に配属されて間もなく2週間になる。

 2週間前は、ただの子供だったルルシアが冒険者で言えばC級相当の実力がないと討伐できない魔物相手に、訓練とは言え余裕で対峙できるまで成長している。

 ルルシアは気付いていないけどすでに冒険者であった父親の力量と遜色ないレベルにまで成長している。

 そしてその成長スピードはさらに加速していく予定だ。



 俺はそうした訓練の様子をダンジョンコア専用の認知システムを使ってチェックしていた。

 安全マージンを取り、防具や武器などかなりの物を装備させているけど、中身は子供だ。

 事故があってからでは遅いしね。


 子供たちの訓練はいいとして、アマミヤ迷宮の中に作ったこの訓練スペースというか訓練用迷宮をつかって、サクラが迷宮の機能チェックの名目で入り浸っているのがなぁ。

 しかも今サクラが入っているのが、龍山脈対策用の超難易度の高い迷宮だ。

 ここには、実際に龍山脈で生息していた魔物を死体ごと持ってきて、迷宮内でリボーンさせている。

 いや、一度コテンパンにやられて、逃げ帰ったのが気にくわなかったって言うのもわかるけど、サクラお前はダンジョンコアだろうって言いたくなる。

 全くバトルジャンキーぶりに拍車がかかってきている。

 困ったもんだ。



 サクラはほっといて、子供たちの訓練は順調に進んでいるようだ。

 午前中それぞれのランクに分けて小隊ごと迷宮での実践訓練。

 午後は、隊員は座学及び魔術系の訓練、小隊長は各中隊ごとに分けれて午前中の戦闘訓練の反省会と中隊長からの教えを受けながら指揮について学ぶことに費やしている。

 夕食後は自由時間だけど、真面目な子が多い様でそれぞれ自主練習をこなしている。


 戦う術を持っていることは、この世界では悪いことではない。

 ヒノモト国から離れることになっても、自分の身を守れる術があれば何とか生きていける。

 そう言う意味で、戦闘系に配属されている子供たちだけでなく、生産系や内政系に配属されている子供たちにも、一定レベルになるまで訓練を義務付けている。

 どの子も嫌々するのではなく、戦闘訓練は自主的に参加したいみたいだ。

 まあ、生産系の子供たちも、自分達と一緒にこの国に来た子供たちが日に日にたくましくなっていくのを憧れの目で見ているのかもしれない。



 皆で一緒に夕食を食べていると、ルルシアとククルが席を立って俺の隣で食事をしているサクラの所までやってきた。

 話をするために、急いで食事を済ませて来たようだ。

 この子たちが俺たち幹部と言う立場の者に会える機会は、食事の時にしかない。

 でも大人数だから、ゆっくり一人一人と会話をする時間はないのだ。

 ああ、そう言えばこの子達、今日の訓練でルルシアの剣を双剣に変えてもらおうと話してたな。

 多分そのお願いだな。

 サクラはと言えば、その二人に気付きもせず、モグモグと大好きなハンバーグを頬張っている。


「あの、サクラ様、お食事中済みません」


「ん?ふゃーに?(なーに?)」


 口の中にハンバーグが詰まってるから、何言ってるのか解らない。

 まあここは俺が対応してやろう。

 って言うか、あの話を聞いてすでに準備してたんだよね、双剣。

 双剣と言えば、シャルだねー。

 ミュールもなかなかの使い手ではあるけどね。


「ああ、ルルシアとククルだったけ?ルルシアの剣のことかい?」


「えっ?なんで主様ご存知なんですか?」


 一応、軍事担当はサクラだし、ハンバーグをモグモグ食べているサクラには威厳はないけど、まあサクラのメンツを立ててやろう。


「みんなの訓練の様子は、サクラからも聞いてるしね。ルルシアたちは今日はゴーレム系相手の訓練をしてたんだろう?それで、はいこれ。ルルシアは双剣を使ってみたいのかな?うちでは、シャルとミュールが一番の使い手だから、基礎的なことは二人にお願いして指導して貰うといいよ」


「えっ?何?双剣の指導?うん、いいよ。私も最近、事務仕事ばっかりで身体がなまってるからね、この後ちょっとやってみる?時間ある?」


「えっ?えっ?えーっ!本当に、これを頂いてもいいんですか?それにシャル様にご指導いただけるんですか?」


「ああ、勿論、この双剣はサクラの報告を聞いて俺が作っておいたものだからね」


「ありがとうございます、主様。それとありがとうございます、サクラ様。私たちのことちゃんと見て下さっているんですね」


「ん?うん。うん?」


 サクラが状況についていけなくてキョドっているけど放置だ。


 その後、双剣使いの子たちも何人か合流して、シャルによるプチ講習会になって、そのまま実践練習になって訓練用迷宮に潜ってしまった。


 家の子達って、みんな戦うの好きなのね・・・







Padを落として、しばらく書けませんでした。

もっとも、そんなに頻繁に書いてないですが。

Padって簡単に壊れちゃうんですね、たした高さじゃないところからの落下でしたが。


例によって、誤字脱字、誤用などなどてんこ盛りだと思います。

修正の時間も取れないので、そのまま放置気味です。

でも、ご指摘や、感想は有り難く読ませて頂いています。

いつもありがとうございます。


ガラスのハートなので、ご指摘もやんわりして頂けると

モチベーションが保たれて、頑張って書いていけそうです。

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