表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アイテムボックスで成り上がり  作者: けんもも
第一章 建国編
56/70

元教え子との邂逅

翌日、昨日マーキングした森の中に飛んで、ちょっと寄り道になるけど、オーガがいたので、オーガをミューリに屠らせて、ビッグボアーを瞬殺させ、ゴブリンの群れを討伐させて昼前に次の迷宮に到着した。

ここは、最初の場所と違って、迷宮入り口前の木が伐採され、野営用のテントが割と建てられていた。

メインはアミラス王国だけど、別の紋章の騎士団みたいな一行もいる。

冒険者も割と居るしみたいだ。

尤も今残っているのは少ないけど。


ここでは入り口を見張っている様な兵士はいなかった。

ただ入る時、周囲から注目を浴びたけど。

取り敢えず、いつものように入り口付近の水晶で登録を済ませて、そのまま地下1階へ。

かなり広いと思う。

多分、マルク迷宮(ケンタ迷宮)と同じぐらいか。

先日と同じように、下層への通路を目指して一気に進む。

地下1階では反応が少なかったけど、地下2階には探索者が多い。

俺達は空間感知でなるべく他の人に合わないように魔力濃度を感知しながら進む。

なるほど、暗くなって先が見え辛いからこの先が行き止まりだと思われてるんだろうな。

俺達はサッサと下に降りる。

俺達が初めてかと思ったら、探索者の反応が。

まあ当然気付くやつもいるか。

ただし情報の共有はないみたいだな。

反応は2人。

恐らく冒険者だろうな。

ともかく、俺達も探索を開始。

途中の魔物はミューリがサクサク屠っていく。

地下3階の地図が半分ほど埋まった頃、地下4階への通路を見つけた。

ただ、先ほどの冒険者、こちらの動きにつかず離れずついてきている感じだ。

探知範囲は500mぐらいだろうな。


「シャル、感知できてるよね。」


「うん、さっきからこっちの動きを追っている感じ。」


「旦那様、どうしますか、私が・・・」


私が何?ミュール。

ちょっと過激反応だけど。


「まあ何かに違反している訳じゃないしね。それで邪魔だから少しどこかに行って貰おうと思う。取り敢えず、ここに水晶の欠片を置いといて、この先に誘導して、一気にこっちに転移して戻って地下4階に行こう。不自然にならない程度に、スピードを上げるよ。ミューリ、魔物の回収はしないから、どんどん屠っていって。俺とミューリが先頭。シャルとミュールが後ろね。」


「「「了解です。」」」


そこからスピードアップして行く、相手も慌てて俺達の後を追い始める。

2キロぐらい先まで走ったところで、通路が枝分けれしている部分で4人で一気に転移。

空間感知をMAXにする。

やつらは先の方に消えて行った。

それを感じながら、地下4階へ降りる。


「無駄に時間を取ってしまったね。じゃあ、先に進もうか。」


時間がもったいないので食べながら移動する。

冷たい果実水を皆に渡して食事終了。

今夜は遅くなることをサクラに連絡しといた。

この階の通路は、降りてきた通路と丁度対角線上にあった。

この通路割と攻略しにくいように作られてるな。

地下3階への降り口も偶然ではなくわざとあのように作っていたのかもしれないな。


「ここを降りれば地下5階。さてどうする?このまま攻略してみいいし、明日出直してもいいけど。」


「報告はどうするの、ケンタ。」


「取り敢えず、ここが終わったら、一旦途中経過と言うことで報告するつもり。最後の一つはここより進んでいるだろうしね。アミラス王国を出し抜くのは難しいかもしれない。」


「私は体力は全然問題ないけど、ミューリちゃんはどう?」


「私も問題ありません、旦那様、奥様。」


「ミューリが今LV8だっけ?」


「えっと、LV9に上がりました。」


「切りよく10にするか。じゃあ、頑張って攻略してしまおう。」


その後、夜11時ぐらいまでかけて、地下6階の通路まで攻略した。

地下5階なのに少し迷路の要素が加わってた。

多分俺ぐらい空間感知が広くないと全体の把握は難しいと思う。

似たような作りを随所に作ってるし、3キロ進んで行き止まりとか。

魔物の討伐よりそっちで神経使った。

深夜にここを出るのもあれなので、明日の朝、迷宮入口から出ることにした。

その後、マルク王国の冒険者ギルドに報告に行けばいいだろう。

地下1階、2階の地図は完全じゃないけど、まあいいか。

必要なら後日報告ってことで。


その日は浄化だけかけて、お風呂も入らずサッサと寝た。

まあ俺達3人は体力は十分残っていたので深夜の運動をしたけど、それはいいか。




「おはようございます。」


「ダイニングに降りると、いつものようにミューリが朝食の準備を整えていた。

一緒の部屋に寝ているのに、サクラは一番最後に起きてくる。

サクラらしいか。


「取り敢えずは、俺だけで迷宮に飛んで、そのまま王都に行って報告してくる。シャル達は今日は一日自由時間な。」


「私も自由時間がいい。」


「って、サクラは毎日自由時間だろう。」


「えーそうだけど、気分の問題よ。」


「じゃあ、サクラも自由時間な、迷宮立ち入り禁止にしとく?」


「自由だから迷宮に行ってもいいじゃん、師匠。」


「まあいいや、自由にしてくれ。ミューリも強硬軍で悪かったな。レベルアップした身体に慣れておいてくれ。念のため、1本飲んでおいて。」


俺が上級魔力ポーションを出すと、


「ミューリちゃんだけずるい・・・」


「じゃあ、サクラも、他の2人も飲んでおいて。スキルポイントはあって悪いことはないしな。」


4人とも嬉しそうに飲む。

まあこれ飲んで鍛えると能力が上がるからな。

シャルもミュールもいつの間にか裁縫スキル習得してるし。


「じゃあ行ってくるな。」


そう言って、魔物の森迷宮Bの入り口に飛ぶ。

朝だから迷宮に入っていくやつらとすれ違う。

まあ頑張れよ。

その頑張りはマルク王国の糧になるんだけどな、多分。

そんなことを思いながら入り口から出ると、


「あれ?先生じゃん」


「おっ、ほんとだ、アマミヤっちじゃん。何どうしたの?」


俺の名前を呼んだのは、俺のかつての教え子たちだ。

名前はあっ、思いだした、春日と霧丘だったけか。

スポーツ特待生だ。

思わず鑑定してしまった。

ほむ、まあこれからなんだろうな、頑張れよ、かつての教え子たち。


「おお君達、元気にしてたか?」


「モチですよ、てか、アマミヤっちの方こそなにやってんの?」


「みての通り迷宮探索だよ。」


「まあ、武器はいい感じの物が手に入ったみたいだけど、防具がそれじゃあ、危ないっしょ。まずは身を守るのが大切ですよ、これこの世界の基本ね。」


「なんだ、この人、お前らの知り合いか?」


「そうす。俺らと一緒に来たんですけど、ノンスキルホルダーってやつで、王宮出されちゃたんですよ。」


「まあ、お前らの様なスキルホルダーには解らんかもしれんが、ノンスキルホルダーで冒険者やってるやつは大勢いるんだ。」


「うっす。師匠に言われてから、ちゃんと意識してます。師匠の強さをみて俺ら目が覚めましたから。」


「そうか、ならいいが。余計なことで問題起こすなよ。じゃあ行くぞ。」


B級ぐらいなのかな。槍術のスキルを持ってるし、LVも15だしな。まあしっかり指導してくれるだろう。

春日と霧丘と別れて、さっさとこの場所から立ち去ろうと思ってたら、また別の元教え子に遭遇した。


「あれ?先生じゃん。先生何してんの?」


あーこいつは、誰だったけ?

鑑定すると牧野ひとみ。

牧野っていたけな?


「何びっくりした?超久しぶりじゃん。何々?ここで何してんの?ポーターとか?先生なら商業組合の方でしょう、頭いいし。春日と霧丘も来てるんだよ。あと那賀も。あたしってば魔法の才能があるからさ結構レベル凄いんだよね。まあレベルって人に教えると拙いらしいからあんまり教えられないけど、かなり凄いよ、びっくりするぐらい。まあそう言う訳で、今から探索、今日あたり地下3階に行けると思うんだよね。あっ、これ言っちゃいないんだっけ?まああ先生だからいいか。じゃあ皆待ってるから、またね、先生。」


うーん、牧野ねー。

思い出せん。

佐藤だったら同じ名前のやついたけどな。

牧野?まあいいか。



そこから、どんどこ道を歩いて行って周囲に人がいないのを確認して王宮に飛んだ。

シャルの部屋からこっそり抜け出してギルド本部へ向かう。

ギルマスに面会を取って貰ってギルマスの部屋に入った。


「ケンタ殿今日はどうされました。もう魔物の森へ行ったのかと思ってました。」


「行ってきましたよ。」


「へっ?依頼から3日しか経ってませんが。」


「まあ一晩中、馬を駆って行きましたし。それで取り敢えず報告を。」


俺はアミラス王国で貰った地図を見せながら迷宮の報告をした。

一通り話し終わった後、


「これは、アミラス王国で描かれた地図ですな。迷宮の位置もこちらが把握し予想している位置に間違いないようです。さらに現在の迷宮の周辺の様子、ケンタ殿の報告で間違いないんでしょうな。」


「まあマルク王国に一番近い迷宮は、探索者も少ないですし地下5階到達まで半年以上の猶予はあると思います。問題は2番目の迷宮ですね。アミラス王国だけでなく、こんな感じの紋章の描かれた騎士団や、いろんな冒険者が来ています。規模自体はマルク迷宮と同じぐらい広いですが、探索状況から行くと、数ヶ月あるいはもっと早く地下5階の探索が完了するでしょうね。そう思って、残り一つの探索はせずに戻って来たんですが。ああ、周辺の魔物の森の魔物はほとんど討伐しておきましたから、森の脅威はかなり下がっていると思います。」


「私が判断できる状況を越えているようですな。至急王宮に行き協議しましょう。報酬については後日でよろしいか?」


「報酬の件は問題ないです。で、それでどうします?引き続き探索しますか?」


「そうですな。3番目の探索もお願いできますかな。他の迷宮の地下1階、2階については情報の価値は低くなりますからこれで結構。この分で査定させて頂く。」



やれることはやったし、この後は、最後の迷宮に行ってみるか。

どの道、攻略はミューリと一緒の時がいいだろうし。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ