表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アイテムボックスで成り上がり  作者: けんもも
第一章 建国編
51/70

マルク迷宮攻略

「今日から、こっちの地下18階からの探索なんだよね。こっちのダンジョンコア履回収するの?」


「サクラみたいな管理していた人がいたとしても、もうすでに何百年も経っているんだろう?肉体はなくなっていると思う。それにサクラの話だと、ダンジョンは魔物を倒してこそ意味があるみたいだしな。それに、ダンジョンを攻略すると、また別のダンジョンが作られるみたいだし、そっちの方がメリット大きいと思うけど。」


「旦那様、空間感知とは凄いスキルです。周囲の様子が手に取るように感じます。」


「まあ徐々に鍛えて行くようにな。常時発動しておけば、街中だろうと寝ている時も異常を感じれるようになるし。」


「はい、旦那様の警護はお任せ下さい。」



ミュールも剣術スキルが、上位変換して剣豪になって自信ついたのかな。

きのうサクラに能力付与する時に気が付いたみたい。

剣の種類を変えたのがよかったのかな。



地下18階は、以前通ったことのある様な灼熱フィールドだった。

しかし魔物のレベルが段違いだ。

火魔法を使うのは当然として、風魔法や土魔法を使う魔物もいたりして、ちょっと大変だった。

ただ、水魔法が弱点だと解ってからは、氷魔法で氷漬けしてサクサク進んだけど。






「いやー、苦労したな、さっきの火トカゲの集団は。」


「最後は、氷漬けでサクサクだったけどね。」


「火トカゲってどんな魔物?」


「あーこいつがその魔石。あと甲殻とか爪だったらドロップアイテムがあるぞ。」


「マジで。欲しい頂戴。うちにも配置する。」


「って、こっちには灼熱フィールドないじゃんか。」


「別に作ればいいじゃない。大丈夫よ、ちょっとだけ環境を弄るだけだし、暑ければ繁殖するでしょう。」


今、俺達は、お昼を食べにサクラのコテージ(俺が使ってたやつだけど)のやってきて一緒にご飯を食べてる。

ちなみにサクラはさっき起きた。

なんでも徹夜でダンジョン制作をやってたらしい。

地下15階のタイタンに魔法を付加したらしい。

なにしちゃってるのこの子。

まあ魔石の容量の関係で火魔法だけしか付加できなかったらしいけど。

ちなみに武器はないらしい。

そこまで手が回らなかったとのことだ。

かわいそうなので俺が出してやることにした。


「マジ?じゃあ、今から15階に行こうよ。」


「いや、今、お昼食べてるし。」


「そんなこと言って、今誰かが侵入してきたらどうするの。」


「まあ大丈夫だと思うぞ。強いやつは、他のダンジョンの攻略中だし。」


「でもでも、タイちゃん可哀想だし。結構大変なのよ、鉱物集めるの。」


「解ったよ、じゃあ行くか。シャル達はどうする?」


「うーん、私たちはここで待ってるよ、片付けもあるし。」


15階に転移すると、タイタンが座っていた。

俺達に気が付くと、タイタンが、正座した。

正座?

何教えてくれちゃってるの、正座はないでしょう、正座は。


「タイちゃん、調子はどお?タイちゃんの武器持ってきたよ。ケンタさんがタイちゃんにって。」


俺が剛剣を出してやると、嬉しそうにしている。

タイタンも笑うんだね。

えっ?

何?

剣の指導をして欲しいの?

私も少し出来るけど、武器がないから。


「サクラも剣豪スキル持ってたしな、ほらこれでよければ使うか?」


「えっ?いいの?これってミスリル?」


「まあ、使えるなら使ってくれ。」


「ありがとう、ケンタさん。ケンタさんていい人だね。」


「最初は極悪人扱いされたけどな。」


「昨日は、超怖かったし。」



その後、マルク迷宮に戻って探索を開始し、夕方には地下19階への通路を見つけた。

水晶の欠片のマーキングをして、家に戻った。




お風呂上りにリビングでゆっくりしていると、側で2人が裁縫を始めた。

なんでもサクラの服を作っているらしい。

あーそうか、2人にはサクラが身につけてるのがレア装備だとは鑑定できないのか。

一見すると、フリフリがたくさんついたドレスみたいだしな。

まあ、サクラがおしゃれに興味があるようには思えないけど、2人とも楽しそうだし、好きなようにさせておくか。



「かわいい。すごーい。これ私に作ってくれたの?嬉しい。着替えていい?」


一応、俺って男なんだけど、マッパになって着換え出したよ。

ロリかと思ったら意外とメリハリのあるボディーだな。

って、シャル達はわかってたの?

サイズぴったりじゃない。

どこのお嬢様だよって感じ。


「ケンタさん、似合う?」


「お、おう、似合ってるぞ。いいんじゃね。」


「ねっ、言ったとおりでしょう。ケンタはこう言う服が好きなのよ。」


「そうなの。じゃあ、普段こっちを着ておこうかな。」


上目遣いのチラ見禁止。

何そのかわいさ。

サクラってこんなにかわいいやつだったの?


「服の洗濯は、ケンタお願いね。あっ、そう言えば家にあった湯船があったじゃない、あれをこっちに置いたらいいんじゃない、サクラもお風呂入りたいでしょう?」


「お風呂あるの?地上に行った時にはそんなのなかったよ。」


「まあこの迷宮の外は元々鉱山の集積場みたいな場所だったみたいだしな。ダンジョンが出来たおかげで、これから街が出来て人も増えると思うぞ。」


「ほんと?楽しみ。ダンジョンの範囲内なら、地上にも出れるから、早く街が出来てくれたら嬉しいかも。」


「それじゃあ、取り敢えず風呂を作っとくか。どうする外に作った方がいいか?排水とかもちゃんとやったほうがいいか。サクラ、スライム作れるか?そいつらに下水処理してもらたらいいんじゃないか?」


「あーそう言うのは問題ないよ。迷宮自体に吸収させてるし。ちゃんと循環させてるから。湯船があるならシャワーの横に置いておいて、そしたらお湯を貯めやすいし。」


「そいじゃあ、排水だけ外に出るようにしておくか。」


結局その日も慌ただしくサクラと一緒にお昼を食べ、マルク迷宮の地下19階に戻った。




数日後、いよいよマルク迷宮の攻略が迫ってきた時、いつものようにサクラとお昼を食べながら話をしてみた。

尚、サクラの迷宮はこの数日で実にすばらしい成長を遂げている。

俺が魔石をたっぷりサクラに渡しているってこともあるんだけど、ダンジョン作成に関して俺が意見を言ってそれをサクラが実装しているってこともある。

俺自身自分のスキルを鍛えるって意味合いもあるんだけど、知恵や発想はできても俺自身は実装することはできない。

迷宮作成というスキルがあるだけでは迷宮は作れないみたいだ。

ともかく、俺はかつてプレーしたMMORPGの知識と経験を活かして、攻略できそうで出来ない、そういうダンジョン作りをサクラにさせた。

今や最下層のサクラの間の来るには、レイド単位の人数で攻略しないと無理な状況だと思う。

もっとも上層と、中層の上の方は、攻略しやすいようにしてある。

鉱山跡地という利点を活かしてゴーレム系の魔物の種類をふやし、ドロップアイテムに鉱物を持たせるようにした。

採掘させるより、ゴーレムを倒した方が鉱物を手に入りやすい状況にした。

魔物の中で鉱物が純化して行くから、よりレベルの高いゴーレムにも挑戦したくなる筈だ。

サクラの住環境も、魔道具をいろいろ買ってきてやり、かなりゴージャスになっている。

そのうち、俺達もこっちで暮らすかって話にもなっている。

何と言っても防犯対策が完璧だし。


ともかく、そんなグレードアップした部屋で、昼食を食べながら、


「そう言えばさ、前にも聞いたことあるけど、ダンジョンコアって迷宮から移してもいいんだよな?」


「うーん。問題ないよ。ダンジョンコアがダンジョンから離れた時点で、別の場所に新たな核が出来るし、世界全体から言えばダンジョンコアは定期的に攻略された方が、魔素の還流は活発になると思うわよ。私も死んだ後、ダンジョンコアとしてこの場に残るんだろうけど、この場所から出して欲しいと願うと思うし。」


「でもコアがなくなったら迷宮はなくなるんだよな?」


「まあ、ケンタが来た時みたいに、ほとんど成長もしてない様なダンジョンが攻略されたらすぐに消失すると思うけど、長く存続したダンジョンだと、内部にかなりの魔力が貯まってるし、新たな成長はなくなるけど簡単にはなくならないわよ。少なくともそのダンジョンが存続した期間ぐらいは残ると思うわよ。まあその時には新しいダンジョンが成熟してるだろうけど。」


「そう言えば、この迷宮が出来たのって、マルク迷宮と関係してるのか?」


「ケンタがあっちの守護者倒したんでしょう?守護者を倒すと新しいダンジョンの核が作られるのよ。このダンジョンも守護者が倒されたけど、十分に魔力が貯まる前に倒されたから、今回は核はできてないけど。あのまま私もケンタに倒されていたら、何も残さないまま消えてなくなるところだったわ。使徒として大きな汚点になってたわね。最低でも次のダンジョンの核を残すことは私の最大の、最低限の使命だから。」


「そうか、まあそれは悪かったな。」


「ホントよ。思いだしても身体が震えて来るわ。」



そう言ってサクラが俺の膝に乗ってきた。

身長が140㎝ぐらいしかないしな。

なんか妹みたいだな。

自分でもそのポジションで落ち着いてるみたいだ。

シャルのことをシャルお姉ちゃんって呼んでるし。


「よしじゃあ、頑張って攻略してくるか。シャルとミュールは準備OKか?」


「大丈夫だよ。じゃあ、サクラ、新しい服ここに置いてるからね。」


「サクラちゃん、おやつはここに入れてますからね。一度に食べないようにね。」


「はーいお姉ちゃん達、ありがとうね。じゃあサクラも迷宮作りやってくる。」


サクラは自分の迷宮内なら自由に転移可能みたいだ。

迷宮作成スキルの能力の一部みたい。





「さっきから凄いね。守護者レベルの魔物が次々と。」


「まあ、25階だしな。最後の砦って感じじゃないのか。」


「サラマンダー、バジリスク、リザードン。竜系統の魔物ばかりでしたね。」


「バジリスクはやばかったね。ケンタのあの黒い霧みたいなのがなかったら、皆石化されてたんじゃない?」


「でもいつの間にあんな魔法を使えるようになってたの?あれって影魔法だよね?」


「そうなのかな?まあ使えそうな感じだったし。ともかく上手くいってよかったよ。」


「リザードンも厄介でした。あの鱗化というスキルでしょうか、あのスキルで剣が全く通りませんでした。」


「まあ最後は、全員で目と口とお尻に剣を突き刺したんだけどな。」


「いよいよラストみたいだね。この先に大きな魔力の塊があるわね。」


「うん。体長が5m位あるみたいだな。空間もドーム状だし、飛行系の魔物みたいだな。回復は問題ない?装備を再チェック。上級回復ポーションも持ってるね。じゃあ行こうか。」


「ワイバーン、LV50、生命値7000、炎魔法、剛力、身体強化、鱗化、魔法耐性」


俺が先行して、氷魔法と嵐魔法との複合魔法ブリザードを発動。

跳躍して首を狙ったけど空中に逃げられた。

天井まで20mほどある。

巨大なドーム状の部屋だ。


「ケンタ空中に逃げられると手が出せない。」


「旦那様の魔法は効いているようです。」


確かに生命値は減少している。

と言っても思ったほどじゃない。

やはり魔法耐性がな。

仕方ない。

後で追及されるだろうけど出し惜しみしてる場合じゃないな。


床面から土魔法で何本もの足場を作る。

体当たりで破壊されるけど、一瞬でもやつの上方にいければいい。

炎魔法を吐きながら近づいてくるワイバーンの攻撃をかわす。

狙い通り側面の壁を蹴り三角飛びの要領で天井にタッチ。

天井を足場にしてワイバーンの死角上空から魔力を乗せた蒼龍剣を突き立てる。

やつが俺を振り落とそうと急旋回を繰り返す。

振り落とされないように剣をしっかり掴み剣を通して魔法を発動。

サンダーボルトだ。

ワイバーンはそのまま死亡、勢いをつけたまま壁に激突。

その前にワイバーンを回収して身体を反転。

間に合わず壁に激突。

鱗化と身体強化をとっさに掛けたけどダメージを受けてそのまま落下した。

まあギリギリ生きてるみたいだ。

上級回復ポーションを飲もうとしてそのまま意識を失った。


うん?口に柔らかい感触が。口に中に液体が流れ込んでくる。


「ケンタ大丈夫?大丈夫だよね?」


「旦那様―」


「うーん、大丈夫。俺気を失ってた?」


「大丈夫、すぐに上級回復ポーション飲ませたし。」


「あーもう大丈夫。心配かけた。それでワイバーンは?」


「ケンタが倒したんでしょう?飛んでる途中でワイバーンの身体が光って、その後壁に激突する前に消えたよ。」


「あーそうだ。うん、上手くいったのか。」


「もう無茶しすぎだよ。心臓が止まるかと思ったよ。」


「そうです、旦那様。一人でワイバーンに向かうなど、勇者じゃないんですから。」


「まあ、なんだ。2人が怪我がないならよかった。さて、ダンジョンコアの回収だな。」


そう言って、部屋の中を探してみる。

派手に戦闘したから大変なことになってるけど。

さてダンジョンコアってどこにあるんだろう?

土魔法を解除して、浄化魔法で辺りを綺麗にしたけど、それらしきものはない。


「何もないわね。隠し部屋とかもなさそうだし。」


「空間探知してますけど、他の場所にも何もないようです。」


「どういうことだ?」


念のためにアイテムボックスを確認すると、あった。ダンジョンコア。

水晶の指輪もあったし、水晶の欠片もあった。

さっきの守護者が持ってたってこと?

そう言えば俺は鑑定するの忘れてた。

ともかく、ダンジョンコアを出してみる。


「さっきのワイバーンが持ってたみたいだ。ほらこれがダンジョンコア。」


「凄いわね。魔石よりも深い赤。それに超巨大。」


「それと、ミュール手を出して。」


ちゃんと注意して、ミュールの右手の薬指に水晶の指輪を嵌めてやった。

するとそれまで何もなかった場所に青い水晶柱が出現した。

なるほど、装着者がいることで活性化されるのか。


「旦那さまこれは?」


「水晶の指輪といって、転移の発動装置であるこう言った水晶が見えるようになるんだよ。シャルにも嵌めてるけど、転移出来るのは今の所俺だけだ。取り敢えず、登録しないといけないから、この水晶にタッチして。シャルも登録して。」


俺達3人が登録すると登録項目にちゃんと出てきた。


「まずはサクラに見せるか。」


そう言って、サクラの迷宮に飛んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ