オープニング 13 関係の進展
石上がお風呂場に向かい出したので私は目を閉じ、石上と感覚共有出来ないか試してみる事にした。
廊下を静かに歩く感覚...
お風呂場に入った時に伝わってくる冷たいタイル...
その前に感じた香ばしい匂い...これは...
「あなた、お昼にチャーハン食べたのね」
石上の口からハッキリ意識した声で響いた!!
『俺に怒っといて何してんだよ!つか急に身体の感覚が重く?なった気がしたケドやっぱ気のせいじゃなかったのか!!』
石上がちゃんと念話の要領を守って伝えてきた。
『ごめんなさい』と伝えると『しっかりと仲間に伝えてくれよ』と少し意地悪げに言ってきた。
意地悪な感情を私が感じた事で石上は少し申し訳なくなったようだ。
(基本紳士的なのよね)
と思いながら身体も意識も停滞した今がチャンスだと考え
『お風呂場を調べたいの。目を閉じて何も考えないよう意識出来る?』
そう聞くと『さっき喋った要量か。分かった』そう言って意識を内側に向けた瞬間石上の身体の感覚が明確になった。
『凄いじゃない!違和感無い位動かせる...瞑想でもしてるの?』
反応が無いので聞いてみたが返事が無い。無意識状態を維持するのも大変な筈なので、私は石上に感謝しつつ急ぎお風呂場を調べ始める。
戦艇が着水後窓と反対側を向いていた事から異世界の扉が残っているのなら窓側だと当たりを付ける。
『良かった!まだ残ってる!!』
私は急ぎ戦艇に戻る為再度石上に呼び掛けるが返事が無い...
(無意識ってそんなに維持出来る?ひょっとして何か違う事に気を取られ...)
そんな考えが脳裏をよぎった瞬間!!
『アナタ!なにしてるのよ!!!』
そう私が石上に言った瞬間セシルは両胸をもんでいた手を離しバンザイした。
『返しなさい!!』そう言うなり身体を取り戻し『戻りなさい!!』と両胸を抑えながら(意識内の石上を)睨む!!!
石上は怯えながらも少し悦びながら(私が両胸を押さえた時)怯みながらも名残惜しそうに戻って行った。
セシルに凄まれ自分の身体に戻ると上半身が痛い。特に...
『いってぇ...頬が...首がぁ...』
『謝らないわよ。あなたが悪いんだから』
自業自得である。
『そんなセクハラ野郎に名前で呼ばれて、こちらが敬意を払うのも馬鹿らしくなってきたわ。今から三歳って呼ぶから...いいわよね』
そう言われ頬を擦り首を撫でながら渋っていると『いいわよね?』
と念を押された。
勿論答えは...『Yes』一択である。
セシルが石上の身体を利用しようと意識したのを感じた石上がセシルの身体を意識した為互いの身体をスムーズに扱えた。そんな感じです。




