最終話
僕は顔を上げ、必死に状況を理解しようとした。
息子と手をつないだ彼女と、あの女が並んで立っていた。
彼女に
「どういうことだ?」
と尋ねると、あの女が話し始めた。
彼女は好きな人がいて、僕と別れたかった。しかし僕が許すはずがないので僕を消そうと考えた。彼女は幼なじみだったあの女に、僕と深い仲になって、その証拠の写真を撮って欲しいと依頼した。それを餌にして息子を誘拐したように見せかけ、僕をおびき寄せ、消す。
要約するとそんなところだ。
僕ははめられたのだ。
家にカメラも仕掛けられていたらしい。
あの女が近づいてきて、手にはナイフが握られている。
最後に言うことは?と尋ねられたが僕は何も答えなかった。
ナイフは上から僕の方に向かってきた。僕は目を閉じる。
腹に当たるも、痛みは全くない。
その瞬間倉庫の入り口から、神父と思わしき格好をした人を先頭に、僕の知り合いが続々と入ってくる。
またも状況がつかめない僕に、数え切れないくらいのクラッカーの音と火薬の臭いが襲った。
彼女が駆け寄ってきて、僕にキスをする。
「結婚しようか?」
と言われた。
そして、あることに気が付かなかった倉庫の天井のくす玉が割れる。
「サプライズプロポーズ大成功」
完。




