第七十話 創世の森
スカルンダから出発して2週間後、創世の森こと『エルランド』に着いた。
ここは前のハンティフォレストとまた別でツリーハウスがあるだけではなく木の幹をくり抜いたお店があったりキノコの中が家になっていたりとかなりおもしろい。
木でできた門を潜り抜けると、上はランタンのように吊り上げられた家、下は自然と一体化している街。
「凄いな……」と俺や兄さんでさえ口を開けて見上げてる田舎者のようだった。
しかし、突然アイヴィが口をつぶやく。
「ねぇ、ここさハンティフォレストと似てるけどいつもの感覚とは少し違うがするんだけど。」
俺や兄さん、レナも振り返って首を傾げる。
「そうか? 別になんとも思わんが。それより、早く再生の神に会いに行こう。」
ドンッ
兄さんがそう言って前進したその時、1人の女性にぶつかった。
「あ…すまない。大丈夫か?」
濃い緑の髪色で眼が透き通るような薄いエメラルド色をしている。
「いてて、大丈夫よ。 君たちは観光? さっき『再生の神』がなんとかとか言ってたけど。」
その女性は起き上がり、お尻についた葉をパッパと払うと不思議そうな口調で聞いてきた。
「観光じゃないわ。私達、冒険者だし。『再生の神』は何処に行ったら会えるの?」
レナもようやく社交的になったのか俺の代わりにペラペラと話してくれた。
「なるほどね。あなたも祝福を受けにきたんだね。でも残念。あいにく、今はちょっと争いが起こってるの。争いを解決したら現れるかもしれない…なんてね。」
彼女は軽くウインクをして話す。嘘を言っているようには思えない。
「分かった。じゃあ案内を頼める?えーっと、森のガイド…さん?」
俺は木で彫られたネームプレートのようなものを確認しながら彼女に問いかける。
すると、彼女は嬉しそうな顔になり、後ろ歩きをしながら話し始める。
「任せて!私は…ネオア。貴方達の名前は?」
「俺は、元聖魔王国騎士団の2番……」
「長いわよ。肩書きは騙されやすさNo. 1っていうので良いんじゃない?」
レナがルークの自己紹介の長さにうんざりして冗談混じりに口を挟む。
すると、兄さんはしょんぼりして小声で「…ルークだ……」とつぶやく。
アイヴィやネオアはくすくすと笑っている。
「私はレナよ。このダメ男のお守り。この大釜で敵を薙ぎ倒してるの。よろしくね!」
次はアイヴィが口元の布を下げて話し始める。
「アイヴィだ。弓を武器にしている。私も貴方と同じ、森に住んでいたから仲良くしたい。」
最後は…俺か。さっきからネオアがこちらをずっと見てる気がするんだが、気のせいだろうか。
スーッと息を吸って話し始める。父さんのことを少し思い出し、堂々と語る。
「俺はロギアス・アレク・レオナード。ルーク兄さんの弟で…『複製』の勇者だッ!!」
こうして、再び始まる。俺たちの『複製人生』。




