表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

赤いリボンの結び目

作者: 佐藤悠翔

片想いの相手に、彼女がいた。気づいてしまった。わたしのことをあんなに期待させて、結局裏切られた。でも、彼への気持ちは治る気配がなかった。

元カノとして、彼のことをわかった気になっていた。一部だけを見て、全てを悟った気になっていた。だからだろう、彼は私を手放した。彼の浮気相手の女の顔が目の奥に浮かぶ。醜いあのブスに奪われるだなんて想定外だったのに。

極論を言えば、あの女も彼のことをまだまだ知らない。逆もそう。ならば彼も私のことを知らない。ずっと、同じ景色を見てきた。でも頭の中だけは見えなかった。あの女も、見えているはずがない。

きっとそうだよ。

だろうに、あの女といるときの彼は、私といるときよりも何倍も楽しそう。

あの女がインスタに投稿した写真を見る。痩せこけて病院のベッドに、多くのチューブに繋がれているおばあちゃんのような見た目の女の人。ホクロの位置、エクボのつき方、たぶんあの女だ。

わかった。あの女はもうすぐ死ぬのだ。そうすれば私にも光がある。早く死んでくれと、願った。

いつの日か。持病の経過観察のためにその病院に行った。すると、たまたま彼とあの女の姿が見えた。余命宣告をされ、付き添いの彼が泣いていた。

いつの日か。持病の経過観察のためにその病院に行った。すると、たまたま彼とあの女の姿が見えた。余命宣告をされ、付き添いの彼が泣いていた。

決めた。

彼を幸せにすると。

醜いあの子に、命をあげよう。

赤いリボンで、永遠に結ばれますように。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ