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複製人生   作者: 名のないりんご
第六章 聖魔王国大戦編
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第五十五話 グランド・アース

     聖魔王国近くの丘の上


リザードトカゲに乗り、俺は野原の向こう側にある聖魔王国を見つめる。


俺の後ろには、召集で来てくれたポラリス王国と獣王国、そして聖魔王国に恨みを持つ近くの村人。


全て合わせるとおよそ3万人の軍。


一方、向こう側には聖魔王国騎士団が4万人、同盟国の軍が1万人。合わせて5万の兵がいる。


少し前に一度拠点のテント内で軍の代表と話し合いをする。


ポラリス王国からはエドワード。彼は約2年間反省のため投獄されたのち、ジェイドが死んだことを聞き急いで来てくれた。


獣王国からは、虎の獣人のサンダーボルト。盲目の熊の獣人メリフィス。


「今回集まってくれてありがとう。開戦する前に、二つの国の代表に聞きたい。聖魔王国の戦法を。」


メリフィスは過去の戦線記録を持って来た。


「アレク殿、こちらがかつて我々が戦った際に調べて戦争の結果です。全て、相手に先読みをされ負けています。」


エドワード王は椅子に座って落ち着かない様子だ。


「預言者がいるってことか?」


「いえ、そうではないかと。しかし、何かしらの情報係があるはずです。」


地図をみるとどの戦いでも向こうは高所を取っており、ポラリス王国と戦争をしなかったのも周囲に高台が無いからでは無いかと予測できるな。


「よし、作戦は、、、。」


こうして時は戻り、戦いの火蓋が切られようとしていた。


「アレク殿。」


後ろから声をかけて来たのはサンダーボルトだった。


「我々獣王国は負け戦などしたくない。負けるかもしれんと我々が判断した場合は逃走する。いいな?」


「別に構わない。貴方らの目的は聖魔王国への牽制。俺たちはルークを殺したい。利害が少し一致しただけだ。」


そして、空の雲行きが怪しくなって来たところで、追い風が吹いて来た。


相手の矢が飛びにくくなる瞬間だ。


「行くぞッッッ!!!」


そして二手に別れて、聖魔王国へと勢いよく攻めて行く。


もう戻れない。全てを消すまで止まる気はない。


      聖魔王国 城壁の上


「見て見て!敵は二手に別れたようだよ。」

「向こうの話だとアレクは林の方から行くみたい!」


男の子の名はライ。女の子の名はレフ。


男の子の能力は千里眼。女の子の能力は地獄耳。


2人でこれまでの戦況を細かく報告し、戦争の場において有利に立つことに貢献してきた。


獣王国とアレクは林に向かったか。


なら、正面のポラリス王国と反乱兵はなんとかなりそうだな。


「なるほど。なら、俺とカイトで林に向かいアレクを。アーサーは正面が辛そうなら援護してくれ。」


「「了解」」


聖魔王国騎士団も動き出す。しかし、この後この判断が甚大な被害をもたらす。


林に着くと、案の定聖魔王国の兵が待ち構えていた。


「ロギアス・アレク・レオナードを出せ!大人しく差し出すのなら貴様は逃がしてやろう。」


「そんな交渉誰が聞くんだよ!アタシらは戦いたくてウズウズしてんだ。」


やはりそうか。獣王国の戦士2人はかなり厄介だが、早々に決着をつける。


ルークはアレクの背後に周り、斬撃を繰り出す。


「はぁっ!!」


抵抗を見せるかと思えば、何も抵抗なくその場に倒れた。


なんだ?まるで人形を斬ったような、、、。


するとアレクの身体が消滅する。


「な、、、なんだと、?」


「へっ!やっぱアレク殿を信じて正解だったな!メリフィス!」


メリフィスは小さく鼻を鳴らし、頷いた。


「では、、本物のアレクはどこにいる!?まさか、、レフ!ライ!」逃げろッッッ!!!」


     聖魔王国正面の草原


ダダダダダダダダッ!!


数百体のリザードトカゲが草原を走り抜ける。


その中のフードを被った男が前に出る。


勢いよく飛び降り、前から走ってくる聖魔王国の歩兵に向かって歩み寄る。


そして、魔力操作に集中する。


前は放つことができなかった最後の神業。


ピリッビリビリッッッ


右腕から小さな稲妻が出てくる。


レイヴン先生のおかげでここまで魔力操作をすることが出来た。


「これが、、俺の怒りだ。」


右腕を大きく横に振った。


「グランド・アァース!!!!」


空気が割れ、地面に大規模な亀裂が起こり、聖魔王国の城壁にまで達する。


次の瞬間、眩い閃光が走りあたりは崩壊した。


「ひゃ、100年間誰にも破られなかった城壁が、、」


歩兵だけでなく騎馬隊や騎士団員も全て地面に飲み込まれていった。


少し息を整えて高速で飛んでくる存在に向き合う。


「さぁ、来いよ。」













グランド・アース 大地の神ガイアが使用する神業。町一つを消す威力を持つ。

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