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アイテムボックスで成り上がり  作者: けんもも
第一章 建国編
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専属契約

翌日、予定通り王都に向かって、予定通り日向亭に泊った。

その前にギルド本部に俺達が戻っていることを伝言してもらった。

多分、支部で引き渡しするより、こっちで引き渡しをした方が喜ぶだろうし。

夕食後日向亭の3階の俺の部屋に行って、水晶の欠片を目立たない場所に設置した。

転移場所は、マルク迷宮入口、マルク迷宮15階、迷宮都市家1階、日向亭3階角部屋の4つが出た。

念のため家や、迷宮15階に飛んでみた。

問題ない。

部屋に戻って一人ニマニマしてしまった。


そう言えば久しぶりに一人だなーとか思ってたら、シャルがやってきた。

何と大胆な。

でもまあ俺としてもシャルと別のベッドで寝るとか考えられないなって思ってそのまま一緒のベッドで寝た。

と言っても迷宮都市の家のベッドでだけど。

最初ベッドで抱き合ったままいきなり転移したのでびっくりしたようだ。

はいその表情頂きました。

その後、詳しく説明して、再度日向亭の部屋に転移して納得してくれたようだ。

それなら自分の部屋に設置した方がいいんじゃないかって話になったけど、流石に俺がシャルの部屋から出てくるのを誰かに見られたら拙いだろうって話になって、しばらくはこの部屋に設置することになった。


翌朝、目が覚めて迷宮都市の家でのんびりした後、日向亭に戻った。

先にシャルが部屋を出て行って、朝食に食堂に降りると女将さんがニコニコしていた。

シャルもニコニコしてるしまあ大丈夫なんだろう。

朝食を運んで来た時に女将さんが、子供を作るなら早くがいいけど、今はまだ早いからね。結婚はせずに一緒にいなさい。と言われた。

昨日俺の部屋に行ったのバレタのね。


結局その後、部屋の契約は解除して、今後シャルの部屋に一緒に泊るように言われた。

部屋が無駄らしい。

まあ誰も泊らないのに部屋を空けてるのは確かに勿体ないね。

そんな訳で水晶の欠片もシャルの部屋に設置した。

初めて入ったけど、シンプルな部屋だ、広さは10畳ほどあるけどシンプルな家具が置かれているだけだ。


そんなことをしてると、冒険者ギルドから伝言が来て時間がある時にギルドに来て欲しいとのことだったので、先にすませることにした。



「ケンタ殿、まさか2人も王都に戻られるとは。予定を聞いておけばよかったですな。それで、こちらで引き取りをして頂けると言うことですが。」


「はい、ギルド長させよければ。」


「勿論です、そうして頂けるのでしたら助かります。ではあちらの方でよろしくお願いします。」


会議室みたいな場所に連れていかれて、また二人にされた。

買い取り希望の物はリストを貰っているので、どんどん出していく。

しばらくすると、ギルマスと鑑定持ちのスタッフが白金貨を含めた金貨を乗せたトレイを持ってやってきた。



鑑定が終わって、支払いも完了した。

今回ビッグアントの甲殻がたっぷりあったのでギルドとしても大喜びだっただろうな。

これだけ運ぶとなると手間だったに違いない。


「ところで、王都内で腕のいい鍛冶師と言えばどなたでしょうか?」


「そうですね、王都にも何人かいますけど、武器関係では、迷宮都市にいる鍛冶師が一番でしょうな。ただ酷く偏屈なところがあって、気に入った物しか作らないんですけどな。防具でしたら、ギルドの2階のミントさんが腕はいいですよ、ただ過去に大きな取引に失敗して一度工房を潰したんですけどね。我々が引き取ってうちのスペースを使って貰っているんですよ。」


「ミントさんですか、たしかに素晴らしい腕ですよね。情報ありがとうございます。」


その後ギルドの2階に顔を出した。

ここも随分品揃えがよくなった気がする、買い物する冒険者も増えてるな。


「おや、また戻ってきたのかい?何かあったのかい?」


「迷宮内でいろいろ手に入ったんで、またいろいろ作成をお願いしようかと思いまして。」


「今度はどんなものを手に入れたんだい?」


店の奥の方で、シャルのアドバイスを受けながら、防具の素材になりそうなものを取り出してみた。

中でもオーガの皮については即買い取りが決まった。

タイタンの皮については絶句状態だ。


「こりゃ、これは、S級素材じゃないかね。ブラックタランチュアの糸にもびっくりしたけど、こいつは魂消た。扱ってみたいけど、うちでは無理だね。これを加工するのに、専用の針と鋏を用意しないといけないし、糸はブラックタランチュアの糸を使うとしても、とてもじゃないけど扱えないね。ドワーフの里に行けば扱える鍛冶師がいるかもしれないよ。恐らく王国連合内、アミラス王国でも無理だねー。」


「そんなに凄いんですか?」


「そりゃそうだよ。こいつはミスリルのフルアーマーと同等ほどの強度があるんだからね。皮防具としては特級品だよ。魔法耐性がつく素材はアタシが知る限りはこいつ以外は知らないね。」


「そうですか解りました、いつか縁があればドワーフの里に行ってみます。とことで俺達に会うパンツやシャツなど一通り見せてもらえませんか?」


「何だい?装備をかえるのかい?まあ上級冒険者になったし、物理耐性だけじゃなくて多少魔法抵抗のあるものがいいかねー。」


「サイズは多少伸縮するからね、2人とも標準体形だし、この辺りで問題ないよ。」


そう言って、いろんなタイプの防具を出して貰った、ブーツも短めのやつとか、シャル用にキャロットスカートタイプの物とかも出して貰った。あと、ブラックタランチュアのインナーもいろいろ出して貰った。


「取り敢えず、一通り貰っていきます。相手によっていろいろ変えることもありますし、頻繁には来れないですし。素材買い取りとの物々交換でいいですか?」


「いや現金を出さなくていいならアタシは助かるけど、買い取り額の方が多いよ。オーガの皮は丸ごとだし、これだけでおつりが出ちゃうよ。」


「いえ、素材を俺が持ってても仕方ないので、これを使っていろいろ作って下さい。ブラックタランチュアの糸とかビッグアントの甲殻はたくさんありますよ。こっちはギルドにも大量に下したんですけどね。」


「そうかい。じゃあ王宮にでも売る気だろうね。アタシの方にも作成依頼が来るかもしれないね。しばらくは王都中の鍛冶職人は大忙しだろうね。そいじゃあ、注文が来る前に私がいくつか作っておこうかね。」


「では10体分ほど置いておきますか?」


「そんなに使わないよ。2体分もあればいろいろ出来る。それにアタシはこのオーガの皮の方をいろいろ弄りたいしね。」


無事、物々交換が終わって今度は奴隷商に向かった。

先にフランさんの所へ行こうと言ったけど午前中は寝ているらしい。

夜型人間らしい。


歩きながらアイテムボックス内で防具の分解、鍛冶レシピを増やして作ってみた。

ブラックタランチュアの防具も作れるようだ。

タイタンの皮を使った防具も作成可能だ。

作って取り出したけど問題ない感じ、肌触りはGパンみたいな感じ。

伸縮性もあるみたいだし色もブラックだし普段着ても違和感無さそう。

周囲に人がいないのを確認して迷宮都市の家に飛んだ。


「これなら、普段着で付けても違和感ないかな?」


そう言って、インナーシャツ、タイタンのパンツ、タイタンのキャロットスカート、タイタンのベスト、タイタンのロングブーツとローブーツなどを取り出した。

すぐに鑑定したシャルが、


「これって、タイタンの防具。これってドワーフの里に行かないと作成できないんじゃなかったの?」


「うん、そうらしいけど、アイテムボックスにあったからね。取り敢えず着けてみて。」


何かいいたそうだったけど、防具と言うよりカジュアルな服としてもOKだし身につけて着心地を確認して貰った。


「いい感じ。軽いし、着心地もいいよ。これ本当にフルミスリルアーマーと同じ強度があるの?」


「そうらしいね。ともかく、籠手部分も巻いて、首部分はネックアーマー付ければほとんど露出部分はないし戦闘の際の被ダメが減るんじゃないかな。」


「確かに、そうだけど。」


「まあ普段はそこまで厳重にしなくてもいいだろうけど。あとウエストポーチもこっちをつけるようにしたら安心かな。」


ウエストポーチも分解してレシピか出たのでタイタンの皮で作ってみた。


「取り敢えず、これで普段から過ごしたらいいかなー。迷宮内だけが危険って訳じゃないし。」


「そっか、そうだね。確かに私達いろんな意味で狙われる可能性があるんだね。」


「俺達の情報が絶対に漏れないとは限らないし。」


ということで今後は最低限の防御はすることにした。

まあ普段から探知は働かせてるから敵意のある気配の感知は可能なんだけどね。


「折角こっちにも戻ったから、鍛冶屋の親父さんの所に行かない?アダマンタイト見せたら拙いかな?」


「直接見せるなら大丈夫じゃないかな。ギルド長も太鼓判押すぐらいだし。」


「じゃあ、新しい武器を作って貰おうか。ついでにシャルのナイフも作って貰おう。ナイフなら普段でも持ち歩けるでしょう?」



親父さんの店は今日もお客さんはいない。

これでよくお店が続けれれてるよなー。


「こんにちは。」


「おう、兄ちゃん達か。今日はどうした。」


「先日言っていた、専属契約なんですかお願いしようと思いまして。」


「おお、決めてくれたかい。ありがたいね。それじゃあ契約内容を決めるか。」


「はい、専属契約で俺達は収得した素材を優先的にこちらに持ってくる、親父さんの方から素材回収の依頼があれば可能な限り受ける。」


「うむ。俺の方は兄さん達の武器を専属鍛冶師として最高の物を作る。武器のメンテナンスも引き受ける。」


「費用についてはどうしますか?」


「素材持ち込みで新しい武器を作る際の俺の拘束料は一日金貨1枚でどうだ。素材買い取りについてはギルド買い取り価格に準じるってことで。」


「問題ありません。」


「それじゃあ、双方の合意があるまで契約を存続すると言うことでな。」


「「はい、よろしくお願いします。」」


「それで早速何ですが、これで新しい剣、ナイフを作って欲しいのですが。」


そう言って、アダマンタイト鉱石とミスリル鉱石を取り出した。


「なっ、お前さん。これはアダマンタイト。しかもアダマント鋼と言ってもいいほど錬製されてるな。こんだけの量、国宝級の剣が打てるぞ。」


「アダマンタイトとミスリルの合金があると言うことですがご存知でしょうか?」


「勿論だ、俺が練り上げた合金だからな。アダマンタイトの硬度を保ちながらミスリルを練り込むことで驚くほど軽くなる。邪道だ何だと言うやつがいるがな。」


「是非それで剣を作って頂けませんか?」


「本当に自由にしていいんだな?」


「勿論です。」


「こんだけのアダマンタイト、白金貨10枚は下らないぞ。いや倍の20枚ですら買えないかもしれんな。」


「問題ありません、是非」


「よし、そこまでいわれちゃ引けねえな。剣は前のでいいか?お譲ちゃんは双剣か?ナイフはどうする?」


「こんな感じで普段持ち歩けるような物で。」


「よし、そいつを2本打ってやる。それでもまだ余ると思うが。」


「余った分は」


「いや、貰えねえぞ。専属契約してるんでな。余った分は返す。その代わり、今回の作成は10日、15日は欲しいな。あと合金作るとなると特殊な素材が必要なんだか、そいつが手に入るかどうか。」


「必要な素材は何です?」


「ああ、岩トカゲの目玉って言ってな、ちょいとレアな素材なんだ。商業組合で在庫があればいいが。」


「えっと。これでいいですか?」


そう言って、岩トカゲの目玉を出してみた。


「おうこれだ。お前さん何者だよ。ただのB級冒険者が持ってるような素材じゃねえな。まあ、こんなアダマンタイト持ってる時点で異常だけどよ。」


「あー俺達A級に昇級しました。だけどこれは秘密です。目立ちたくないのでギルドにも公表しないように言ってます。」


「A級だー?この前B級に上がったって言ってなかったか?」


「ええまあ、迷宮に潜っていろいろ素材を集めたんですよ。」


「なるほどなー。それなら納得だ。すると俺はA級冒険者2人の専属鍛冶師ってことかい?そいつは名誉なことだなぁー。」


「ともかく、岩トカゲの目玉があるなら簡単だ、そうだな4日もあれば問題ない。」


「ありがとうございます。では今回は親父さんの独自の技を使って貰う訳ですから、一日当たりの拘束料金貨3枚でどうでしょうか?親父さんの独自の技術代としては引き合わないでしょうけど。」


「何言ってやがる。そうかい。俺の技術代に支払ってくれるかい。ありがたいね。それじゃあ、今回はその条件で受けさせて貰うぜ。」


その後、店を出てすぐに王都のシャルの部屋の飛んだ。


「何かケンタといると金銭感覚がおかしくなりそう。」


「まあ、今回、迷宮の素材でたくさん儲けたしね。それに下層に向かうに当たって準備は万全にしておきたいしね。」


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