21話 半魚人疑惑?
『ふぅ。やっと解放された』『されてねぇ...』『寝るわ』
白々しい演技をする耕助さんに抗議の声を上げるも、コチラに興味ないセシルがバッサリ切ってきた。
『そうだね。僕も眠いかな』『待て待て待て待て!』『うっさい!』
ダメだ。いい加減現実に対応しないと身体の方が保たない。俺は意識を自身に向ける事にした。
「く、苦しい。義姉さん...止めて...」
俺の言葉に気付いたのか、手を離し
「耕にぃのヤツ...逃げたな!」「まぁ...仕方無いんじゃない」「んふっ♡」
すみ姉が悦んでるのが気になったが、取り敢えず解放された事に安堵していると
「三歳君は耕助さん達の事、どこまで知ってるの?」
「どこまでって...セシルに関しては多分僕の前世で、夢に出て来た事は夢じゃなくて彼女の実体験だったって感じで...耕助さんに至っては、昨晩知ったばっかりですね」
恵子さんに聞かれ俺は簡潔に答えた。
「あの女は今何してるの?!」
義姉がまだ興奮気味に聞いてきたので
「眠いって言ってたから寝たんじゃない?」「まだ寝るの?!」
「義姉さんがうるさくて寝れないって言ってたよ」「はぁ〜!?」
義姉とのどうでも良いやり取りより、すみ姉が返ってこないのが気になりチラチラ見ていたら
「三歳君は誰を抱きしめてたの?」「へっ?」
恵子さんの思いがけない質問にキョドってしまった。
「みっくん誰と浮気したん?!」「浮気じゃないだろ?」「あらあらぁ〜」
義姉が再び襟を掴もうとするのを防ぎつつ、否定するとすみ姉がいつの間にやら復活していた。
「幼い子を抱きしめて寝たんでしょ?」
すみ姉が悪戯めいた表情でこちらの顔を覗き込み
「三歳君はロリコンかぁ」
恵子さんもニヤニヤしながらからかってきて
「年下好きは生まれ変わっても変わらんのかい!」
と義姉が最後に濡れ衣を被せてきた。
「待ってくれ!年下希望だがロリコンじゃない!」
「私を(前世で)抱きしめて寝るの...気持ちよかったんでしょ?」
「そんなの、した事ないでしょ!?」
「覚えてないなんて、罪な男ね」
「もう無茶苦茶だよ!じゃあこの中で誰か前世の記憶のある人居るの?!」
「「「居ない!」」」
流石におふざけが過ぎると呆れ気味に態度に表すと
「ごめんね。でもこんな不思議体験、お話の中でなら腐る程見てきたけど...実体験はした事ないから、調子に乗りすぎたわね」
恵子さんが謝罪の言葉を口にしたので俺も姿勢を正し答えた。
「編集長は義姉さんに呼ばれて今日来たみたいですけど、お家の方は大丈夫なんですか?」
「・・・・・だいじょばない」「ブッ!?」「お姉ちゃん汚い!」
俺の疑問に素直?に答え時間を見た恵子さんは
「コンビニで適当になんか買って朝ごはんに出すわ」
「まだ6時だしねぇ」「他人事なの?」
もし家族が起きてたとしても言い訳が立つよう買い物をして帰るようだが、すみ姉の言葉に疑問も持ったようだ。
「三歳君の問題は家族の問題だからねぇ」
「えっ!?そこまで大きくするつもりは...」
すみ姉の発言に俺だけでなく義姉と恵子さんも驚いていた。
すみ姉は俺の眼を覗き込みながら聞いてきた。
「色々入り用なんじゃない?どれくらい使ったの?」
そう言ってすみ姉は水槽の置いてある一角を見た。
「まぁ...20万ちょい」「20万!?そんなすんの?!」
「大きいもの程高いし、それ以外に気密性なんかも...」
すみ姉の疑問に答えると義姉はその値段に驚いた。だが俺の説明を聞いて玄関先で恵子さんが
「気密性って必要なの?」「大きさの事は聞いてない?」「大きさ?」
俺がどう話そうか悩んでいると
「恵子お姉ちゃんは三歳君がセシルさんと意思を通わせたり、身体を入れ代わったり出来る事しか多分知らないわ。私はお姉ちゃんの足りない説明部分をL◯NEのやり取りから連想したけどね」
どうやら義姉がL◯NEで最初セシルたちが異世界からやって来て大きさが違うとか、水槽買って居場所作りしようとしてるとか送ったらしい。だが義姉の奇行に慣れたすみ姉はそれをよく読まずに通話する事で理解しようとしたら、俺を通じて耕助さんと話せると聞いて急ぎ飛び出して来たそうだ。
「改めて思うけど...義姉さんの奇行に二人ともよく付き合えるね?」
「みっくん酷い!ってそれよりか純玲をすみ姉って呼ぶなら私の事もさお姉って呼んでよ!」
俺の言葉に二人は苦笑いを浮かべた。
その後に続いた義姉の言い分に俺が心の中で(えぇ〜?)と思ってたら、恵子さんが玄関の扉に手を掛けながら
「じゃあ私は帰るわ。また時間作って来るから、その時色々教えて頂戴ね」
と言ってきたので俺は別の方法で伝えようと発案するも、恵子さんの再訪の意思は硬かった。
「後で義姉2人に聞いて「また来るわね」...えぇ...」
何故に?と思いながら固まっていると、扉の閉まる音がして俺は我に返った。
「さて...ご飯も食べたし、取り敢えず洗い物済ませるから二人は作業に取り掛かってね」
そう言いながらすみ姉がバケツと雑巾を差し出して来た。元々一人でやるつもりだった俺は
「義姉さんたち手伝ってくれるの?」「私は少しだけね」
帰らないといけないからと、すみ姉は少しだけ手伝うと言ってくれた。
もう一人はと様子を見ていると
「て、手伝うよ!そうしないと耕にぃが日本で生きていけないんでしょ?!」
どうやらさお姉はサイズ差による不都合を知ってるみたいだ。だが
「どう言う事!?水槽に入れないと生きていけないって事は、耕にぃとセシルさんは半魚人だったりするの?!大きさってアレで足りるの?!」
まだちゃんと理解出来てないすみ姉が見当違いの焦りを見せたので、サイズ違いの所為で酸素が取り込めない事を伝えた。
「はぁぁぁ〜〜〜〜、だから密閉空間が必要なのねぇ。でも閉じ込めちゃって大丈夫なの?」
「そこは一応ガラスの水槽の上にアクリルの水槽を取り付けて、出入り口を用意することで対応出来ないかなって」
まだセシルたちとはやり取り出来てないがあれだけの技術があるなら、出入り出来る大きさに切る工程だけこちらで済ませれば後はどうにかなるのではないかと考えている。最悪はパッキン等利用してこちらからの手動でもなんとかなるだろう。
「それじゃあそろそろ口より手を動かしますか」
伸びをしてから俺がそう言うと、洗い物を済ませたすみ姉も合流し「「お〜♪」」と声を合わせて返事した。
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