表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/33

オープニング 11 情報共有と二人の関係 その3

小さくなる俺の感情を読み取りセシルが優しさ4割、憤り4割、呆れ2割位の感情になった。


『先に言っておくわ。音と衝撃が凄いのよ。小声でも大気が震えるの。歩く振動は多分水上なら()()にはなるわ。この()()()()()()()()()なら私が戦艇に戻れば分かり易いと思うから詳しくはそれまで待ってね。あと()()の癖をつけて。早急に』


『分かった...それよりも食料をどうするかが先決じゃないか?』


そう俺が聞くと


『何となくどうしようも無い気がするのよね...』


呟いたセシルに多少の焦燥感は感じられるが焦ってはいないようだ。


『なんで落ち着いてるんだ?俺が逆の立場なら多分震えて泣いてるぞ』


念話で沈黙出来るってスゲーなって思ってると


『呆れて物が言えない状態の時って心まで詰まるのね。初めて知ったわ』


とセシルが本気で呆れていた。


突っ込もうと思ったが(情けない)とか(男らしくない)とか言われる気配を感じ別の質問をする事にした。


『感情は理解出来てもリアみたいに思考は読めないんだ。取りあえず説明してくれ』


(情けない)とか(男らしくない)の後(平和に慣れた日本人なら仕方無いか)みたいな感情を振り払いながらセシルは説明し始めた。


『さっき私が食べてた軍用食が戦艇に1か月分程あるのよ』


そう言ったセシルの感情は(マズイ)一色だったので思わず『知ってる』と思い浮かべてしまい『なんで知ってるの?!』と聞かれ『リアに異界の事聞いてる時ひたすら(マズイ)って感情が...』と伝えると『そっちか...軍用食(ストック)が分かるのかと勘違いしたわ』と言われた。


『それだとあんたの思考が読めてるみたいじゃないか。読めてたら聞かないって』


そう俺が言うと


『それもそうね...それより「あんた」呼びは止めてもらえる?セシルでいいわ』


ほんの少しだが拒絶の気配を感じたので思わず『分かった』と答えた。


『それともう1つ、念話する時もっとハッキリ伝える意思を強く持って、そうじゃない時は意識を内側へ向けて欲しいの。中途半端は分かりにくいのよ』


感情だけは伝わるのでそれが苛つきよりもどかしさからだと分かるが、慣れるまでは無理だろうと思い

『努力する』と答えると彼女(セシル)から『努力して』と()を込められた。


『それよりお風呂場に行って貰える?私達の転移痕(落ちた)場所を見たいの』


そう言われ俺は『了解』と答えながら風呂場に向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ