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3月の太陽の下での出会いとお菓子  作者: 球磨川 キノ
3/5

第1話

僕の中学時代など見るに絶えないものだった。

中学時代は、いわゆる‘孤立‘というもの経験した。

小学時代は普通の子供だったのに、なぜ、中学で孤立したのかはわからない。

 一人でいる時が大半だった僕にも、一応多少仲の良いクラスメイトもいた。彼らを‘友達‘というカテゴリに入れるべきなのか、とにかく悩んだこともあった。

 単純に僕の不登校前の学校生活は……


 特に何もない中学時代だった。


おかげで、人間不信にもなりかけたこともあった。

でも、今は……。




 暇ができればお菓子を作る僕だ。いつ、材料がなくなってもおかしくはない。 そう、思っていたけれど、突如、無くなったとなったら買いに行くしかない。だからわざわざ、家から歩いて数十分かかる大きなスーパーに足を運ばなければならない。

 そして今日、出会った……。

 僕はいつものようにホットケーキミックス粉を手に取ろうとした。ホットケーキミックス粉は色々なお菓子の材料になるからお得だ。

目の前には、残り一つのホットケーキミックス粉と女性の手が目に入った。急に出てきた手に自分の伸ばした手が当たる。

 「あっ……す、すみません」

 「あら、ごめんなさい」

 同時に謝っていた。目の前には二十代前半と思われる女性がいた。

 「どうぞ」その女性は、ホットケーキミックス粉を手に取り、僕に差し出してきた。僕はあまりにも突然の出来事にどう対処したら良いのか分からなかった。

 「えっ!? い、いえ、いいですホットケーキミックス粉は諦めますから」

 最後の一袋が目の前の女性の手の上にあることがはっきりと分かった。

 「何か作る予定でもあったのですか?」と女性が、僕に問いかけてきた。

 「へ?」

 僕は訳も分からず、無意識に変な声を出したいた。

 「えぇっと、……ホットケーキです」

 「それは良かった! 私もホットケーキを作る予定だったの」

 さいで。

 「実は、娘たちがねぇ、あのパッケージみたいなのを食べたいってずっと言ってたのだけれど、あんなにきれいに作れなくて……。ねぇ! あんな感じに作れないかしら?」

 …………

 「……えぇまぁ、作れることは作れます」

 「ホント!? じゃぁ、お願いできないかしら。私の家ここの近くなの」

 …………

 「えっと……」

 「あっ、ごめんなさい。それとも、何か用事があった?」

 「いえ、別にこれといっては」

 「じゃぁ、お願い!」

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