表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アイテムボックスで成り上がり  作者: けんもも
第一章 建国編
55/70

魔物の森の迷宮攻略

翌日、俺は朝から出発した。


この世界の地図がどの程度正確なのか解らないけど、アミスラン王国を出る時に貰った地図がやっと役に立った。

しかも新しく見つかったという迷宮の正確な位置付きだ。


介入するとややこしいことになるんだろうけど、一応、迷宮の状態は確認しておきたい。

出来たばっかりの迷宮なら、サクラみたいに、異世界から転移させられた人がダンジョンマスターしている可能性もある。

前世の記憶を消されているみたいだけどそれでも多分同じ地球からの転移者だろうし何らかの手助け出来るなら手助けやってやりたい。


シャル達には馬を買ってとか言ったけど、俺は走った行くことにした。

風魔法と、跳躍、身体強化などを組み合わせると、馬なんかより遥かに早く走れる。

しかも飼育の手間いらず。

疲れたらお弁当と回復薬で即元気一発だ。

道なき道を走る。

方向が合っているのか若干の不安はあるけど空間感知していると地図に書かれている地形に見えなくもないし、まあともかく走る。

途中でシャルや割り込みでサクラとおしゃべりしながら走る。

雑魚モンスターは無視。

ビックボアーやオーガだけは寄り道して瞬殺していくといつの間にか魔物の森に到着したようだ。

馬車で3日って言ってたけど半日で着くとか。

まあともかく魔物の気配もあるし、この先10キロの所に最初の迷宮がある筈。


水晶の欠片でマーキングして家に戻った。


「ただ今ー。」


「お帰りなさい。早かったね、ケンタ。」


「「お帰りなさいませ、旦那様。」」


「ただ今。おっ、ミューリに双剣渡したのか?」


「はい、奥様のお許しを頂いて、ミューリに譲ることにしました。」


「じゃあ、ミュールにこのエストックを上げるよ。俺には刺突武器は難しいしな。」


「そんなことはありません。旦那様の12連撃は美しいです。」


「まあ俺は他にも大剣があるしな。よかったら使ってくれ。バランスが悪ければ調整して貰うし。」


「そんなことはないです。この剣に続きこのような武器を頂きありがとうございます。」


「それと、ミューリには、ミュールとおそろいだけど、この革ドレスとブーツね。帽子は戦闘の時にだけ出すようにね。」


「えっと、私にもこのような立派な防具を頂けるんですか。ありがとうございます。」


「サクラには能力付与お願いした?」


「えっと、はい、昨日寝る前にやって貰いました。」


「今日で何とか魔物の森の端に着いたからね、明日から魔物討伐をしながら迷宮を目指すからね。今日は早めに寝ておくように。」



「ただいまー。お腹すいたー。」


「お帰り、何でそんなに疲れてんだ?」


「森のフィールドの整備にね。ゴーレム使ってちょっといろいろやった。」


「そう言えば、グリーンキャタピターが落とした植物促進の粉だったか、そういうの・・・」


「師匠、頂戴。下さい。譲って下さい。それグリーンちゃんのお腹の中で何年もかけて精製しないと作れないのよ。今回作ったグリーンちゃんが吐き出すのは10年以上先なの。」


何かウルウル、キラキラ光線を出してしがみついてくるので上げることにした。

ちょっとだけだけど。

全部やったら残さず使いそうだしな。

これも教育の一環だ。


「そう言えば、旦那様、冷蔵庫の氷の補充をお願いします。」


「あれ?朝入れてたけど足りなかった?」


「いえ、あの・・・」


サクラがしがみついてたのに、こっそり離れて行きやがった。


「まさか食べたりしてないよな?」


「そんなことしてないよ。畑仕事で暑かったからちょっと涼むのに使っただけだし。」


「まあいいけど。使ったら報告しろよ。出すのはいくらでも出してやるから。」


氷魔法、その内に皆に付加してやるかな。

まあ冷蔵庫もどきを魔道具で作って貰うのが先だけどな。

今度図書館で探してみないといけないな。


お風呂に入りながら、シャルとミュールからその日あったことをいろいろ聞いた。

今日は皆で機織りと模擬戦をやって過ごしたそうだ。

念話でも楽しそうだったけど。

ミューリは剣豪スキルを付加されているだけあって、動きは悪くないらしい。

ただ、LV1だし、早めにLV上げして生命値を上げるのが最重要ってことで一致した。

明日のラストアタックは全部ミューリに任せよう。


夕食はたれに漬け込んだ肉を使った焼き肉だ。

焼き肉ってこんなにおいしかったっけ?

別の料理になってるな。




目の前には、深い森が広がっている。

俺達4人には、すでに魔物の位置は捕捉されている。

ミューリの初戦はホーンラビットの群れに決まった。


「いいかい、ミューリ。さっきも言ったように落ち着いて狩れば何も問題はない。例えホーンラビットが向かってきても今身についている革鎧は絶対に破られることはない。さらにその下にブラックタランチュアのアンダーソックスにミューリ自作の下着も身につけている。ほとんどの個体は、俺達皆で押さえているからね。ミューリは目に着いたやつを全部屠っていってね。この辺りは俺達にとっては経験値の足しにもならないけど、ミューリにとってはレベルアップのために貴重な経験になるからね。」


「はい、旦那様、頑張ります。」


ちょっと緊張気味だけど、頭をポンポンと撫でてやったらいい感じで緊張が抜けたようだ。

皆で気配を消して近づき、逃げないようにミューリ以外の3人で周囲を囲う。

ミューリは双剣を縦横無尽に振ってあっという間に殲滅してしまった。

うん、いい感じだ。

LV2になった。


その後、雑魚も残さないように迷宮入口に向かって進んで行く。

10キロぐらいの距離を狩りをしながら4時間ほどで到達だ。

いい感じだと思う。

最初の迷宮には兵士と冒険者などが入り口周囲にたむろしていた。


「止まれ、お前達どこの国の者だ。」


「マルク王国の冒険者ギルド所属です。」


俺が自分の冒険者カードを一番偉そうな兵士に渡し、シャルとミュールは自分のミスリル冒険者カードを掲げる。


「これは、A級冒険者ですか。他の皆さんも。」


正確には、ミューリはF級なんだけど、ミュールと同じ装備だし、姉妹なんで勘違いしてくれたようだ。


「と言うことで、中に入りますね。一応確認しますが現在、何階まで探索完了していますか?」


俺の質問に周囲の冒険者も反応する。


「我々には、その情報は伝えられていない。」


「そうですか、解りました。では、俺達は入りますね。」


迷宮に入ると、いつものように入り口付近に普通の人には見えない水晶が置かれた部屋があった。

俺と、シャル、ミュールは取り敢えずタッチして登録しておく。

通路を下ると、地下1階全体の様子が分かる。

結構広いみたいだ。少なくともサクラの迷宮の様な出来たばかりと言う感じじゃないな。


「今回は、地下1階、地下2階は簡単に探索しよう。恐らく、アミラス王国も地下5階の探索を優先させる筈だ。俺達もそれを優先させよう。ミューリは目の前の敵をドンドン屠っていってね。」


出現魔物は、ホーンラビット、ボア、ゴブリン。

いつも通りだ。

サクサク進んで、1時間ほどで地下2階の通路発見。

途中何組かのパーティーを発見したけど上手く避けた。


地下2階も似た感じ。

ほとんど問題にならない、ミューリもサクサク狩っていく。

俺も回収できる分の死体だけ回収して行く。

エンカウントしない間は走ってる感じだ。

ミューリが疲れた感じなので途中でお姫様抱っこしながら先を急ぐ。

この階にも探索者がいる。

この迷宮は周囲5キロ程度だ。

そこそこの大きさがあるけど、空間感知MAXにした俺には最短コースを見つけられる。

基本、魔力濃度が高い方に進めば下に進める感じだ。


地下3階。

ザッと感知した感じでは他の探索者はいない。

更に探索を加速させていく。

集団戦になるけど、ミューリは問題なく対処で来てる。


「さてここまでで、時間が19時だ。地下4階に進むのは明日でもいいけどどうする?」


「ここ以外にあと2つあるんだよね。せめて1つは取りたいね、マルク王国で。」


「まあどこが管理してもいいんだけどな、俺としては。サクラの迷宮みたいに出来て時間が経ってないって言うんじゃなければね。」


「まあ確かにね。管理するのも大変ね、魔物の森の中だと。」


「旦那様、私の方は大丈夫です。今日はほとんど戦ってないですし。」


「私も大丈夫です。身体が随分軽くなりました。」


ミューリは一気にLV5まで上がっている。生命値も60まで上がったんで随分余裕だ。


「じゃあもう少し頑張ろうか。ただ夕食を食べてからね。ここにマーキングしておくから食事が終わってから戻ろうか。」


そう言って全員を抱きかかえて家に戻った。

浄化で綺麗にした後ミューリとミュールは夕飯の準備の出かけた。

念話で連絡したんでサクラも戻って来るだろう。




「今回の迷宮はどんな感じ?」


「5キロぐらいだから割と年数経ってるんじゃないか?」


「単純に大きさだけで年数が解る訳じゃないけどね。私の所も一番広い所5キロ四方以上あるよ。」


「サクラの所はちょっと特別だからな。」


「まあね、完成度で言えば100年経ってる感じだよ、魔物の分布と種類とか。私もLV52になったし。」


「自分で作った魔物殺してレベルアップしてるのか?」


「戦って生まれなおさせないと魔石の純度が甘くなるからね。厳しい環境に置いてこそ成熟するのよ。」


「単に自分で戦いだけだろう?」


「そんなことないよ。」


「いやいや、新しいスキル覚えようとしてるだろう?」


「それは、いろいろあった方が能力付与できるし。」


「まあいいや、俺達これから地下5階ぐらいまで攻略してくるけど、サクラはどうする?」


「師匠、一緒に行きたい。」


「って上層だから手ごたえないぞ。ほとんどミューリに狩れせて経験値稼ぎしてる感じだし。」


「大丈夫。狩らないやつを狩って来るから。」


「ってやっぱり、バトルジャンキーじゃんか。」


まあ一人お留守番も可哀想なんで連れて行ってやった。

ただし、自分で行って荒らしまわれないように入り口の水晶の登録はさせてない。


サクラの活躍はまあいいとしてとにかく3時間ぐらいで、地下6階まで探索完了した。

一応、地下7階への通路の所にマーカーを置いておいた、こっそりと。

サクラに見つかったら勝手に探索してしまいそうだからな。

ともかく、サクラを先に家に帰らせて、俺達は入り口から出た。

入る時に見られているから出るのを見せておかないとね。

入り口付近にいたのは入り時とは違う兵士だった、ただ連絡は受けてた様で俺達がA級冒険者だと解ったようだ。

どこまで探索したのか聞きたそうだけど、自分達が教えないんだから、どこまで探索したか聞けないようだ。

俺達も何も言わないし。

念のため、この迷宮の名称を何と呼んでいるのか聞いてみた。

アミラス王国では魔物の森・北迷宮と呼んでいるようだ。

転送選択画面では魔物の森迷宮Aとなっている。

取り敢えず、更にアミラス王国寄りのある迷宮に向かって歩いて行った。

アミラス王国の兵士なら、俺達がどこの向かったか解った筈だ。



森の中にマーカーを置いて家に戻った。

サクラはキッチンでごそごそやってるけど何やってるんだ?

サクラはほっといて、夜も遅かったけど、浄化し、着替えてアイスを出してリビングで食べた。


「師匠、私も下さい。なんで何も食べ物がないんですか。」


「って今朝おやつ渡したじゃん。」


「あれは今日の分なので食べちゃいましたよ。」


「まだ今日だけどな。」


まあ可哀想なので出してやったら、ミューリの横に座ってキャッキャいいながら食べてる。

まあこの2人、仲がいいんだよなー。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ