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アイテムボックスで成り上がり  作者: けんもも
第一章 建国編
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いざ迷宮探索

翌朝目が覚めて食堂に行くと山の様な料理が準備されていた。

俺のアイテムボックスに何か秘密があるって分かっている女将さんが、迷宮都市に行っても食事に困らないように、いろいろ作ってくれたようだ。

徹夜したんじゃないかな。妙にハイテンションだし。

女将さんとしては3ヶ月分の宿代替わりのつもりなんだろうと思う。

俺も相手もボックスに入れていた、ボアーの肉とか、ホーンラビットの肉とか出してあげた。

最近は焼き肉が認知されていて、肉の消費が激しいからね、これだけあってもすぐに使いきってしまうだろうな。

まあ大量に上げても食品倉庫にはいらないし持っている分全部出す訳にはいかない。これは仕方ない。


女将さん達に見送られ、乗合馬車に乗って迷宮都市に向かった。

冒険者も一組いたけど、俺の隣にいるのがいつもギルドの受付に座っているシャルさんだとは気がつかないようだ。

無理もない。男装の麗人みたいだし。


乗合馬車での移動は快調だ。

馬車で一日と言うのはその日の夜に着くみたいだ。

途中で野宿でもするのかと思ったけど。

もっとも途中で魔物の襲撃とか、盗賊の襲撃があることもあるらしい。

そう言う場合には、本当に野宿で一泊するそうだ。




ともかく、朝早くにマルク王国の王都を出て、その日の夜中迷宮都市に着いた。


「じゃあ、宿を探しましょうか。シャルさんはどこかご存知の場所とかありますか?」


「詳しくは。でも迷宮都市探索に来ている冒険者用の宿がいくつかあると言うことですし。」


冒険者ギルドの支部のある通りにあった、宿屋に入ってみた。


「こんばんは。部屋をとりたいんですけど。」


「ああ、一部屋なら空いてるよ。どうするね?」


「えっと、二部屋はないですか?一部屋は狭くても構わないですけど。」


「最近、迷宮探索者が増えてね、どこもいっぱいだよ。アミラス王国が勇者召喚してから、あいつらが主だった迷宮を独占してしまってな。あぶれた迷宮探索者が周辺の迷宮に移ってきてるんだよ。しばらくはこんな感じだよ。今夜は予約してた客が戻らないことが解ったからね。ちょど空いてるんだよ。」


「ケンタさん、一緒の部屋でも構いませんよ。」


「ん?後ろの人は女性かい?男だと思ったよ。そいつは失礼した。そうするとどうするね。一人だけ泊るかね?まあ、泊った方と同性が来たら相部屋して貰うことになるけどね。今はどこも一杯だし。」


「じゃあ、一部屋でお願いします。料金は?」


「朝食付きで一泊銀貨3枚。あんた達は2人で銀貨5枚でいいよ。」


「ありがとうございます。取り敢えず、20日分お願いします。」


面倒なので金貨1枚分だけ予約した。


「あいよ。でもいいのかい。迷宮探索者は3日分ずつ予約するのが普通だよ。どうなるか解らないからね。特に最近、上層では魔物が少なくて皆深く潜ってるみたいだし。」



部屋の鍵を貰って、部屋に入ると、ツインルームだ。

ユニットバスとトイレも付いてるし、テーブルもあるしね。


「えっと、よかったかな、一緒の部屋で。」


「私の方は問題ないですよ。ケンタさんが嫌じゃなければ。」


「いやいや、シャルさんと一緒の部屋で嫌とかないですよ。寧ろ嬉しいです。ずっと一緒にいられるし。」


「えっ、嬉しいんですか?えっと、ありがとうございます。私も嬉しいです。」


なんかぎこちなくなったけど、気分転換で


「それじゃあ、どうします?何か食べに行きますか?身体を動かしたいなら迷宮に入ってみるのもいいですし。食べ物はたっぷりあるからここで食べてもいいですよ。」


「一日馬車に乗ってるだけでしたからね。全然疲れてないですし、馬車で寝てたから眠くもないですし迷宮に行ってみませんか?24時間開いていて、むしろ夜の方が人が多いそうですよ。」


「ですね。じゃあ、行きましょうか。準備はいいですか?不要な物は俺の方で預かっておきますから、着替えて下さいね。アイテムボックスには、これを入れといて下さい。」


そう言って、中級回復ポーションと毒消し薬を渡しといた。ウエストポーチにも何本か入れているけどこう言うのはいくつ持っててもいいものだし。


「ケンタさん。中級魔法薬1本で金貨2枚ですよ。これだけで凄い財産ですけど。」


「ウエストポーチには初級回復ポーション入れて貰ってるでしょう?でも中級の方が安心ですし。残念ながら上級回復ポーションは持ってないんですけど。」


「当たり前ですよ、上級回復ポーションだと金貨40枚はしますよ。腕の欠損でも治癒できるそうですし。正教会の司祭の秘儀と同じ効果らしいですよ。庶民には縁のないものです。」


「そう言うのってギルドにも売ってないんですか?」


「保管庫に数本は保管されてると思いますけど、一般職員は立ち入れない区画ですからね。見たことないです。っていうか、最近ケンタさんが中級魔法薬をギルドに売ってくれるので、2階の調合屋でも転売で売り出してますよ。中級ポーションは調合師にとって一流の証ですからね。多分、ギルド内販売所で初級回復ポーションを普通に販売している冒険者ギルドはうちぐらいですよ。今回もケンタさんと一緒だから、こんな出張扱いみたいな長期休暇が取れたんだと思います。」


「そうなんですか?あんまり実感ないですけど、俺ってギルドで注目されてます?」


「注目どころじゃないですよ。要チェック。赤丸急上昇です。先輩にケンタさんの担当を代わってくれって何度も言われますし。」


「担当を代わるといことがあるんですか?」


「多少は、いや随分とありますよ。私たちの給料は少しだけ歩合給みたいなものが入りますし。買い取り額のうち担当者にも還元されるんですよ。」


「そう言うこと俺に言ってもいいんですか?」


「ケンタさんですからね。隠しごとしたくないですし。知っても変わることないでしょう?」


「高評価いただいているようでありがとうございます。まあシャルさん以外の担当とか考えたことないですけどね。シャルさんがいない時には男性の受付に行きますし。」


そんな話をしながら歩いていたら迷宮の入り口に到着した。入場料は銀貨1枚。誰でも自由には入れるらしい。


地図はシャルさんがギルド経由で手に入れている。

現在地下7階まで攻略できているらしい。

地下5階までが上層。

地下6階から地下15階までが中層。

地下15階以降が下層。


尤もこの分け方は、この大陸でもっとも古い迷宮と同じだろうと言うことで分類されているに過ぎない。

上層と中層ではその魔物に大きな違いが出てきて、基本中層以降はパーティーで臨むのが望ましいとされている。

またB級以降に必要な素材は中層以降の魔物からしか出ない。

従って、俺達の目標は早い時期に地下5階に到達して、出来ればB級素材を確保できるようにしておきたいと言うのが大まかな探索方針だ。

尤も迷宮は入り口は狭いけど中は10キロ四方にも渡る広大な領域らしいから、探索するのも一苦労だ。


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