表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星訪ねの旅人  作者: ささがき
第1章 旅立ち
5/7

第5話 便利屋コンビ、アロウとリル

「全国便利屋事業者協会・東方支部のクロード・バルクロフトと申します。いわゆる冒険者組織の者です。こちらは秘書のメアリ・アルモニア」

 そう言って初老の紳士クロード氏はアリシアに名刺を差し出した。隣で秘書のメアリが会釈する。

 慌ててアリシアも胸ポケットから名刺を取り出した。

「あっ、ウィルノー魔導進学塾のアリシア・ヒューストンです」

 それぞれが名刺交換をしている間に、アロウが隣のテーブルから椅子を持ってきてセッティングしている。

 大人が増えてなんとなく居心地の悪いミラに、リルが「アロウの上司、つまりお偉いさんだよ」と説明した。

 全員が席についたものの、突然現れた第三者には、ミラだけではなくアリシアも戸惑いの色を隠せない。

 頭の隅をよぎったのは、最近話題となっていた「困っている人間に業者を装い、法外な金額をだまし取る劇場型詐欺」のニュースだった。

「よろしければ協会の窓口へ通信していただいて結構ですよ」

 クロードが見透かしたように苦笑して告げる。

 アリシアは「…では念の為、失礼します」と通信端末を取り出す。

 生徒を預かっている以上、慎重に動かなければならない。

 と、その時アリシアの端末が振動して着信音が鳴り響いた。

 端末の画面を見ると、アリシアは表情を変えて急いで端末を操作し始める。

「…これは」

 表示されていたのは、塾本部からの指示。

 タイトルは『便利屋事業者協会との契約締結、およびミラ・ストレイフォードの移送について』となっている。

 送信元は確かに自社の本部で間違いなかった。

 一通り内容を確認して、アリシアはクロードに深く頭を下げた。

「失礼いたしました。本部からの連絡で確認が取れました。ミラさんを試験会場まで送っていただけるということですね?」

「そうです。彼、アロウは東方支部所属のエージェントです。個人契約で送り届けることも可能ですが…」

 そう言ってアロウの方を示す。

「親御さんへのご説明も必要でしょうから、一旦協会を通しての契約としたいと、彼から申し出がありました。」

 アリシアの視線を受けて、アロウは軽く会釈する。

 …もしかして、警備室で通信端末をいじっていたのはこのためだったのだろうか。

 外見だけで「怖い人かも」と決めつけていたことを思い出し、アリシアは頬が熱くなるのを感じた。

 それに、怖いと思ったあの頬の傷は、仕事で負った傷なのだろう。

 いたたまれない気持ちがこみ上げてくる。

「彼は現在では珍しい、剣を主体に戦う《ブレードフェンサー》です。今回のような護衛任務では特に力を発揮してくれます。ご安心を」

「あれ、リルさんは?行かないの?」

 クロードの説明にリルの名前が出てこないのが気になって、ミラは隣に座るリルを不安そうに見上げる。

 リルはというと、さっき使ったメモ用紙で紙飛行機を折っていた。気ままなその振る舞いにミラはもうすっかり馴染んでいた。

「リル君はフリーの魔術師でね、アロウ君のパートナーだ。仕事仲間なので一緒に行ってくれるそうだよ」

 クロードの説明に、メアリが付け加える。

「彼は火魔法の上位免許所持者です。実力は折り紙付きですよ。」

「すごい」とアリシアが呟き、ミラはほっとしたようにうなずいた。

「よろしくね〜」

 隣のリルが気楽な調子で手を振ってくる。

 これからアロウとリルも加わって、みんなで一緒に旅に出るのだ。

 いったいどんな旅になるんだろう?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ