表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アイテムボックスで成り上がり  作者: けんもも
第一章 建国編
45/70

迷宮地下16階

翌朝、朝食の時に、冷えた果実水を出してやった。

氷魔法の練習で冷やしてみたんだけど、最初のは凍ってしまったのでそれは見なかったことにしてアイテムボックスに仕舞った。


「何これ、冷たいけど。ケンタ氷買ってたの?超贅沢品だよ。そんなのどこで売ってたの?ってまさか最初から持ってたとかじゃないよね?」


「氷って贅沢品なの?」


「何言ってるの?氷なんか高い山の氷穴に入って持って来ないと取れないでしょう?持って来れる量は限られるし、取りに行くまで大変だし、王侯貴族でも滅多に使わないわよ。」


「そうだったのか。じゃあ冷たい物、嫌いとか?」


「それは冷たいと、こんなにおいしくなるんだってびっくりしたし、嬉しいわよ。ありがと、ケンタ、こんな贅沢させてくれて。」


「旦那様って実はどこかの王族だったんですか?」


「それはないからな。ごく平凡な一般市民だ。まあそれは置いといて、今日は迷宮の下層16階に行こうと思ってるけど、2人とも体調はどう?」


「問題ないよ。ちょっと緊張するけど。」


「私は、迷宮に入るのも戦うのも初めてなんですが、自分の成長についていけません。びっくりです。」


「まあその辺りは、元のスキルとか能力が高かったってことだよ。」


「ケンタが凄すぎて、その恩恵を受けてるんだよ、私たちは。私もこれまでたくさんの冒険者、それこそB級冒険者なんかのベテランって呼ばれる人をたくさん見てきたけど、ケンタは別格だよ。自分の身に起きたことが信じられないし。」


「ですよね。私も未だに自分が夢の中にいる様な気分です、奥様。」


「それで、下層に行くの?」


「「行きたい。」」


「じゃあお互いにしっかり装備を確認して出かけようか。一気に地下15階に飛ぶからね。」




「ここから先は、俺達も未知の場所だから、十分に警戒しながら進もう。シャルは周囲の魔力を感じる感じで。今までより探知が楽になってると思うよ。あとミュールは耳を使って周囲の気配を探ってね。」


俺自身は空間感知と魔力操作のコンポで周囲の感知を始める。中層とは比べ物にならないほどの魔力濃度を感じる。


「下層最初のフィールドは、迷宮らしい場所だな。」


「まあ森とか、川が異様だったんだろうけど。」


「だな。早速魔物の反応。全部で4体。」


「察知しました。足音ではないので飛行系魔物かと。」


「そうだね、魔力は濃いけど小さい。」


「最初だから、俺が先行。シャルとミュールは周囲の確認。シャル情報よろしく。」


前方から来たのはこうもりと豚の合いの子みたいな魔物だ。

小太りだけどよく飛べるな。


「ピグーバッド、LV22、魔力感知、風魔法、生命力吸収」


剣に魔力を通す。

周囲が若干薄暗いので蒼く光る剣先が周囲を照らす。

2m位上空を飛んで着る先行してきた一体に跳躍して一閃。

豚の姿をしてるのに器用に避ける。

返す刀で一閃して真っ二つになる。

後方から飛んでくるやつには鉱魔法でバインドをかけてる。

まさか天井から拘束のバンドが伸びてくるとは思わなかったのだろうあっさりと拘束。

次の一体も俺が屠った後、


「残りはシャル、ミュールで相手して。バンドはもうすぐ外れる。」


現在俺のバンドの効果は30秒ほどで切れる。

この辺りは要練習だな。

水魔法で作り出した水が消えないようにバンド魔法の拘束も消えないようにできる筈。


俺が先に倒した魔物の死体を回収している間に、シャルもミュールも魔物に到達。

ギリギリ拘束が解かれたけど、2人の動きが早かったようだ。

ミュールの方はミスリル剣に魔力を通すことが出来てないけど手数で圧倒。

シャルは新しい双剣を蒼く光らせながら一閃した。


「お疲れ、この剣は十分対応できるみたいだな。」


「それはそうよ。多分、国宝級の一品だよ。これで対応できなきゃ大陸にある迷宮は攻略不可能ってことになるよ。」


「ミュール。ミュールの持っている件はミスリルの剣だ。その剣は魔力を通すことでその能力を高めることが出来るんだよ。本当の使い方は後できちんと指導するから、まずはその剣の扱いに慣れてね。」


「はい旦那様。この剣を使いこなせるように頑張ります。」


「それと耳をつかった探知もよかったよ。続けて頑張ってね。疲れたらきちんと報告するんだよ。魔物と戦う時に全力を出せなければミュールだけでなく、パーティー全体に迷惑がかかるからね。」


「はい、旦那様。」


「流石は下層だな。魔物の方から寄って来る。あっちも感知スキル持ってるやつがいるんだろうな。」


「私はまだ感じない、ミュールは?」


「私も全く聞こえないです。」


「その内、感じるようになるよ。俺でも感じれるんだし。」


折角魔物が寄ってきてるので、そっちに行ってみる。

300m位の地点で2人とも感知できたみたいだ。

100m地点だとはっきり感じれるみたい。

この辺りも鍛えることであがっていくんだろうな。


「今回は、全部で8体。うち1体は他と雰囲気が違うから、最初俺がこいつを狙う。他も足止めはするけど、シャルとミュールは後ろから来てるやつをお願い。あと、シャル魔法をぶっ放していいよ。当たらなくても牽制になるだろうしね。」


「先頭、グレーターウルフ、LV25、統率、影魔法、跳躍、生命値800」


走りながらも俺が相手をする予定のリーダー格のやつの情報をくれる。

俺も鑑定してるんだけどね。

これはしばらくはシャルには内緒だな。

シャルのアイデンティティーの問題があるしね。


リーダーのグレーターウルフが魔法を発動。

俺達3人を包む。

やばい、ミュールの動きが鈍くなった。

俺とシャルは大丈夫。

シャルの先制の火魔法が炸裂。

俺も急遽風魔法で不可視の壁を構築、これで少しの間時間が取れるだろう。

十分に練ってないからすぐに破られるだろうけど。

フェイントをかけてリーダーを一閃。

首を一閃とは行かなかったけど、右前半身は断絶。

そのまま切り返して胴を真っ二つ。

後方のワイルドウルフLV20前後の集団が不可視の風壁に激突、態勢を崩す、後方から走ってきた4体も前の3体が不自然に撥ね返されたのでそれをかわそうと無理な体勢になる。

俺は前の3体は無視し後ろの4体に迫る。

俺が最初の一体を始末した時点で、シャルが無防備な態勢を晒していた先頭のワイルドウルフを一閃。

動きの戻ったミュールも少し遅れて次のワイルドウルフに8連撃を加えてる。

俺はもう一体始末した後、残り2体のワイルドウルフは、シャルとミュールの方に足で蹴飛ばしてやった。

その後、先にグレーターウルフの死体を回収、間に合った。

迷宮に吸収される前にゲット。

続いてワイルドウルフの死体を回収している間に残りも始末で来たようだ。


「申し訳ございません。途中で何だか眠くなって動きが悪くなりました。」


「シャルの方はどうだった?」


「私は、何かモアーって感じがしたけどへっちゃらだったよ。」


「ミュール、それは魔物の影魔法の攻撃だと思う。恐らくLV依存なんだと思う。ミュールには少し荷が重い階層に来ているからね、無理をさせて済まない。」


「そう言えば、影魔法スキルを持ってたわね、さっきのグレーターウルフ。」


「さっきの魔物はシャルは知ってた?」


「ギルドの資料でも読んだことない。影魔法スキル持ちだったら、それこそ特級の情報だし知らない訳ないんだけど。」


「引き連れていたのは、ワイルドウルフだったよね。ワイルドウルフの上位種なのかもしれないね。」


「流石、下層ってところね、この後どうするの?」


「初見の魔物相手に苦戦するのは仕方ないけど、対応できない訳じゃないしね。魔法も剣も十分攻撃が通るみたいだし、このまま進もうか。」


「「了解。」」


その後、俺が空間感知を広げながら、階層の地図を作製しながら、どんどん進んで行く。

オーガやオーガの上位種と思われる3スキル持ちのオーガも出てくる。

お陰で斧術というスキルと、馬鹿でかい鋼鉄斧が手に入った。

でもこんな斧使わないけどね。

統率スキルを獲得したことによってシャルやミュールに対する指示がスムーズにできるようになった。

・・・と思う。

今の所ミスはないし、シャル達からも不満は出ていない。

尤も2人から不満が出ることはないんだけど。

でもまあ、感覚的にはMMORPGで複数のギルドをまとめてレイドクエストをこなした時の様な、全体の動きが瞬間的に掴めるようになった。

統率スキルとわざわざあるぐらいだしきっと役に立ってる筈。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ