オープニング 4 邂逅?!
大きな貯水池から運ばれて置かれた場所が(台所では?)と感じ、貯水池だと感じた場所はひょっとして(湯船?)と思った時…
もしかしてここは私の記憶にある前世では?と脳裏によぎった瞬間……
あの超巨人はハッキリとこう言った…『はい、石上です』…と…
【日本語で!!!】
「クレア。議事録用端末貸して貰える?」
そう言われてクレアが鍵付収納引出から議事録用端末を取り出し手渡してくれた。
私はそれに《筆談求む!》と書いた...日本語で!!
それを覗き見たクレアが
「見た事無い…文字ですか?」
と聞いてきたが
「後で説明するわ。」
と手短に答え石上と名乗った超巨人が戻って来るのを待った。
虫眼鏡を手に船の観察をしようと覗いてみれば…
《筆談求む》
思わず声に出してしまい慌てて口を閉じて覗き込むと……メチャ睨まれてる……
取りあえず固定電話横にあるメモとボールペンを取り〈これで良いか?〉と書いて見せて見ると…
《デカすぎて読めない!もっと小さく!》
と返事が……
気のせいかな‥なんか怒ってなくね?
(声も文字も何もかもデカいのよ!!)
ちょっと苛つきながら超巨人とやり取りし始めた私に「どうぞ...」とクレアが怖ず怖ずと薬草茶を差し出して来た。
「ごめん...アリガトね...」
クレアのおかげで落ち着きを取り戻し再び超巨人に視線をやると
〈これで良いかな?〉
と書かれた文字以上に小さくなったように見える(実際やや離れたからだろう)石上がそこに居た。
私が《OK。私の名前はセシルです》と書いた端末を持ちながら「さっさとルーペ持って近寄りなさいよ」と呟いたら…皆が笑った。
もう誰も恐がって居ないようで私はほっと胸を撫で下ろした。




