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アイテムボックスで成り上がり  作者: けんもも
第一章 建国編
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魔物の森の迷宮

翌日、冒険者組合に出かけていろいろと情報公開をした。

特にサクラ迷宮の方で浅い層でいろんな種類のゴーレム、しかも中級者にでも十分対処できるレベルのゴーレムが出てきて、それらが高頻度で鉄塊や、鉄鋼塊を落とすと言う俺達の話は興味を引いたようだ。

現在、安全マージンを取って地下3階までしか潜ってなかったみたいだ。

勿論俺達は把握してたけど。

あと、マルク迷宮(ケンタ迷宮)については攻略が完了したことは話せないけど、攻略方法について情報を与えて、冒険者同士でパーティーを組むことで素材のドロップ率を上げるコツなどを教えてあげた。

俺がそのように設定したんだけど。


「すると、冒険者は単独で潜るよりも複数で協力した方がいいと言うことですかな?」


「ですね。そうすることで安全性も増しますし、結局収益も上がるかと。それを促すためにパーティーランク制も取り入れてはどうでしょうか。」


「パーティーランク制か。なるほど、確かにいいかもしれん。しかしそのような情報を公開してよかったのですかな?黙ってケンタ殿達だけパーティー討伐をした方が、利益が上がったでしょうに。」


「俺達は、中層辺りにはあまり用はないですし、寧ろ下層攻略を進めるには、冒険者全体の戦力アップが必要だと思いますので。」


「冒険者全体の戦力アップか。ケンタ殿は、見えている次元が違うのだろうな。承知した。素材が増えれば我々ギルドの利益も上がるし、パーティー制と、冒険者の訓練の件早急に導入するように手配しましょう。」


「ありがとうございます。」


「時にケンタ殿。魔物の森へは行ったことありますか?」


「魔物の森ですか?いいえないです。」


「元々魔物が多く出る森だったのですが、最近、特に魔物の被害が出ておりまして、C級レベルの冒険者や王宮の騎士団でも十分に対応できたのですが、B級ランクの魔物の報告が入るようになりまして。」


「討伐依頼ですか?」


「ええ、そうです。ただし魔物の森を挟んでアミラス王国と接しておりまして、どうやら魔物の森の中に迷宮を見つけたようでして、おそらくそれを開発するために、アミラス王国側からこちら側へ魔物を追いやっているのではないかと思われるのです。」


「迷宮の所有権はどちらに?」


「大陸の全ての国家との誓約によって、上層の5層までの探索を終了し、その情報を公開した国がその所有権を持つことになります。」


「それは先に見つけていてもですか?」


「基本、迷宮は領土とは別次元で考えるべきものですし、放置すれば迷宮から魔物が溢れてきます、誰の所有と言うよりも、誰が管理できるかという資質を問うための誓約ですので、上層程度をコントロールできなければ迷宮自体のコントロールは無理と言うことなので。」


「それで、今回の話は、単に魔物の森の魔物を討伐すると言うことではなく、その迷宮の探索もと言うことですか?」


「A級冒険者カードを持つケンタ殿達の立ち入りを制限するなどと言うことは誓約上できませんので。B級以上の冒険者は大陸中どこの迷宮へも自由に立ち入りができるように決まっています。」


「えっと、アミラス王国では新たに3つの迷宮が見つかってと聞いていますが、今回の迷宮はその内の1つですか?」


「はい。と言うか新たな迷宮は全て魔物の森の中にあります。今の所、全ての迷宮で上層探索完了の宣言はされていません。」


「それでサクラ迷宮の上層探索完了の時に騎士団の人がいろいろ言ってたんですね。」


「ええそうです。探索を始めてその日で完了するとは王宮も考えていなかったようで。しかし、そのお陰で正式にマルク王国の迷宮として宣言できましたし、街づくりも始まりました。今回この依頼を受けて頂くなら、王宮からの正式な指名依頼と言うことになります。」


「ちなみに、それは一ヶ所のみの依頼ですか?他の場所も探索してきていいんでしょうか?」


「勿論、一件ごとの報酬になります。上層5階までの探索なら更に報酬が出ます。基本、一階層ごとの報酬です。」


「解りました。では細かい条件はシャルとお願いします。あっ、そうだ日向亭の件は。」


「ああ、あれは勿論シャルさんの実家と言うこともあるんですが、焼き肉は今やマルク王国では大人気の料理でして、私も好きなんですよ。そこでいろいろ融通させて頂きました。誰も損はしていませんぞ。寧ろ早く完成するのを皆が待ち望んでいるぐらいです。」


まあともかくそんなこんなで今後の方針が決まった。

ギルドを出てそのまま迷宮都市の家に飛んだ。

あっ。ミューリは初めてだった。

フリーズしてるけど、解凍はお姉ちゃんのミュールに任せよう。



「まあそう言うことで、明日から魔物の森へ出かける。と言っても実際に到着するのは3日後だな。先に俺だけで森の近くに行って水晶の欠片を置いてくるから後から皆で飛ぶ感じな。迷宮に直接飛んでもいいけどついでだから魔物の森に溢れている魔物を討伐しようと思う。その時にはミューリも討伐参加させるからね。一応最低限自分の身は自分で守れるようになっておこうな。指導はミュールにお願いする。」


「行くのはいいけどどうやっていくの?近くの街まで馬車?」


「いや、馬を一頭買って乗っていく。夜はここに戻って来る。早ければ2日もあれば魔物の森の傍まで行けると思う。何か有れば念話で連絡つくし、すぐに戻って来るから。」


「師匠、その間、師匠の迷宮、弄ってていい?」


「いいけどやり過ぎるなよ。って言うか、魔物の森で狩りをしたら魔石が大量に手に入るから、自分のところの改造も出来るんじゃないか?そっちをやってる方がいいんじゃないか?」


「今余ってる魔石使ってもいいの?25階の台座に置きっぱなしにしてるけど、やっぱり魔力の貯まりが弱いんだよね。森ステージをちょっと弄りたかったし、じゃあしばらく自分の所弄っとくよ。」


「そう言えば俺のダンジョンコアも25階に置いてるけど、置いたまま長距離離れても大丈夫だよな?」


「この大陸ぐらいなら誤差範囲だよ。別の世界に行くなら別だろうけど。」


「そっか、まあいいや。シャルは何かやることあるか?」


「魔法の練習もしたいけど、機織りもやってみたいかな。」


「ああそうだな。1階の空き部屋に置いてるけどあそこでいいか?」


「大丈夫です。あんな広い場所を作業場にしていいんでしょうか?」


「問題ないぞ。あー寝室はどうする?」


「お姉ちゃんは?」


「私は、旦那様の部屋で寝てる。」


「サクラ、お前ミューリと一緒の方がいいんじゃないか?年も一緒だし。ガールズトークも必要だろう、ボッチじゃなければ。」


「ボッチじゃないし、まあミューリが一緒に寝たいと言うなら一緒でもいいけど。」


「ホント?サクラちゃんありがとう。一人で寝るのはちょっと苦手なんだ本当は。」


「ふふふ、お子様ですね。仕方ありません、一緒に寝てガールズトークをしましょう。」


「ガールズトーク?うん、サクラちゃんと一緒だと嬉しいかも。」


「ミュールはいいのか?」


「勿論です、旦那様と一緒のお部屋ではダメですか?」


「いやいや、問題ないぞ。じゃあそう言うことで解散な。」


その日は久々に、のんびりじゃなく激しく眠った。

うん、満足した。

全くサクラがいっしょだとこっそりだったからな。

あのお子様め。


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