オープニング 2 見知らぬ玩具?
…トッ…プン!
風呂場の前を横切ろうとしたら水音がした。
水滴にしては音が大きかったような...
何故か無性に気になったので湯船を見て見ると...
玩具の船が浮いていた。
(こんなの買ってないし窓も開いてないのに何処から?)
疑問に思い手に取ろうとして......止めた。
近づいて判ったが細部が凄い!!!
まるで本物があるとすればそのまま小さくなったようだがそれだと何千、いや万分の一いくのか?
見てるのは船?
(良く見るとゲームに出てくる飛空艇を近代化した感じでスゲーかっこいい♪)
比べるのが人じゃない為縮尺は分からないが、かなり気をつけないと間違いなく壊す事は理解した。
風呂桶を手に取りゆっくり波立たぬよう掬い、揺らさぬよう流し台に優しく置く。
細部をじっくり見たい俺は虫眼鏡を取りに自室に向かった。
突風に艇体が揺れた。
何事かと周囲を見渡すと常軌を逸したモノが現れた!
それは大きな風圧と振動を伴いながら恐ろしい事に手を伸ばしてきた!!!
(転覆する…)
そう思いながら指示も間に合わず思わず目を瞑り...衝撃が来ないのを不思議に思い目を開けると…
有り得ない大きさの超巨人が洗桶のような物で、静かに魔導強襲戦艇を掬おうとしているように見えた。
『総員衝撃に備えよ!!!』
緊急艇内放送で呼び掛け自身も衝撃に備える…
スアァァーー−−−…
超巨人が今度は丁寧にこちらを扱おうとしているように見えた……
そのまま移動するようだが
(何処まで連れて行かれるのか?)
と思っていたらすぐに終わり、やや暗い所に置かれたようだ。
その後超巨人は大気を震わせながら何処かへ消えた。
「艇内放送頼む」
第二配備に移行するようクレアに伝え台所と思われる室内に目をやる。
(体感四千〜六千倍かな?あの超巨人にしたらこの戦艇は玩具に見えただろうに丁寧に扱った...)
それは優しさなのか?それとも〈研究対象〉として何処かに提出されるのか...
そんな事を考えていたら先程より少し大きな衝撃と興奮を宿した眼を伴いながら、手に巨大な拡大鏡を持って帰って来た!!!
異世界人の大きさは約五千分の一で戦艇は23cm程です。




