23話 この世に神は居なかった?!
「やっぱあの女なの?!そうなんでしょ!?全く!人の好意に付け込んで!?」
「いや、違うから...思いがけないところで感謝されて、思わず嬉し泣きしちゃったんだ」
見当違いでご立腹なさお姉を宥めつつ、俺はリアによって自己肯定感が上がった事を伝える。
すると、さお姉は一緒に喜んでくれた後リアについて聞いてきた。
俺は今手掛けている小説の内容が、そのままセシルたちの伝記のようなモノだと告げると
「そう言えば、さっき言ってたわねぇ...歳をとらないホムンクルスだったっけ?」
「そうそう」『どうやら本当に我等の事が日本に来る前からセシルを通じて、石上に伝わっておったようだのう』
さお姉が先程チラッと俺が言った事を思い出し、ついでにリアの事も覚えていたようで小説の内容を交えて聞いてくる。
俺がそれに答えるとリアがさお姉の言葉を聞き、改めて俺が夢を通じてセシルのこれまでを追体験していた事を認識したようだ。
だがリアと念話している時に俺のリアクションを見て、度々さお姉が話しかけてくるのは面倒だなと思っていると
『かまわんぞ。どうせ暇じゃしの』
また俺の思考を読んでリアが先回りしてきた。だが俺は先程の事もあり、今はもうリアの事を面倒だとか便利だとか思うよりも...
只々嬉しいという感情が勝り、寧ろ楽しくなってきた。だが
『ずっとセシルからは疎まれてきたからのう...石上のその感情は、我にとって今まで受け取ったどんな供物よりも嬉しく思うぞ』
供物?リアの言った言葉に俺は理解が追いつかず、思考停止してしまう。すると
「みっくん?!どうしたの?」『我は精霊じゃぞ?お主らから見ても神のような存在なのであろ?』
さお姉が俺の目の前で手をかざしフリフリするがそれどころではない。
驚きすぎて目を見開き息をするのも忘れていると
『日本では八百万の神々がおるのであろ?ソレは精霊信仰と何が違うのじゃ?』
「嗚呼!?そういう事か!」「ひゃう!?」
リアの言葉に驚いて思わず大きな声とともにテーブルを叩いてしまい、さお姉を驚かせてしまう。
だが神道の在り方が精霊の存在と重なると...そう思った瞬間
「神様?」『呆れるでない!?先程の感謝は何処へいったのじゃ!』「ど、何処に?!」
俺のこぼした疑念(リア=神様)にリアは憤慨し、さお姉はまたもや見当違いでキョロキョロしている。
『まぁ石上としてはそうなるじゃろうの...精霊じゃと納得出来るのに神じゃと大袈裟だと思うのは、お主が【神】と言う言葉に2つの概念を抱いておるからじゃな。我とセシルが人間のようにやり取りしている事にも起因するじゃろうし...後はまぁ、【ライトノベル】とかいう存在のせいでもあるかの?』
俺がまたもリアの感情を読む能力に感嘆していると、リアはワザとおどけるように答えた。
『実際に神というものを思い描く場合、お主の考える西洋の神と精霊が一致しないのは当然じゃ。そもそも別物であるからの。そして精霊と八百万の神々が同じと言った時、お主は得心を得たのじゃろ?ソレが正解じゃ。何故なら』
そこで一拍置き
『第3位階から第13位階まで、何処にも神などおらんからの』
リアが言った一言に俺は驚きを禁じ得なかったが、同時に物凄く納得も出来ると感じたのも事実だった。
だだ...第1位階と第2位階に触れていない事に俺が言及しようとすると
『予想はついておるのじゃろ?』
と悪戯めいた口調でリアが言った。なので俺はその予想を思い描てみる。
『まぁ大体正解じゃ』
案の定、というやつに俺もほくそ笑んだ。ウンウン頷く俺にさお姉がしびれを切らし、肩を掴んで揺さぶってきた。
「ねぇ!?お姉ちゃんが置いてけぼりなんだよ?!せめて声に出して頂戴!!」
俺はさお姉のもっともな意見を聞き入れ、リアとのやり取りをかいつまんで説明した。
神々がこの世に居ない事、第2位階以上にいて世界そのものに干渉してこないであろう事、そして...
第4位階以下の世界では、意志ある精霊が神のフリをしている事等...
『ちょっと待つが良い!神の代行は必要な時もあるのじゃぞ!?特に下の位階に行けば行く程不安定じゃからの?!』
ソレに合わせてリアは精霊が世界そのものだと言っても過言では無い事、下位階では常時顕現し神として王の職務までこなさねば世界の秩序が維持出来ない事もあるとまで言ってくる始末だ。
俺はソレを聞いてよくあるライトノベルの設定だと考えていると
『否定は出来んのう』
リアが苦笑いしているのが感じ取れた。
「みっくん?!本当の事でもあんまりフザケた解釈してると、神様から天罰が下ったりしないの?」
『...ほ〜う?』「な、何だよ...」「あるの?」
リアから不穏な気配を感じ俺がソレを表情に出してしまうと、さお姉がギョッとしてコチラを見ながら身を引いていく。
『ぷっ!?心配せんでも突然話しかける以外に、我がお主に何かする事などないわい。我はな...』
含みのある言い方に俺は思い付いた事を口にする。
「あ〜ソレは...セシルに...あと、耕助さんなら出来るって事だな」『まぁそうじゃの♪』
「なるほど〜...それだと、私に神罰は下らないって事ね♪」
俺とリアのやり取りで良くそこまで理解し、自分に都合の良い解釈が出来るなと思いさお姉を見てると
『我がそやつに天罰を与えんでも、(取り巻きからの)人罰は下るのじゃろ?』
「ぶっ!?確かに」「???」
リアが的確にさお姉の環境を見抜き思わずウケてしまった。流石にこの程度の情報では何事か分からないだろう義姉に、俺が何で吹き出したか説明すると
「ひどぉ〜い!何で分かるの?!」『クレアのおかげじゃの?』
「クレアってのが居たろ?さお姉と似てるらしいよ」「またクレアかぁ〜」
さお姉はリアの見解に不満を漏らすも、その原因がクレアと知り頭を抱えた。だが俺はさお姉がクレアを小説とは別に知っているように感じ
「ひょっとしてセシルから何か聞いた?」
「クレアってのが私に似てるって...後もう一人サリアってのも私に似てるらしいわ」
聞いてみたら...セシルがさお姉をおちょくったみたいだ。
「まぁ...思ってたより仲良くヤッてるみたいで良かったよ」
「なんか仲良くヤッてるの意味が違う気がするんですけどぉ」
不毛なやり取りを終えるべく、俺は思いがけず始まった休憩を打ち切る為立ち上がる。
「さお姉?そろそろ続きをやろうか」
「へいへい、分かりましたよ〜」
気の無いさお姉の返事を聞きながら、ふと思い出した事をリアに聞くと
『あぁアレはもう解決したぞぇ♪』
と言ってきた。
結局...リアが俺にしたかった、セシルに内緒の話とは何だったのだろうか?
疑問に思うもリアは答えず、言葉を濁し記憶の定着をするべく精霊核へと帰ってしまった。
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