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アイテムボックスで成り上がり  作者: けんもも
第二章 動乱編
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第64話 決断

只でさえ更新が遅いのに、話が進まなくて済みません。

第64話 決断




俺がそう言って、ミューリとサクラ、リンに念話で集合をかけて、全員を連れて、アマミヤ迷宮の地下26階に飛んだ。

ここは、居住空間として改造して、地下25階から移した場所だ。

この場所へは、俺の転移以外に来ることはできない。

サクラやリンもアマミヤ迷宮の地下25階のダンジョンコアーの部屋には来れるけど、この階層には来れない。

もっとも、皆には地下26階だとは言ってない。

サクラやリンには俺の迷宮創造スキルのことは秘密にしてるし。

多分、地下25階の区切られた空間だと思ってるんじゃないかな。


ともかく、先にミューリ達を連れてきたんで、ミューリが張り切って料理を始めてる。

ミュールも何気に料理スキルが上がってるんで二人が作ると恐らく、この大陸で一番の料理が出てくることになる。


「ところで師匠、最近私の迷宮への素材の供給が少ないんですけど~」


「何言ってるんだ。サクラはちょくちょくこの迷宮のダンジョンコアの隣に置いている竜の魔石から魔力吸い上げてるだろうが」


「えー。それはリン姉も同じだよ、何でサクラだけ~」


「えっ、サクラちゃん、私はあんまり吸ってないよぅ。時々だよぅ」


「まあ、竜の魔石から魔力を吸い出すのは問題ない。と言うか、吸い上げた分を、サクラやリンに管理して貰ってる迷宮の育成に使ってもらうために、わざと置いてるんだし。問題は、サクラの場合、吸い上げた魔力をつかって、自分の迷宮の魔物と戦って、お前自身のレベルアップのために使ってることだ」


「えー、それは、ダンジョンコアとしての性だよ~」


「本当か、サクラ。じゃあ、リンがそうしないのは何でだ?ん?」


「えっと、それは、ダンジョンコアとしての性格の違い?」


「なんだそりゃ。じゃあ、ダンジョンコアとしての性じゃなくて、サクラ自身の性じゃんか」


「だって、師匠みたいに強くなりたいし。強くなったら、その分、強い守護者生み出せるようになるし」


「お前、どんだけ強い守護者配置するつもりだよ。今だって、サクラが管理している迷宮の中層の守護者突破できる冒険者のパーティーいないだろうが」


「それじゃあ、龍山脈で倒した魔物の死体頂戴。師匠のアイテムボックスの中にまだいろいろ入ってるんでしょう?」


「まあ、入っているけど、それは今後の迷宮の為だ。この大陸にはまだ俺が探索してない迷宮があるんだし、もしかしたらどこかに、サクラたちみたいに生まれたばかりのダンジョンコアもいるかもしれないだろう?そん時に使える素材がないとまずいだろう」


「流石、ケンタくんですぅ。先のことも考えてるんですね~。リンは感激ですぅ」


「確かに、師匠が言うのは解るけど・・・もっと強くなりたいんだもん」


「って、やっぱりサクラ、お前は自分が戦いだけだったのな・・・」




そんな話をしていると、シャルから念話が入ったので、一旦、シャルとフランを迎えに執務室に戻ってから、再度26階に戻ってきた。

ちなみに、この場所は皆からラビリンスと呼ばれている。

迷宮とラビリンスは違うのかと言われるとそれまでだけど、俺の翻訳機能的には別の言葉として認識・翻訳されるので別物なんだろう。

漢字で書けば、迷宮殿という意味合いで、シャル達は認識しているんだと思う。


ともかく、いつものメンバーでミュールとミューリの食事を食べながら、先送りにしていた事柄について話をした。


「それで、特にシャルには気をもませてしまったけど、ヒノモト国の立場をはっきりさせようと思う。まず、基本的に俺はいわゆる国とか欲しいとは思ってない。今みたいに、迷宮探索や、迷宮の改造なんかを自由にできれば問題ない。ヒノモト国を作ったのは、アマミヤ迷宮の所有を明確にするためだったんだけど、それでは、いろいろ不都合に感じる者がいるみたいだ」


「だね~。サクラは、迷宮さえ成長させてもらえるなら、その他のことはどうでもいんだけどね。まあ迷宮の地上部分も都市を発展させておけば、美味しいものとかいろいろ楽しめるし、そのための仕事と割り切ってヒノモト国の仕事もやってるけど。リン姉も同じでしょう?」


「だよねぇ。私も地上部分がどうなろうと、魔素の循環が活発なら何も問題ないですしぃ。私もケンタくんの言いつけだから地上のお仕事やってるだけだしぃ」


「まあ、二人はダンジョンコアだからなぁ。でも、シャル達にしてみれば自分達が住んでいる場所が安定しないのもいろいろ問題だろうしな。俺としてはさ、地上部分のことなんかある意味どうでもいいんだよ。むしろ、大陸中の迷宮全部討伐して、各迷宮を転々としたい。それに、いずれは魔族が住んでいると言われている大陸の方にも行ってみたいしな」


「ケンタさん、それマジ?その時は、あたしも是非一緒に連れて行って~。魔法の知識や技術は多分魔族の大陸の方が進んでいると思うし。とっても気になる~」


「フランってば、何言ってるの?魔族の大陸には魔王がいるんだよ。ガイア大陸に住む者にとって大敵だよ」


「シャルこそ何言ってるの?魔王だったら、ここにもいるじゃない。もしかしたら大魔王かもよ。何って言ったって単独で竜討伐しちゃうんだし」


「主さまは、大魔王だったんですか~?」


「ミューリ、勿論そんなことはないからね。話が脱線してるけど、兎も角だ、俺としてはこの大陸で何かを得たいとか、名声的な何かを成したいとかないんだよ。ただ、今回のことで俺なりにいろいろ学んだ。こっちが何も望まなくても、存在自体が大きくなれば、権力やいろんな欲を持っている奴らからすれば、目障りな存在になるみたいだし、結果自分達の内側に取り込めなければ、排除しようと動くのが人のさがなんだな。俺やシャルを含めてここにいる皆が持っている能力というか力は、この世界にとって看過できないものなんだろう。かと言って俺たちがこの能力を捨てるわけにはいかない」


「同時に、私達の能力の秘密も洩らす訳にはいかないし、おいそれと誰かに伝える訳にもいかないしね。ケンタ、どうするの?」


「シャルの言うとおり、この能力のことは今はまだ秘密にすべきだし、俺たちだけにとどめておくべきだろうな。そうなると俺たちのとる道は一つしかないと思う」


正直、俺の中でも迷っている部分はあるんだけどな。

それでもやるしかないか。

いつまでも先送りにはできないしな。


「俺は、軍事力を主軸とした国家を目指そうと思う。領土や国民の数は最小でいいと思う。基本、大陸の迷宮の内部がほぼ俺たちの手中にあって、迷宮自体をある程度好きに改造可能なんだしね。アマミヤ迷宮内部に外部から閉鎖された区域に国民に入ってもらって、そこで必要な人材の育成や、必要な物資の生産を行うようにしてもいい。地上部分の領地なんかは、持ちたい奴に任せればいいんだしな」


「ケンタ、それって軍事的に他国を攻め滅ぼすってこと?」


「シャル、まさかそんな面倒なことはしないよ。他国を攻めてどうするの?他国を滅ぼして得られるものって、領土とか住民とか?どっちにしても、手に入れた後それを統治して行くのが面倒じゃない?それよりも、そう言った統治をやりたいって思っている輩は、たくさんいるみたいだし、そう言うのが得意の輩もたくさんいるでしょう?そう言うのは、そう言うのが好きなやつらにやらせておくのが一番だと思うよ。俺がやろうとしているのは、現存する国家の統治者たちに、俺たちが、自分達の力では太刀打ちできない程の強力が武力を持っていることを認識させることだよ」


「主様のお力を見せれば、それは容易いことでしょう。しかし、ドラゴンスレーヤーたる主様のお力は誰もが知っているはずです。だからこそ、主様の興されたヒノモト国を自分達の陣営に引き込もうと王国連合から再三、打診があるのではないですか?」


生真面目な顔をして、ミュールがそう発言すると、他の5人もそれに賛同する。


「その通り。だけど俺は、ヒノモト国の軍事力をどこか一陣営に所属させるつもりはないだよ。と言うか、王国連合と言う存在自体、俺は認めていないと言った方がいいかな。俺が相手にするのは、現に領地、領土を持って統治している統治者個人。それは、ガルク帝国皇帝であろうが、正教会教皇国の教皇であろうが、小さな王国の国王であろうが同じ。ただ、ヒノモト国の基本理念である種族間差別の撤廃を受け入れて、ヒノモト国の国家運営に関して不可侵を約束してくれる国家の統治者に対して、ヒノモト国の軍事力は不可侵を約束するって感じ。だから、実際は、ガルク帝国とか、教皇国とかと手を結ぶことはないんだろうけどね」


「ケンタさんは、ヒノモト国の国策の奴隷制度の撤廃も条件に入れると思ったよ」


「フランの言うように、奴隷制度の撤廃も条件に入れたいけど、この制度は国によっては社会のセーフティーネットになっている部分もあるからね。貧富の差はどうしたって出てくるし、貧者救済に関して国家自体に余程の余力がなければ全ての人を救うことはできないしね。幸い、この国では収益があるし、子供であっても国民全員が定職に就いているから、奴隷とか、貧者救済とか発生しないんだろうけど」


「まあね。この国はいろんな意味で特殊だからね」


「ともかく、そう言う訳で、王国連合からの要求に関しては、完全に拒否することにする。同時に全ての国家に関して、今言ったように国家間における個別の協定を結ぶことを宣言したいと思う。まあ、そうは言っても、実際は、ガルク帝国や教皇国が話に乗ってくることはないだろうし、王国連合に所属している王国が、連合の決定を無視して俺たちと個別に協定を結ぶことはないだろうな。結果としてヒノモト国は第4の勢力として認識されるかもしれないな」


「それなら、獣人族の国が・・・ってこともないか。あの国は、人族に対して、異常に警戒していると言うか、敵対していると言ってもいいぐらいの感情があるみたいだしね。基本、人族の領域とは不可侵だしね。間に魔物の森があるから余計、行き来はないしね」


「だな。そう言えば、シャル。あっちにも迷宮があるんだよな?」


「一つあるのは確かかな。冒険者ギルドで働いていた時に、そう言う話を聞いたことあるし、ケンタ、そっちの迷宮にも行ってみるの?」


「まあね。折角だし。妖精族が住んでいる地域もあるんだよな?」


「獣人族の国のさらに先の方だよ、ここから行くと。あっちの情報については、詳しいことはあまりわからないかな。でも、エルフ族、ドワーフ族、ピクシー族の集落があるって話だよ」


「まあ、そっちもいずれは行ってみたいかな~」


「それでは、主様、確認しますが、連合王国からの親書に関しては、先程おっしゃったように、要求を拒否する旨の返答を出していいでしょうか?あと、軍事国家の宣言は、どのような形で発表されますか?」


「軍事国家として宣言するのは、王国連合の返書の中で言えばいいんじゃない。そしたら自然と各国に知れ渡るだろうし、恐らく、ガルク帝国や、教皇国もその情報をキャッチするだろう。ヒノモト国に対しても、何度も密かに間者を放ってきたぐらいだし。一番石像が多かったのは、教皇国の間者だよね。身元は隠してたみたいだけど、持ってる武器や道具でバレバレだったし」


「解ったわ、ケンタ。ケンタがそう判断するなら、私たちは従うまでよ。」

「主様、主様の御心のままに。」

「主さま、ミューリも精一杯、お手伝いします。」

「ケンタさんが考えて出した結論だし、私達に異議はないわ。」

「師匠、軍事担当として国土防衛については任せて下さい。」

「ケンタくん、あんまり無理しないでねぇ。」


シャル、ミュール、ミューリ、フラン、サクラ、リンから、それぞれ同意を得たことで、俺自身、腹が決まった。

少なくとも、この6名が幸せになれるように頑張ろう。


相変わらず、ポチポチと書いています。

体調がいい時に集中して書いているんですが、その分自分でも

書いた内容を忘れたり、説明がくどくなったり、文章力のなさが

顕著になっています。


いろいろご不満等あるかと思いますが、笑ってお許し

頂けたらと思います。


コメント励みにさせて頂いています。

個別に返事ができなくて済みません。

本当にありがとうございます。

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