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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ホラー短編集

首投げ池

私の住んでいる白糸町(しらいとちょう)には最恐心霊スポットと呼ばれる場所がある。

それは一般的には仙馬公園(せんばこうえん)と呼ばれている公園だ。

なぜ一般的にかというと、心スポ巡り界隈では仙馬公園ではなく、"首投げ池"と呼ばれている。

なぜかというとここでは戦国時代に戦があり、殺された人の首が池に投げ捨てられた。

そして殺され投げ捨てられた人たちの霊がここに出るとされている。

だが私は知っている……今のここにはそんな霊はいないことを。

だが、その代わり……最近死んだ人を襲う霊が屯っている。

「ねえ、君〜俺のこと見えてるでしょ? なあ反応しろよ。お隣の友達? を殺せば反応するよなぁぁぁ!!」

やめて、ほんとやめて……

「ねえ(かえで)さっきからどこ……み………ごぼっ……かぁっ……んんんんんん!?」

「ひゃっははははは、溺れろ溺れろ」

カチン

「おいテメェやめろっつってんのが分かんねえのかよ!!」

「あぁ〜聞こえねぇなぁ、もういっぺん言ってみろや!!」

「やめろっつってんだろうが、タコ!!」

シュッ……ボン!!

「くっそガキャァァァ!!」

「…………はっ、ゴホッゴホッ……助かった?」

「ごめんね静香(しずか)……"記憶消去"」

「……へ?」

バタン

「ほんと昔よりバカなやつらが屯ってんなここ」

私は……いや、俺は元々はここで首を刎ねられ池にその首を投げ捨てられた。

そして俺はその怨念で生まれた霊の集合体の核だった。

今みたいに変わったのは三十七年前

ここで突然だが、三十七年前の変わる前の俺の話をしようと思う。

回想

なんでこの俺が殺されなきゃならねぇんだよ!!

それだけじゃなく首を池に捨てやがってぇぇぇぇ!!

「なあ、本当にここが"首投げ池"なのか? 普通の池っぽいけど」

「ここで合ってるはずだよ。それじゃあ読むよここでよく見られる霊は集合霊で特に中心にいる男の霊が霊能者安室和佐(あむろかずさ)を殺したのは知ってるよね。ここで行方不明になった人が十七人いてその内七人は首が無い状態で池付近で発見された」

「それ以上は……オエッ……」

「分かった分かったやめるよ」

あいつら……俺の場所で……遊びやがって

「………? いやぁぁぁぁ!!」

(たつみ)!?」

「キャァァァなんでこんな…………早く、早く助けないと!!」

もう遅えよ

俺は女を引き摺りながら肉を削った

俺は必ず痛みを与えるにしても顔だけと決めている。

幾ら腹が立つやつだろうが俺は必要以上に痛めつける趣味はない。

まあ顔だけならどれだけ傷つけてもいいんだがな。

俺には自分の経験した痛みを他人に味わわせることが出来る。

だから俺は特に顔なんだよ、痛めつけるのはなぁ!!

他人が苦しみに踠き苦しみ絶望に歪んだ顔がいいんだよ!!

この女にも首の痛みを味わってもらう

「ぎゃはははは」

回想終わり

まあ昔の俺はこんな感じだ。

その時奪った身体を今も使っていると言う感じなんだ。

俺が使っている身体は"巽"と呼ばれていた女のだ。

老化はしないよう身体は変えてある。

まあ変えたと言うより死体を使ってるから老化しないだけなんだがな。

死体だが、匂いに関しては問題ない!!

それに当然名前は変えてある。

今のこの身体の名前は花守楓(はなもりかえで)

そして今の俺の仕事はこのお盆の時期に水辺で悪さをする霊を大人しくさせること。

"あの方"からの命令だからな、俺が逆らえるはずもない

俺が大人しくなったのもあの方に負けたからだ。

まあその話はまた後でな

さてもうすぐ静香の意識も鮮明になってくるし、楓に戻るとしますかね

「大丈夫静香? あなた突然倒れたのよ」

「……んん、そうなの? ここにくるまでの記憶がない気がするんだけど気のせいかな?」

「心配だったら病院行ってみる? もしかしたら頭を打ったのかもしれないし!!」

「そうだね、そうしてみる。何かあってからだと遅いからね。心配してくれてありがとね楓」

「いいって、せめて病院までは送らせて……お願い!!」

「流石にそこまでしてもらわなくていいから」

「だったらタクシー代だけでも…………はい!!」

「……ありがとう。それじゃまあ今度スイーツでも食べに行こっか!! その時はた〜くさん奢るからね楓〜!!」

ワシャワシャ

「もう髪がくしゃくしゃになっちゃって……えへへ……やっぱり静香といると楽しいな」

「嬉しいこと言ってくれちゃってこの、この!!」

「いっ、痛いってもう!!」

「ごめん、ごめん……それじゃあ行ってくる。終わったら連絡するね」

「分かった。何もなければいいね」

「そうだね〜……まっ心配するだけ損って思ってもらうぐらい元気が取り柄の私だから……多分大丈夫?」

「もう、どっちなの? いってらっしゃい静香」

「行ってきます楓!!」

ダッダッダッ

見えなくなってきたね。

あの方から連絡だ

『隣の道引公園のコイを飼っている池で悪さをする霊が出たから大人しくさせてくれ』……か

わっかりましたよ!!

これが"水霊帝補佐(すいれいていほさ)"……俺の仕事だ!!


おしまい

見つけて読んでいただきありがとうございます!!

一応ホラーのつもりです

ホラーっぽくない部分が多い気がするけど、あはは

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― 新着の感想 ―
「俺」という一人称から伺えるように元々は男性の霊だったのが、今では女性の身体を使って活動しているのですか。 ある意味ではTSと言えそうですね。
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