1章 12 発覚!?
義姉のウザ絡みの理由は...後書きで
「シャワーお先に頂きました♪みっくんは?」
「俺は夕食前にちゃんとお湯を張ってから入るよ」
チャッカリ寝間着を持ってきてた義姉の言葉に俺が答えると
「ふ〜ん...だったら私も一緒に入ろ〜♪」
なんか恐ろしい事を言い出した。
「やっと私も女になれる日が来たのね...」
遠くを見つめるような視線をしたかと思えば、ゆっくりこちらに向き直り三つ指を着く。
「不束者ですが「(酒)飲む前に二日酔いにはなれませんよ」」
義姉の言葉を遮ると義姉は懲りずに言葉を続ける。
「男女が一つ屋根の下でご飯食べてお風呂入るんだよ?二人きりならその後は当然(バフッ!)」
俺は義姉の鞄を投げつけ玄関に向かい優しく微笑みながら
「送るよ。義姉さん♪」
と言って扉の鍵を開けた。義姉はそっぽ向きながら
「お姉ちゃんお腹空いたなぁ〜シチュー、美味しそうな香りがしてきたなぁ〜」
空々しく言う義姉の首筋に光るモノを見ながら
「はぁ〜」ため息をつき玄関の鍵を締め俺は反省する。
兄の家で何回か四人で寝泊まりして変に慣れてしまってた事を...
因みに兄の家で義姉は常識的な行動をしていた為、大学を出て社会人になり兄夫婦の家を出るまでこんな人だとは知らなかった。
俺は呆れつつも、ご飯が炊けるのを待つ間に浴槽の清掃をしようと思いお風呂場に入ると
「あぁ...なんかドキドキする♪」
と言いながら今度はお風呂場の入口で義姉がクネクネしているので、洗剤とスポンジを突き付けるとリビングに去った。
(この義姉こんなんだから彼氏出来ないんじゃないか?!)
そんな事を思いながら清掃を終え自動お湯張り釦を押し戻ると、冷蔵庫からビールを取り出そうとしていた義姉に
「空きっ腹で飲むと悪酔いするぞ」と言うも「プシュッ!」と音が...
「みっくんみたいに弱くないもんね〜♪」
と言いながらゴクゴク飲み干し「かぁ〜!沁みるぅ〜!!」と一言
「おっさん臭いな」思わず本音がこぼれるとキッと睨み「うっさい!」と返された。
(やれやれ)肩を竦めながら俺は何気なくテレビを付け、お風呂が沸くのを待つ事にした。
お風呂を出てからも義姉と他愛無い会話をしつつテレビを見ていると
(…ッ‥ピーッ‥ピー‥)
ご飯の炊けたアラームが聞こえたので義姉に
「ご飯炊けたけどもう食べ「食べた〜い♪」はいよ」
そう言って立ち上がり鍋に火をかけ、炊きたてご飯に空気を含ませ鍋に戻りシチューを混ぜる。
義姉に冷蔵庫からサラダを出すようお願いすると、返事の後に
「ビールとチューハイどっちが飲みたい?」
と聞いてきたので飲み損ねた感のあるビールにした。
「いただきまぁ〜す♪」
満面の笑みで食べ始めた義姉を(パシャ!)食卓と一緒に写しグループL◯NEに上げる。
(ピロン!)音に反応し義姉が自分のスマホを手に取りプッシュ通知を見る。
「みっく〜ん?」
俺の意図に気付き睨んできたが
「悟らせた義姉さんが悪い」
と言って胸を張りながらビールを二口分程飲むと義姉が一口自分のチューハイを飲み...俺のビールに手を伸ばす!!
「アッ!?」と思った時にはもう義姉は「ゴッゴッゴッ...」と女性とは思えない音で俺のビールを飲み干し、微笑しながら目の前に自分のチューハイを置いた。
冷蔵庫から三杯目を手に取り飲みながらご機嫌で戻って来た義姉が、手にした缶を落とし
「ひっどぉーいー!お姉ちゃんバイキン扱いされたぁ〜」
と言ってマジ泣きされた。
「違うって!口紅拭いただけだって!!」
思わずたじろいだが義姉に駆け寄り倒れた缶を起こし、キッチンペーパーを適当に数枚取り零れたお酒を拭き言い訳をする。
「何か気になっただけで汚いとか思ってないから」
「気になる位気持ち悪いって事でしょ〜!」
「だから違うって!」
「じゃあチューして!」
???
意味は分からんが取り敢えず泣きながらムクレてる義姉との口吻を回避すべく、先程起こした口紅の着いたチューハイを一口飲むと…
「チッ!」
舌打ちされた。
流石にお巫山戯が過ぎると思い俺は少し真剣な顔をしながら義姉に
「義姉さん」
と語気を強め窘めるように言うと義姉は大粒の涙を流しながら
「淋しいのぉ〜〜−…」
と叫ぶように言いながら抱きついてきた!
「ちょっと義姉さ「耕兄ぃ行っちゃヤダぁ〜」!?」
抱きついてきた義姉からは明らかに今飲んだ以上のお酒のニオイがした。言動がややいつもと違うと思っていたが、どうやら此処に来る前から飲んでいたようだ。
「どうしてよ〜」
更に泣き崩れる義姉を落ち着かせようと背中をさすり、しばらくして抱き起こすと...寝てる?
「...ヤ...」
仕方なく自分のベッドに寝かせ離れようとしたら、また抱きつこうとしてきたので手を握り寝かしつける。
「こうにぃ...て誰だ?」
姉妹従姉妹ばかりで兄弟従兄弟は居ないと義姉は言っていた。
聞かない方が良いと思いながらも何も知らず義姉の変な絡まれ方に耐え続けるのもツラいので、思い切って家族網で聞くと兄は知らないようだったが兄嫁が知っていた。
「いきなり通話してゴメンね」
そう言って切り出してきたすみ姉になぜこうにぃを知ったのか伝えると
「そう、姉さん...まだ忘れられないのね」
と言ってから教えてもらったのは、おそらくさお姉の初恋にまつわる話だった。
「一成さんと同じ位優しいアナタだから話したんだからね。うまく姉さんと付き合ってね♪」
「付き合っての部分がコワイですよ。努力はします」
「ふふっ」
難しい問題を俺に丸投げした事に俺が了承するとすみ姉は苦笑したようだ。
通話を切ってさお姉に目をやると、俺の手を頬に当て辛そうな表情で涙をこぼしたまま寝ていた。
涙を拭くと寝返りをしてその時手が離れたので、俺はさお姉にタオルケットを掛けソファで寝る事にする。
寝室を出てリビングに戻ろうと歩いていると魔力回路の気配がして
『石上よ、今少しだけ良いか?』
リアが念話してきたのでどうしたのか聞き返しながら、テーブルの上を見て夕食の途中だった事を思い出しゲンナリする。
お酒のせいか食欲は失せていたので片付けながらリアの話を聞く事にした。
『先程の事を謝りたいのじゃが、気を鎮めて聞いてもらえるかの?』
先程?それよりもいつも尊大な物言いをするリアがおとなしく殊勝なのが気になった。
「セシルは居ないのか?もっと楽に話せるだろ?」
『此処に居るんだけど少し入れ代わってもらえる?理由は代わればすぐ分かるわ』
「構わんけど今夕飯の食べ残しを片付けてるから終わってから『私がやるわ』マジか?!」
言うやいなや入れ代わり、リアが「入れ代わったぞぇ」と言いながら手を繋いできた。
そうしていると眼の前に居る全員が謝罪し始め、俺がお気になさらずと伝えるとそこから自己紹介が始まり個々に感謝されてしまった。
伏線回収物語「シャ〜ボン玉、飛〜んだ」Coming soon
本日12:10投稿します




