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アイテムボックスで成り上がり  作者: けんもも
第一章 建国編
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C級昇格

夕方、と言ってもまだ日は十分に明るいけど、俺の腕時計ではすでに17時を回っている。ちなみにこの腕時計初任給で買ったかなりいい奴だ、ソーラー電池だし、100メートル防水。ちなみにスマホは転移の際に消えていた。ボールペンもある。お金は財布を持っていたけどそれらは全部なかった。転移の際に持ち込めた基準がよくわからない。まああの神様だしな。いや、いいスキルをくれたしきっといい神様だな。


冒険者ギルドに行くと、シャルさんがいた。他の場所は混んでるけど、シャルさんの所は割と空いている、獣人族の冒険者だけだな並んでるの。俺の番になった。


「こんにちは、シャルさん。」


「あら、ケンタさん。どうしたんですか?薬草集まったんですか?」


「ええ、無事に。それで薬草は10束ずつ渡した方がいいんですか?」


「そうですね。一度に10束で、討伐完了1回にカウントされますから、余った分はアイテムボックスに入れておけば鮮度は落ちないし後日集まった時に出した方がいいですよ。」


「えっと、ちなみにF級は何回で進級するんでしょうか?」


「Fは10回。Eは30回。Dは50回ですよ。」


「ちなみに、薬草の討伐はFだけですよね?」


「そうですよ。薬草はFだけですね。あっ、毒草も見つけちゃいました?そしたらラッキーですよ。毒草と痺れ草は、E級の方でカウントされますよ。両方とも、3束で一回の完了です。」


「えっと、一度に薬草を大量に出した場合には?」


「その場合には10束で1回のカウントですから、20束あれば2回。100束あれば一度でE級昇格ですよ。ふふふ。」


「えっと、物はこちらに出せばいいんでしょうか?」


「この横のトレイにお願いします。」


空港の出発カウンターみたいにカウンターに空いている場所に出すようだ。まあ他の人がやってるから知ってるけど、俺としては動きをごまかすためにやったんだけどね。


「では、これだけお願いします。あと冒険者カードも。」


後ろに並んでいる人もいないし、シャルさんもどれどれって感じで俺が出した物を見つめた。まあ、薬草10束程度なら本来目の前のカウンターの上におけばいいんだしね。


「えっと、ケンタさん。これは前から集めてたんですか?」


「いえ、お昼を宿で食べて出かけたので、4時間ぐらいですかね。実際に採集したのは3時間ほどですけど。」


「ケンタさん。森に入らないように言いましたよね?」


「えっと、魔物と戦わないようにと言うことだったのでは?」


「いいえ。森の中には入らないようにお伝えした筈ですよ。これだけの数を採集したってことはかなり森の中に入って群生地でも見つけた筈ですよ。」


「えっと、はい。なんかたくさん生えてたので、でもちゃんと間引きしてきましたよ。」


「はー、分かりました。しかし、綺麗に根まで採集してありますね。土もきちんと落として状態は完璧ですよ。不良品はないようです。一応確認しますね。それと、こっちは毒草と痺れ草ですか。そうですか、どんだけ広い群生地に行ったんですか。まさか、魔物と戦ったとかないですよね?でもこれだけの群生地なら魔素が濃い筈です。ビッグボアーがいたんじゃないですか?いや、ビッグボアーはD級とはいえ、ソロで倒すにはかなりの強敵です。」


「えっと、一応ボアーは倒してしまったんですけど、拙かったですかね?」


「な、怪我はしてないですか?討伐部位はどうしました?お教えしてなかった筈ですが。倒したばかりなら今から行けばまだ間に合う?いいえもう他の魔物に食い散らかされてますね。」


「えっと、ちなみに、ボアーの討伐部位ってどこなんですか?」


「ボアーの牙が討伐部位ですよ。」


「えっとこれでしょうか?」


「なんですか。ボアーじゃなくてビッグボアーじゃないですか。えっとこれはどうしたらいいんでしょう。まず、こっちの採集で、毒草と痺れ草全部で90束。もしかして薬草をもっと刈ってますね。同じ割合で生えてることはないですからね。まあいいです。取り敢えず、これで先に、D級へ昇格ですね。その上で、C級討伐対象のビッグボアー討伐でD級10回分。ちなみに肝臓とか取ってないですよね?ビッグボアーの場合には2つが討伐回数にカウントされるんですけど。ただ肝臓はダメージがあると評価が下がりますけど。」


「えっと、これでいいですか?」


「完璧です。ケンタさん動物の解体とかされてたんですか?仕事が大変丁寧です。評価は最上級ですね。いずれにせよ、これでD級20回分までOKですよ。残り30回でD級から昇級できますよ。群生地に毒草か痺れ草が残ってればよかったんですけどね。」


「えっと、全部で90束ありますけど。」


「どんだけ刈ってきたんですか。しかも処理も完璧。問題ありません。ちょっとお待ち下さいね。」


そう言って、シャルさんは荷物を何度かに分けて奥に運んで、10分ほどして出てきた。


「じゃあ、これがC級の銀プレートになります。スキルホルダーでもないのに登録初日にC級になったのはケンタさんがはじめですよ。」


「いや、だから、アイテムボックススキルを持っていると言ったじゃないですか。」


「はいはい。確かにアイテムボックスの使い方が上手みたいですね。あれだけのアイテムをどうやって保持していたのか教えて頂きたいところですが、それは重要な契約違反ですからね。それに、私にはケンタさんのスキルがないことは見えてますからね。」


「見えてる?あーもしかして鑑定スキル持ちですか?」


「ええ、そうです。でもこれは極秘ですよ。ギルドの中でもこのことを知っている人は少ないんですからね。このスキルがあるから、猫族の私でもここで受付とか高級職に就けているんですけどね。


「了解しました。誰にも言いません。それでお肉とかも換金した方がいいんですか?」


「ビッグボアーの肉は高級食材ですからね換金してもいいですし、街の食堂ならどこででも喜んで買い取りしてくれますよ、ギルドよりも高額で。」


「いいんですか、そんな話俺に言って。」


「問題ありません。ケンタさんですから。取り敢えず、今回の換金です。薬草が100束で銀貨100枚。毒草が90束で銀貨180枚。痺れ草が90束で銀貨180枚。ビッグボアーの牙が金貨1枚。ビッグボアーの肝臓が最高の評価だったようで金貨2枚。合計で金貨7枚と銀貨60枚になります。周りの目がありますので、こちらの袋に入れてます。ここで数えなおしてもいいですが、と言うか本来はきちんと数えて頂きたいのですが、私を信用して頂けるならそのままお持ち下さいね。やはり新人の方が大金を手にするといろいろ目立ちますから。」


「お気遣いありがとうございます。ではこのまま頂きますね。」


シャルさんの列に並ぶ人は少ないってこともあるし、カウンターの中央で上手いこと空白地みたいになっていてあんまり目立たずギルドを後にできたと思う。



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