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異世界人Vチューバーになる  作者: 石上 三歳


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1章 3 時代の変化

今回自己都合ですが2話連投します(理由は後書きを御覧ください)

指輪にリアが宿ってなくても戦甲翔は動けます(能力は格段に落ちます)

作中に出てくる(齎す)は(もたらす)と読みます。

『...で何食べに行くの?』


本当に憑いて…もとい着いてきたよ…

今度は耳の中では無く帽子の中、戦甲翔に搭乗し髪にしがみついている。


『ファミレスか...カレーのチェーン店もあるな...』


因みにリアは指輪に宿らない限り戦艇からあまり離れられないらしい。そして戦艇に居るリアとは距離がある為、今は魔力回路が繋げられないそうだ。


『カレー!カレーにしましょ!!クランディア(あっち)に無いのよ!ねぇ!!三歳お願い!!!』


懇願してくるセシルに『分かったから落ち着け』と宥めながら車に乗りエンジンを掛ける。


『今(キー)回した?』と聞いてくるセシルに『鍵近付けるだけで掛かるんだよ』と言うと『へぇ〜』と感心する。


『もっと凄い戦甲翔(モン)に乗ってるのに...』


俺がそう言うとセシルは『それとこれとは違うのよ』と言ってきた。


(そんなもんか)


と思いながら『ふ〜ん』と生返事しながら車を走らすと


『あの四角い電話、外でも使えるんだ!?』


と驚いている。


『本来携帯して使うもんだから外で使うの(アレ)で良いんだよ』


『最初は肩に掛けて使ってたって知ってる?そもそもお金持ちのアイテムだったのが庶民でも持てる位安くなって、テレビのリモコン位の大きさになって...今は持ち運べるテレビみたいになって便利になったのね〜』


俺の言葉にしきりと感心しながら答えるセシルになんだか(ババくさいな…)と感じていると


『...今お婆さんっぽいとか思ったでしょ...』


『思ってない』『嘘つき』


即答したら即答し返された。


そうこうしていると目的地に着いたので車を駐車場に停めると


『やた♪カレーだ♪早くっ、早く行きましょ!』


...なんか...最初しっかりした大人の女性だと思ってたんだが...今は...


『女子高生みたい』『そんな若く無いわよ!!!』


思わず伝わる程意識したらしい。だがセシル(むこう)も恥ずかしくなったのか


(はしゃ)いでごめんなさい』と言い『行きましょ』と直ぐに促してきた。


『了解』と軽く答え店内に進むと『いい香り〜♪』と本人は声に出しているつもりは無いのだろうが...念話である為感情がダダ漏れてくる。


『どれにする?』


席に着きタブレット(メニュー)を開き操作しながら尋ねると


『わっ!凄い!!いろんなカレーがある!!!』


とウキウキしているのが手に取るように分かる位燥いでいるので、俺はもう自分の食べたい物を選ぶのを諦めた。


ほうれん草とナスがのったカレーにカツをトッピングするという強気な注文に(全部食えるのか?)と疑問に思いつつコクピット内を眺めていた。

因みにタブレットの操作を教えた辺りで身体の自由は奪われた。抵抗すれば出来ただろうが少女のように燥ぐ彼女の心に触れた時、何となくだがクランディア(あちら)で辛い目に()っていたのが伝わって来た為無粋なことをする気にはならなかった。


『窓際に一人で居る黄色い?頭の人...日本人よね?』


唐突にセシルが聞いてきたのでモニター越しに窓際の客を見渡す。


『金髪でイヤホンしてる男か?』『そう、その人』


俺が答えると直ぐにセシルが肯定した。


『多分そうだと思うが...それがどうしたんだ?』


聞き返した俺に少し間をおいて、セシルがぼやき気味に言う。


『...カツラ?にしては生え際が黒いし...違和感が凄い』


『染めてるだけだよ。生え際が黒いのも髪が伸びてきたからああなってるだけで...』


俺が答えたタイミングでソイツの席に店員がやって来て料理を並べた後


「此方でご注文の品はお揃いでしょうか?」と尋ねるがイヤホンのせいで聞こえないのだろう。

店員も慣れたもので「ごゆっくりどうぞ〜」とたいして気にも止めず立ち去る。


わなわなと昂る感情に、言いたい事を理解した俺はセシルに


『落ち着け!気持ちは分かるが店員を見ただろ!!アレは今の時代じゃ()()()()の事なんだよ!』


俺の感情もセシルに伝わったのか徐々にセシルの昂りが収まる。


『あんなのは金髪じゃない...ただの黄色頭...』


『...そうか』


『(黒いとこ)見窄(みすぼ)らしい...イヤホン(耳のヤツ)取りなさいよ...』


『そうだな』


『聞こえなくても見えてるでしょうに...』


俺が答えるより先に店員が「お待たせしました〜」

とやって来てカレーを目の前に置き


「ご注文の品は以上で宜しいでしょうか?」と尋ねてくると


「大丈夫です♪」と微笑みながら答える。


店員も笑顔で「ごゆっくりどうぞ♪」と答え立ち去った。


『冷めない内に食べろよ』『...うん』


折角楽しみにしていたカレーが味気ない物にでも変わったのか、美味しそうに食べるセシルを俺は見る事が出来なかった。






三歳の運転する車に揺られながら見る外の風景になにかしらの違和感があったけど時代のせいかな?と思いつつ軽口を交えながらカレー屋に到着。

風景がブレるので香りを楽しみながら席に着くのを待ち、三歳に注文の仕方を教わり意気揚々と選択...


そこまでは良かった。


三歳と入れ替わり周囲を見渡し初めて気付く。違和感の正体は人々の......無関心さ......


自己陶酔?かと思える程、自分だけしかこの世に居ない、とも思える振る舞いに、普通にしていると思える人達さえ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()(かわ)すその姿に私は初めて《滅びを齎す者(悪魔族)》を見た時以上に震えが来た。


「たかだか2、30年で何が起こったの...?」


三歳の気遣いが伝わって来るが私は何も言葉に出来ず、カレーも半分程で喉を通らなくなった。


『代わろうか?』『...うん。ごめんね』


入れ代わりながら『気にすんな』と声を掛けてくれた三歳は、カレーを掻き込み頬張りながらさっさと支払いを済ませ外に出てくれた。

セシルは1998年に若くして病死しクランディアに転生した為常識が昭和後期となっております。

また、生きた期間が短く徳もカルマも積み上げられなかった為、第3位階には留まれず第5位階クランディアに転生した...という設定です。

2話連投にしたのは次話内容&後書きで語ります。

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