オープニング 12 情報共有と二人の関係 その4
今回リアによる世界の仕組み、在り方の話が大半です。
二人が食料問題について話し合う間に我は石上が何故セシルを知っているのか気になり、持ち帰った石上の情報(念話中の意識の動向)を解析する事にした。
石上はセシルを夢で見たと言っていた。
夢で手に入れた情報で小説とやらも書いていると...
我を起こす前にセシルが石上とやり取りした事故その時の二人の意識に触れておらんから詳しくは分からんが、石上にクランディアの記憶は無いしセシルには日本の記憶はあるが石上の記憶が無い。
なまじ魂が同じな為お互いまだその矛盾に気付いておらんが...まあよかろう。
それより異世界の在り方や法則について説明したが石上は全く知らなかった。
世界として認知出来る階層は大きく分けて13在り、分断されているのではなく螺旋状に繋がっているが例えるなら傾斜路の中腹に階段の踊り場のような安定域な層が在り、それを〇〇位階と呼びそこから離れ境界に向かう程その時空は不安定になる...のじゃがそう聞いた石上は(小説の設定に使える)とか考えておった。
因みに我等が居た世界は第5位階で日本は第3位階であろう。
セシルの今までの記憶に照らし合わせても石上に纒わる情報は見つからずこれ以上はもう一度二人に接触するしかないが、指輪の状態では解析は出来ても記録は出来ないのでこの日本を解析する事にした。
やはり大きさより密度の方が問題じゃな。全てが大きいなら逆に小さい分我等の方が硬くなる道理だが...結び付く力とでも言えば良いだろうか?それがかなり強い。
それだけではなく魔素に関しては凍結しているのでは?と言いたくなる程硬く結びついている。
これでは魔術はおろか魔法さえ使えず魔導機関は魔石でも無い限り動かないだろう。
魔力で動く物なら使えるかもしれんがここでは12星家かそれ以上の魔力を持つ公爵家や王家でなくば無理であろう。
我の魔導核の魔力は周囲の魔素を取り込めない場合、魔力は減ったままになり回復出来なければやがて枯渇し我の自我は失われ戦艇も動かないどころか瓦解の恐れすらあるので今は休眠状態でいるのが良かろう。
取りあえず我も自由に行動したいし記憶も維持したいのでもう1つの身体に移るべくセシルの意識へと戻る......と?!
『三歳!!あなた凄いわ!!!これなら魔導強襲戦艇ですら最大戦闘力状態で永久に戦えそうだわ!!』
と半狂乱気味で叫んでおり思わず
『そんな事されたらオーバーヒートどころか爆散するわ!!阿呆が!!!』
セシルが石上を三歳呼びしてる事より、魔導核を無限に使えるような口振りに思わず驚愕してしまったわい。




